一般社団法人 長野県新聞販売従業員共済厚生会

取材報告

田畑 尚大 (小布施中学3年・小布施町)

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<人種差別解決の糸口は>

 米国の人種差別は過去のこと―。僕はそう思っていた。しかし、「今も人種差別が残っていると思うか」という僕の質問に、答えた全員が「イエス」と答えた。
 ニューヨークで僕たちの乗ったバスを運転していた黒人のキースさんの話を聞いて衝撃を受けた。ニュージャージーからカリフォルニアに向けてバスを運転している時、急に警察官に止められた。「お前は黒人だからドラッグを持っているだろう」と言われた。車内を3時間かけて探し回っても何も出てこなかった。警察官は何事もなかったかのように笑顔で去ったという。
 国連で働くジョンソンさんも黒人。「黒人に対してだけでなく、ありとあらゆる差別が残る」と言った。差別問題を解決するにはどうすればいいのか。答えは出なかった。
 国連平和維持活動局で働く高橋尚子さんは「一緒に仕事をしたりサッカーをしたりして交流すると、異なる考えの人同士も仲良くできる」と話してくれた。糸口を見つけた思いがした。これから、考えが違う友達にも話し掛けることから始めたいと思う。


<平和のため できること>

 僕は「平和な世界を作るために私たちに何ができるか」をテーマに取材した。
 沖縄県ワシントン事務所の阿波連貴夫さんに「中学生でも今、できること」を聞いた。「友達と遊んだり歌ったり平和について考えたりすることが大切。その中で、友達の様々な考えを受け入れていかなくてはいけない」と答えてくれた。
 米シンクタンクの若手研究員マイケル・バッカルーさんは国際関係について「お互いの考えを理解して、行動することが平和には必要」とした。
 国立自然史博物館を見学していた教師の男性は「異なる意見を受け入れられない人がテロを起こすと思う。だから、自分の国とは違う文化のことを勉強することや相手の話を聞くことが大切だ」と語った。交流会で会った同年齢のガールスカウトも「他の人の意見を聞きくこと」と話していた。
 個人も国も、自分と異なる考えの人の言葉や気持ちに耳を傾け、お互いが認め合うことが大切だと分かった。僕と友達の考えが違っても、そこにある友達なりの思いや意図について考え直すことから始めたい。

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