増田 匠 (塩尻中学3年・塩尻市)
<原爆投下の見方に変化>
日本への原爆投下に対する米国人の考え方を取材した。カリフォルニア州のダニエル・ライヒさん(29)は「日本政府の意思を変えるために必要だった。その後の戦争で失われるかもしれなかった多くの命が救われた形となった」と話した。ほかにも、「戦争を終わらせるには仕方がなかった」という声を聞いた。
ただ、取材した米国人7人中、「正しかった」と答えたのは3人。マサチューセッツ州のルーク・レターさん(39)は「二度と同じ間違いをしてはいけない」と語った。「戦争を終わらせるために、別の方法を見つけるべきだった」という意見もあった。
核問題の研究者ロメイ小百合さんへの取材では、米社会の変化を感じた。原爆投下についての世論調査で「間違っていた」と答える人が増えているという。教科書の原爆の記述が、数行だったり被害まで触れていたりと州によって異なることも知った。
取材前、ほとんどの人が原爆投下は「正しかった」と答えると予想していたが、結果は異なった。米国人の意識も変わってきていると分かった。
<感じた銃規制賛成増加>
僕は今年相次いだ高校での銃乱射事件や銃規制を訴えるデモがあったことから、銃についての考えを取材した。若者を中心にこの事件をきっかけに、銃規制に賛成する人が増えているのを感じた。
ワシントンのノア君(14)は「この事件を知った時、自分の事のように怖かった。年齢制限や銃を持つ人の状況を調べるなどの規制をしていくべきだ」と話した。同世代の子供にとって、とても衝撃的な出来事だったのだろう。
ニューヨークの33歳の男性は「銃を持つ事で家族を守れる。しかし、銃は人を殺すための道具になってしまっている。学校で起きたような悲劇を繰り返さないためにも銃を規制する必要がある」と言っていた。
銃乱射事件を取材した経験がある共同通信社の高木良平記者は「若い世代の声にアメリカ全土が動いた。この世代を中心として、アメリカの銃社会は変わっていくという印象を受けた」と振り返った。高校生や若い世代の動きが、銃規制をしていく上で大切になってくるのではないかと思った。