桐生 悠雅(伊那北高1年・伊那市)
<貧困対策への注文さまざま>
米国に貧困があるかどうかや貧困対策について聞いてみた。いろいろな見方や考え方があり、貧困問題を解決するには多くの時間とお金がかかると感じた。
ミネソタ州ミネアポリス市のケイトリンさん(29)は、地元大学の大学院で考古学を専攻する。「学費が高い。勉強に追われてアルバイトもできない」と話す。親との同居で自分の生活費は少なくて済むが、外食したり、新しい衣服を買ったりする余裕はないそうだ。「ホームレスではないが、自分は貧しい」という。「州や市の予算は、お金を使える人が集まる娯楽施設などに使われていると思う。もっと貧しい人のために税金を使ってほしい」と不満を漏らした。
米国滞在中、ワシントンDCでもニューヨークでも、路上に座り込むホームレスと思われる人を何人も見かけた。
ニューヨークの報道博物館「NEWSEUM」を訪れていたアイオワ州のボイドさん(56)は、ホームレスになる理由として、病気と失業があると教えてくれた。「ホームレスになることで、精神を病んでしまう人もいる。ホームレスの心のケアをして、再び仕事ができるように、もっと予算を使うべきだ」と訴えた。
メリーランド州の元エンジニア、デビッドさん(74)は議会制度に注文を付けた。「上院議員も下院議員も、大統領と同じように3選禁止にしたり、公約を守れなかった場合には辞めさせたりする制度も必要だ」と話した。
質問した多くの人は、ホームレスのような生活を送っているわけではない。でも、貧困を身近な問題としてとらえ、さまざまな意見を話してくれたことが印象的だった。
<巨大なチキン完食 会話弾む>
アメリカでの食事は日本に比べて量が多く、一人で食べきるのはとても難しかった。日本で食べる料理よりも味付けが濃かったように感じ、主食も少なく、健康的な食事だとは思えなかった。あの量と味付けで毎日生活をしていたら絶対に肥満の人が増えてしまうだろう。健康にも悪影響が出て、医療費が増えると思うので、改善が必要ではないだろうか。
食事の量が多いから残食がたくさん出てしまい、無駄が多いとも感じた。世界には、食べることもままならない人がいる。食べ過ぎて助けが必要な人が多いと、食べることができない人を減らすことは難しくなってしまうと思う。
それでもアメリカの食事のボリュームというのはなんだか夢があるようで、時々であれば楽しむことができそうだ。ニューヨークの夕食で出た巨大なチキンは、とても大きくて、ほとんどの中高生記者が残したが私は完食した。それが周りを驚かせて、その後の会話が弾んだ。アメリカの食事は、このように会話を弾ませる雰囲気につながることもあると感じた。