原 総吾(飯田西中学3年・飯田市)
「世界の女性の社会進出」
世界では今、女性の政治的指導者が増えている。今年に入ってからだけでも、台湾の蔡総統、イギリスのメイ首相。そしてアメリカ大統領選の民主党候補はヒラリー・クリントン氏だ。初の女性大統領が誕生するかもしれないアメリカで、女性の社会進出について取材した。
15人がインタビューに応じてくれた。全員が「女性の社会進出は大切なことで、アメリカは進んでいると思う」と答えた。具体例として挙がったのが、やはりクリントン氏だ。現在は、政府高官やパイロット、学校長などの重要な職に就く女性がたくさんいると教えてくれた人がいる。一方で、「賃金差など難しい問題は今もある」と話す人もいた。
共同通信社ニューヨーク支局の大塚圭一郎記者は「議員や社長として働く女性は、日本に比べて相当多いのではないか」と話した。それが可能なのは、夫婦で家事、育児を分担したりするからだという。日本では出産、育児などを理由に女性が退職し、キャリアを中断するケースが多い。1985年に男女雇用機会均等法が施行されており、女性も男性と同じように働くチャンスはある。大塚記者は「企業や自治体が工夫して、働きやすい環境を整えるべきだ」と語った。
たくさんの人に取材する中で、日本もアメリカも女性の社会進出にはまだ課題があると感じた。少子高齢化が進む日本では、社会の活力を維持するために女性の社会進出を期待する声がある。将来の日本のためにも、女性の働きやすい環境が整備されなければならないと感じた。
「悲劇を繰り返さないために」
ビルに衝突する飛行機、崩れ落ちる建物、逃げ惑う人々…。これらから多くの人は2001年9月11日に起きた米中枢同時多発テロを思い起こすだろう。僕たちはその跡地「グラウンド・ゼロ」に行ってきた。
崩壊したツインタワーの跡地は、犠牲者を追悼するためのプール型モニュメントになっている。その周りには、犠牲者3千人余の名前が刻まれている。それを見ると、犠牲者の多さが胸に迫ってくる。
「テロで失われた命は誰かの子どもであり、たくさんの友人がいたはず。広い人間関係に影響を及ぼす。亡くなった人々がもしその後も生きられたとしたら、後の世界でどんなことをしてくれただろう。今となっては分からないことが大きな損失だ」。9・11トリビュートセンターで、アンさんはこう語った。アンさんは同時多発テロで消防士だったご主人を亡くした。10年間語り部のボランティアとして、これまで500回ぐらい話をしている。テロをなくすためには、お互いに違いを理解することが必要だと語ってくれた。
テロや紛争などで毎年たくさんの方が亡くなっている。人が亡くなることほど悲しいことはない。悲しい思いをする人を減らすためには、全ての人がお互いに違いを理解することが大切だ。そう強く感じた。