一般社団法人 長野県新聞販売従業員共済厚生会

取材報告

花立 ひなた(文化学園長野中学3年・長野市)

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「取り組むべき問題」
 アメリカにおける銃の歴史は開拓時代や独立戦争にさかのぼり、憲法が所持を認めている。銃はどのような存在なのか。現地で取材した。
 熱心なキリスト教徒というブラッド・ウェベルさんは「暴力に反対。銃はもっと規制すべきだ」と断言した。共和党上院議員の事務所で働くジェイソン・ゲスキさんは「銃の所持は根本の権利」と言い、障害者が刃物で殺傷された相模原の事件も引き合いに出して「銃は危険だが、法律を守って所持する人は犯罪を起こさない」と話した。
報道の博物館「ニュージアム」を訪れていたパトリシアさんは「私は、日本のように規制するべきだと思う」と言った後、「でも銃を持つ人たちにとって、銃は自分を、そして生活を守るためのもの」と続けた。私は彼女の言葉を聞き、この国で今、市民生活から銃を一切なくすほどの規制はほぼ不可能だろうと理解した。
 市民が銃を持てないよう完全に規制すれば、誤った方法で使われることはなくなるかもしれない。だが自衛もできなくなってしまう。非合法の銃が出回ればなおさらだ。49人が亡くなったフロリダ州の銃乱射事件を受け、銃規制強化の法案が上院に出されたが、否決されている。完全な銃規制は不可能という状況で、銃による犠牲を出さないためにほかに何ができるかも考えなければいけない。
アメリカの銃規制の議論だけでなく、世界で起こっている問題から目を背けず、理解を深めたいと思った。若い世代が関心を高めて取り組むことで、解決策が出てくることを願う。

「異文化から学ぶ世界」
 「いろいろな国の文化が融合したものが、アメリカの文化だ」。共和党の上院議員事務所のスタッフ、ジェイソン・ゲスキさんは、アメリカの文化についてこう説明した。成り立ちが全く異なるアメリカと日本。その文化にはどのような違いがあるのだろう。アメリカで聞いた。
 「日本は組織化されていて忙しそう。アメリカはもっと大ざっぱな社会」。ニューヨークで取材を受けてくれた男性はこう答えた。
 アメリカでは、見知らぬ私に「どこから来たの?」と聞いたり、「おはよう」とあいさつをしたりしてくれる人が多くいた。日本ではなかなか経験しない。アメリカ人の陽気さ、気さくさ、優しさが感じられた。他人に対して遠慮をする、恥ずかしがることが少ないのだろう。日本人とは対照的だ。
 もしからしたら私たち日本人は、毎日の忙しさを理由に、全ての物事に対して一歩引いて対応しているのかもしれない。それが原因で、今日のグローバルの時代から日本が取り残されてしまわないかという危機感を感じる。一歩、いや二歩、前に出て行くことが日本人には必要なのかもしれない。
 今回の取材で一種の違った文化に触れられた。この経験を生かし、社会に貢献したいとあらためて思った。

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