一般社団法人 長野県新聞販売従業員共済厚生会

取材報告

池上 史桜(南箕輪中2年・南箕輪村)

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<自分で大学費用貯金 刺激に>

 自分の夢をかなえるためにはさまざまな選択肢がある。アメリカでも日本でも、そのために大学進学という選択肢を選ぶ人が多くいると思う。私もその一人だ。しかし、進学には金銭的に大きな負担がかかる。学費問題について、アメリカで若者中心に取材した。
 アイオワ州の高校生グループ7人に聞いた。モンタノさん(17)は「アルバイトを掛け持ちしていて、勉強との両立は大変。でも両立させないと大学の学費に充てられなくなってしまう」と答えた。
 ハナさん(16)は「将来は獣医師になりたい。大学に長く通う必要があるので、お金をためて早め早めに行動しなければ」と話していた。7人のうち6人はアルバイトをしていて、大学に入る前にお金をためることが必要だと、口をそろえて話した。
 高校生グループの仲間のジョンさん(23)は大学を卒業したばかりで、就職先が決まっていないという。10年間の学生ローンで学費を借りた。金額は教えてもらえなかったが、返済できるか心配だと答えてくれた。
 日本では生活費以外に、趣味娯楽や社会勉強の目的でアルバイトする学生が多いと思う。アメリカの高校生は進学のために貯金しようと努力し、将来に向けて自立した行動をしていた。想像もしていなかったことで、大変驚いた。
 私は親から仕送りしてもらって大学に通うことが当たり前だと思っていたが、アメリカでは違った。質問した高校生の話はとても刺激になった。決して簡単ではないと思うが、夢をかなえるための努力は勉強だけではないと学んだ。できる範囲で自立することを目指し、夢に向かって努力したいと感じた。


<高齢者運転 考え直した取材>

 日本では高齢ドライバーによる悲惨な事故が社会問題となっている。私の祖父母も70歳を超えたが、2人とも運転している。アメリカでも同じように社会問題になっているのか取材したいと思った。
 ワシントンDC郊外の国立航空宇宙博物館別館を訪れていた70代のギルさんは「俺はまだ元気だ。これからも運転していくよ。運転しても悪いことはない。自由だから」と話した。質問した数人の70代は全員が運転し、「ゆっくり気をつけて運転している」と答えてくれた。
 取材するうちに、高齢者だから事故を起こしやすいと、一方的に考えて質問することは、失礼になるのではないかと考え始めた。取材サポートをしてくれた現地ガイドのなおみさんに相談した。
 なおみさんは「この問題は質問の仕方を慎重にした方がいい」と教えてくれた。多くの人種が暮らし、多様な文化を受け入れているアメリカでは、年齢や性別でひとくくりにして問題を考えることは少ないという。確かにその通りで、このまま取材することは難しいと考えた。
 テーマからはずれてしまったが、この質問を通じ文化や考え方の違いを肌で感じ、自分の考え方も幅が広がった。
 田舎では車がなければ買い物や病院に行くことは難しい。自分としてはこの問題に対して自動運転の開発や公共交通機関の発達が進めば、解決につながると思う。

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