一般社団法人 長野県新聞販売従業員共済厚生会

取材報告

国枝 蒼太郎(諏訪清陵高校付属中3年・茅野市)

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<「SDGs」もっと学ぶ機会を>

 「あなたはSDGsを知っていますか?」
 「SDGs」は2015年に国連が制定した持続可能な開発目標のことだ。貧困、教育、経済成長など、世界が抱える17の問題を掲げ、解決のための169のターゲット(具体的目標)を示している。
 僕はアメリカで30人近くに冒頭の質問をし、さらに環境問題への意識も聞いてみた。SDGsを知っていたのはアメリカ人大学生2人とイタリア人高校生6人。質問した10代から大学生までの10人では、8人が知っていたことになる。それより上の世代は、だれも知らなかった。
 イタリア人の高校生ニコロさん(16)は「高校では月に2回環境に関する授業があり、SDGsも学ぶ」と話した。アメリカ人大学生の2人は、高校時代にSDGsの授業があり、1人は通っている大学の授業でも学んだという。
 3人はSDGsの目標やターゲットなどをよく知り、当たり前のように話していた。環境問題への意識も高くて驚いた。
 僕自身は一般的な環境問題に関する授業を何回か受けた程度で、新聞記事を見るまでSDGsの存在すら知らなかった。日本にもSDGsの授業を行う学校はあるが、まだ多くないのではないか。僕の周辺ではSDGsはあまり知られていない。環境問題を考える最初の一歩として、SDGsを学ぶ機会が日本でも増えればいいと思う。
 取材では、SDGsを知っているのは若者だけだった。もちろんSDGsを知っているだけでは、環境問題は解決しない。一人一人の力は小さくても、世界中の若者が力を合わせて行動すれば、この地球を変えることもできるのではないかと強く思った。世界が変われるかは、これからの僕たちの行動次第だろう。


<「移民の国」取材を通じて実感>

 英語で話しかけても必ずしも英語で答えが返ってくるとは限らない。日本での事前学習会で中高生記者の先輩から聞いていた。アメリカでの取材では、予想以上にそのケースが多くて驚いた。
 考えてみれば、取材した相手の年齢、性別、肌の色、宗教などがみんな異なるのだから、それも全く不思議ではない。アメリカが移民の国であることを強く実感した。さまざまな国の文化や考え方があり、一つの考えに縛られない国であるからこそ、成長し続けることができるのだと思った。
 世界の距離がどんどん近くなっている今、日本でいろいろな国籍の人と仕事をしたり、海外で世界中の人と働いていたりと、自分の将来がどうなっているか想像がつかない。これからの変化していく社会を生き抜くためにも、語学力を磨き、自分の専門分野を持ってアメリカ以外の国にもどんどん飛び出していきたい。

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