實吉 恵(諏訪南中学2年・諏訪市)
「お互いの文化を理解するために」
海外から見た日本をテーマに取材した。大統領選の共和党候補であるトランプ氏の過激な発言を聞いて、「日本はどう思われているか」と不安になったのがきっかけだ。しかしその不安は、取材することで消えていった。
取材を受けてくださった方の多くは、日本に来たことはなかった。だが、日本についての印象を尋ねると、「食べ物がヘルシー」「歴史が素晴らしい」「漫画が大好き」といった答えが返ってきた。中でも、50代男性の「日本人は真面目だ。よく働く」という答えが印象深い。
「日本ではあり得ないな」と思う体験をアメリカでした。空港に降り立った直後の入国審査で職員の態度が悪く、嫌な思いをしたのだ。私がパスポートやチケットを出しても受け取ってくれず、不機嫌な表情をしている。何をすればいいのか困ってしまった。空港内では、仕事中もガムをかみ、スマートフォンをいじっている人がいた。日本の空港でそういう職員は見たことがない。
アメリカで聞いた日本に対する印象は良く、安心した。一方で、空港で見た職員の態度に、日米でこんな違いがあっていいものか、という新たな疑問が生まれた。その答えを見つけられるように、まずは日本人として「おもてなし」の心を忘れずに生活していきたい。
「人間と動物の共生に必要なこと」
木が多い。花がある。これは、長野県のことではない。大都市であるニューヨークシティーやワシントンで感じたことだ。バス車内から見た道路脇には必ず木があった。ホワイトハウス近くの公園には、鳥だけでなくリスもいて、人間にとても慣れていた。
私は、人間と動物の共生に関心がある。アメリカでは、「ハリネズミを見たことがあるか」を質問した。日本ではあまり知られていないが、私のペットだからだ。取材した全ての人が、ハリネズミを見たことがあった。しかも野生のだ。私が日本で見たことがある野生動物といえば、高速道路にいたニホンジカぐらいだろうか。日本とアメリカで、人と動物との関わりに違いを感じた。
アメリカで人気のペットを聞くと犬や猫を挙げる人が多く、日本と同じだと思った。ただ、ある女性にどんな種類の犬が多いかを聞くと、大型犬の「ラブラドール・レトリバー」と教えてくれた。小型犬が多く飼われている日本とは、そこが違うと驚いた。
アメリカでは、自分のペットを優先して考えて自由に過ごす。鳴き声も大きい大型犬を飼う人が多いのは、こんな考え方に基づくのではないかと考えた。日本で小型犬が多いのは、ほかの人に迷惑をかけず、和の心を大切にするから。動物に関する取材を通して、アメリカと日本の考え方の違いをこう感じた。
ワシントンやニューヨークを訪れ、日本は木々などの緑が少ないと実感した。動物との関わりもアメリカと比べると薄い。学校や地域の花壇作りや植林にも積極的に参加し、少しでも自然を豊かにしたい。10年後、20年後…。動物と共生できる日本にしたい。