佐藤 美優 (富士見中学2年・富士見町)
<平和のため発信し学ぶ>
今年は北朝鮮の核問題に世界の注目が集まり、私は学校で広島・長崎への原爆投下を学んでいる。そこで「世界の平和のために、若い世代にできること、望むこと」について取材した。
テネシー州出身のキット・マコーリフさん(28)は「他国の文化・歴史を知り、国際的な交流を通して世界と関わることが大事」と語った。私は2020年の東京五輪がいいチャンスだと思った。
ペンシルベニア州出身の教師ジョン・ミラーさん(54)は「世代によって平和の捉え方が違うので、多種多様な考え方を頭に入れておくことが大切」。ミラーさんの妻は「まずは大人が良い姿を若い世代に見せてあげないといけない」と答えてくれた。
広島・長崎への原爆投下については、多くの人が「戦争の犠牲者を最小限に食い止め、多くの命を救うためには、それしかなかった」と答えた。とてもショックで悲しかった。原爆投下で何が起きたのかを発信していこうと思った。同時に他国の歴史や文化を学び、理解する努力もしたいと思った。
<心の底から「差別なくそう」>
多民族国家である米国で長く問題になってきた人種差別について、取材を試みた。
ケニア出身のロバート・ロビンソンさん(46)は差別された経験を話してくれた。数年前に電車の中で、見知らぬ客に「おまえはここにいるべきではない」と言われた。このような差別の経験は何度もあって、そのたびに無視しているが「言葉で『差別をなくす』と言うだけでなく、心の底から思ってほしい」と訴えた。
同じくケニア出身のフランクさん(30)は「みんな同じ血が流れているのに、肌の色で判断されるのは、すごくつらい」と答え、「違いを受け入れ、能力を認め、平等に考えてほしい」と言葉に力を込めた。
日本人ガイドの男性は「白人には『白人の方が上』という意識が残っている人がいるのではないか」と言う。
取材を受けてくれた人たちは「日本から来た中学生」の私に対して、真摯(しんし)に応じてくれて、とてもうれしかった。誰もが認められ、お互いを尊重しあい、一緒に生きていける世界になってほしい。民族や人種の違いは関係ないと強く感じた。