宮崎 あずさ(上田高1年・東御市)
<米国人 核保有支持の声多く>
唯一の被爆国である日本は非核国だ。一方で、アメリカは核を保有している。アメリカ人が核に対し、どんな意識を持っているのか。国立航空宇宙博物館別館を訪れ、広島に原爆を投下したB29爆撃機「エノラ・ゲイ」の周辺で取材した。
ワシントンDC在住のビルさん(75)は「他国が核を保有しているから、米国も保有し続けているのだと思う」とし、カリフォルニア州から来たジムさん(62)は「日本が核を持たないことはいいことだと思う。でもだれかが核を持ち、世界の安全を見守ることをしなければならない」と答えてくれた。
米国の核保有を支持する声は多かった。アメリカの「核の傘」に頼る日本として、核を持つ国があるのは仕方がないのか、と感じてしまった。
コロラド州のトレイシーさん(41)は「今後も争いは絶えない。核が無くなったとしても、それに取って代わるものが開発されるのではないか」と語った。核が消えても、何らかの戦力による抑止力が続くという考え方は予想外だった。
幅広い年代の人に取材し、さまざまな意見を聞いたことで、考えの幅が広がった。世界を見回し、これからも核問題を考えたい。
エノラ・ゲイの前で集合写真を撮った時、それまでと同じように無意識に手でピースサインをしてしまった。滞在中に取材に協力してくれた米国在住の日本人ジャーナリストに「ここでそういうポーズを取るのはどうか」と言われ、はっとした。日本人としての自覚を持った行動をするべきだった。
<日本の食文化 広がりを実感>
ニューヨークの韓国料理店で昼食をとった際に、同席した現地のゲストの皆さんからいろいろな話を聞いた。日本食はおしゃれでヘルシーなイメージがあり、アメリカでも大人気だという。最低50㌦からの高級店もあるそうだ。
ニューヨークのスーパーにもすしが置いてあった。ワシントン郊外のアーリントンで、同世代のアメリカ人と交流した時も、すしがメニューにあり、日本の食文化は広がっているなぁと実感した。
聞いた中で一番印象に残っているのはラーメンの話だ。日本でラーメンと言えば、気軽に食べられる食べ物だろう。しかし、アメリカでは高級感があるようだ。日本人のように勢いよくすするのではなく、一本一本ゆっくり味わって食べるという。そんなことをしていては麺がのびてしまうのではないかと心配になってしまう。
中南米からの移民がアメリカで料理店を開く時は、母国の味を出し、安くておいしい店が多いそうだ。アメリカになじむのではなく、自国の食文化を持ち込んでいるのだ。今回の経験を通して、私もいろいろな文化を尊重できる人間になりたい。
英語での取材は、相手に伝わるように話すことが難しかった。相手の話す言葉が速すぎて聞き取れなかったり、分からない単語が出てきて困ったり、本当に大変だった。自分の英語が伝わったときや、相手の言っている内容が分かったときはうれしい瞬間だった。英語で話す自信が持てるようになり、積極的に話し掛けることもできるようになった。取材を快く受けてくれたアメリカ人の皆さんに感謝したい。