太田 晴一朗(信大付属長野中3年・長野市)
<「相手の立場で考える」視点>
ニューヨーク日本総領事公邸で、山野内勘二総領事・大使、ジャズピアニストで作編曲家の宮嶋みぎわさんらがジョン・レノンの「イマジン」を演奏し、みんなで合唱した。「imagine all the people…(想像してごらん みんなが…)」。歌詞は易しい言葉だが、平和で人々が安心して暮らすために重要なことだと感じた。
米国取材では、国々が核兵器を持ち、けん制し合う「核の抑止力」で平和な世界をつくれるのかをテーマにした。
約20人に取材した結果、核兵器を持つことで戦争を抑えられるが、安心して暮らすことはできないという意見が多かった。核に代わる平和を保つ手段としては、コミュニケーション、相互理解、教育などが挙げられた。
広島・長崎への原爆投下については、半数以上が肯定的だった。民主党下院議員スタッフのジョン・ソーベルさんは「戦争を続けていたら、さらに多くの命が失われていた」と話した。原爆の痛みを知っている日本人からすると受け入れがたいが、アメリカ人からすると、自然な考え方のようにも思った。視点が異なれば、とらえ方も180度変わるのだと思う。
印象に残っているのは、昼食のゲストだった弁護士、マイク小菅さんの話だ。彼は「戦争になると敵国を人として見ない」と語った。確かにその通りだと思った。原爆投下に対する日米の考え方の違いも、相手の立場に立って考えていなかったからだと感じた。
私は日本が被害者のように感じていたが、戦時中は日本も多くの人々を殺し、傷つけたという事実を忘れてはならないと思う。互いを思いやり、共に平和な世界をつくっていく姿勢を国民一人一人が持つ必要があると思う。
<米中貿易摩擦の取材難しく>
私はアメリカで、核問題の取材と一緒に、最近激しさを増している米中貿易摩擦について取材した。貿易摩擦については、あまり上手にまとめることができなかった。
貿易摩擦のインタビューでは、「中国の方が悪い」というアメリカ寄りの考えや、「互いの主張を分かり合い、フェアな貿易をしてほしい」などの抽象的な意見が多いように感じた。
核問題では、日本とアメリカという立場があり、インタビューの答えからアメリカの立場、私の今までの経験から日本の立場を考え、比較することができた。
貿易摩擦という問題はアメリカと中国という2国の立場がある。インタビューでアメリカの考え方が分かったが、中国の考え方が調べられなかったので、対比してまとめることができなかった。
何か調べる時は、どちらかに偏った意見しか得られないと、うまくまとめることができない。幅広く多くの視点から意見を集めることが大切なのだと感じた。