内藤 采嶺(旭町中2年・松本市)
<「米国は男女平等?」意外な返答>
「米国では男女が平等だと思いますか」という質問を25人にした。グローバルな米国なら、ほとんどの人が「平等だ」と答えると思っていたのに「まだだと感じる」と、はっきり答える人が自分の予想を上回る8人もいた。これまで先入観を抱いていたことに気付いた。
ニューヨークで取材した会社事務職の女性(50)は「自分の職場では進んでいると感じるが、社会全体としてはまだまだだと思う。男性に比べ、賃金の低さ、就ける仕事の幅、偏見などがある」と答えてくれた。
「平等だ」と答えた人の理由にも、疑問を感じた。何人かは、仕事があり、車が運転でき、普通に生活できているから―と答えた。当たり前の生活ができるだけで女性の権利が守られているというのは、現代としては少し違うのではないかと感じた。
英国からの男性観光客(29)は「給料の低さなど、女性の権利を向上させるために、もっと主張しなければいけない。偏見も無くさなくては」と話した。女性首相が誕生している英国でさえ、女性の権利が十分でないと考える人がいることを知り、古い価値観を変える難しさを感じた。
日本で取材の準備をした時は、米国と日本の相違点を見つけようとしていた。実際に米国で取材すると、日本と同じように女性の権利の向上を指摘する声が目立ち、米国を身近に感じた。実際に自分で見たものや、取材した人の話は、私が事前にイメージしたものとは、かなり違っていた。何が本当で何がうそか。自分自身が実際に触れて感じ、考え、判断していくことが大切だと思った。もっといろいろな所に行って、とにかくたくさん吸収したい。
<伝えることの大切さを知る>
米国取材の最終日にジャズピアニストで作編曲家の宮嶋みぎわさんの講演を聴いた。自分が決めたことや進む道への迷いがないと自信を持って語る姿は、偉そうに感じさせず、付いていきたいと思わせるリーダーだと思った。体の真ん中に、自分はこうしたいという揺るぎないしっかりしたものがあって、初めてこんな大人になりたいと思った。
「私はどう思うのか」。毎日のまとめを通してたくさん考えた。今まで自分の意見を伝えることを、きっと伝わらないだろうな、とあきらめていた。でも、まずは伝えようとしなくては始まらないと思うようになった。今の私が考えていることを言葉にすることで、私の考えはまとまり、よりしっかりしたものになっていく。伝えることの大切さを知った。
世界を相手に頑張っている人達の話を聞いて、少し見えてきたかなえたい夢、そして未来を実現できるように、私の人生を自分できちんと設計していこうと思った。この1週間の旅は一生忘れられない人生の宝物だ。