一般社団法人 長野県新聞販売従業員共済厚生会

取材報告

古畑 えりな (上田染谷丘高校1年・東御市)

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<見て感じる平和教育を>

 私は今まで戦争やテロを身近に感じたことはなかった。米中枢同時テロは十分に事前学習をしたつもりだった。だが実際に9・11記念博物館を訪れると、当時の映像やがれきの展示に足がすくみ、言葉を失い、頭を殴られるような衝撃を受けた。「百聞は一見にしかず」。今でもはっきりと脳裏に焼きついている。
 原爆ドームと広島平和記念資料館は「ショッキングだった。行く前のイメージをはるかに上回った」。核問題について研究者のロメイ小百合さんに提示された論点で議論した際、広島を修学旅行で訪ねた仲間がそう言った。私はぜひ行きたいと思った。米国には原爆投下が「正しかった」「間違っていた」の二つの意見があること、教科書の原爆の記述が数行の州や被害まで詳しい州があることなどを聞いた。知ることが大事だ。
 日本は唯一の戦争被爆国として、広島、長崎などを訪れる修学旅行を必修化するなど、実際に見て感じられる平和教育が必要ではないかと思った。当たり前の生活がいかに幸せか、もっと多くの人が気付くはずだ。


<温暖化対策、世界規模で>

 日本は今年、記録的な猛暑に襲われた。地球温暖化による異常気象が世界規模で深刻化しているように思えるが、トランプ米大統領は地球温暖化対策の国際的枠組みである「パリ協定」からの離脱を正式に発表した。人々はどう考えているのか、聞いた。
 トランプ大統領を支持するという女性は「政策の優先順位が違う。炭鉱労働者らの仕事をなくさないこと、二酸化炭素削減より経済的政策を優先させている」と力説した。
 一方、リンカーン記念堂で出会った女子大学生(21)は「授業で地球温暖化について議論する。トランプ大統領は地球環境問題に非協力的で、政府と国民の意見が一致していない」と力説した。
 共同通信ニューヨーク支局の記者は「アメリカの温暖化対策は、全体的に日本に比べて遅れている」と説明してくれた。
 空気や水には国境はない。多くの日本人はものを大切に使うことや節電の意識が幼いころから身に付いている。私たちの小さな行動が重要だ。そんな取り組みも世界規模で取り組んでほしいと思った。

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