佐藤 澪(豊科高校2年・白馬村)
「英語を話せるようになるために」
私が住む白馬村は、海外からスキー客が多く訪れる。地元の観光業活性化に興味を持つ私は、日本人の英語力に着目した。アメリカで、非英語圏の方々に「あなたにとって1番いい英語勉強法は?」と尋ねた。
ニューヨークにある国連本部では、中国人女性が英語で案内をしてくれた。彼女は「英語を母国語とする国に実際に行って学ぶことが大切だ」と話した。彼女はアメリカに来て4年で、国連本部でガイドをするまでの英語力を身に付けていた。
最初に質問したドイツ人の女性は「旅をすること」。彼女は3年間英語学校に通ったそうだ。私がインタビューしたほかの人も、ほとんどが実際に使うこと、外国に興味を持つことが大切だ、と答えた。
私が中学校から毎日のように勉強してきた文法も長文読解も、あくまで受験のためだ。今回、英語を話したり聞き取ったりするのに苦労し、これまでの学習は少しも役に立たないと実感した。
本当に大切なのは、異文化とつながるための話し英語だ。学校の英語教育でも、子どもたちが外国人と交流する機会をもっとつくってほしい。地元の白馬村でも、外国人は外国人が経営する宿に泊まるので、交流の機会が多いとは感じない。
自分の言葉が伝わるうれしさ、違う考えを持つ人と話す楽しさに気づくことが、つながる英語力を付ける第一歩になると思う。アメリカで私が体験したように。
「アメリカで感じた日本との違い」
今回の記者派遣で最も印象に残ったのは、日本とアメリカの考え方の違いだ。特に、ワシントンで行われた現地のガールスカウト、ボーイスカウトとの交流会で感じた。
日本からの私たちと現地の同世代の男女が7人ほどのグループに分かれ、ディスカッションをする時間があった。「大統領や首相になったら、何を第一の政策にするか」をテーマに意見交換した。年下年上も関係なく自分の意見を発表し、司会者がいなくても発言が止まらなかった。
私がこれまで日本で経験した意見交換は、司会者が進行しないと進まない静かなものだった。今回のディスカッションも、私は「何かある?」と聞かれてから発言していた。
グループでまとめた意見を全体に発表する時だった。私のグループは、私と同い年のクレアちゃんが代表者になった。マイクの音が小さく会場に届きにくいことが分かると、クレアちゃんは「私、叫ぶわ」と言って発表し始めた。私だったら自分の意見を大勢の前で発表することが恥ずかしく、こんなことはできなかっただろう。
一人一人が自分の意見を持ち、それを伝えること、人前で発表すること。今回の旅行で、私たちはその当たり前のことが苦手であると感じた。私は自分の意見があっても、ほかの人がどう思うか気になって言えないタイプだ。そもそも日本は、周りとの協調が大事にされる。違う考えを言えば「変わっている」「奇抜だ」と言われる社会ではないか。アメリカは、個々の意見が尊重される。いや、自分の意見を持っていないと認められない国だと感じた。
相手の意見を尊重し協調することは大切だ。私たち日本人はそれに気を遣いすぎて、言いたいことを言えていないのではないだろうか。