渡部 日向子(松本県ケ丘高2年・安曇野市)
<立って作業の机 広がる理解>
スタンディングデスクは高さを自由に調節でき、立ったまま作業ができる机だ。高校1年の時、探究学習のテーマに選び、米国で流行していることなどを調べた。今回実際に米国で取材した20人のうち13人がスタンディングデスクを知っていると答えた。予想より多くの人が知っていた。
ニューヨーク州出身のスカイさん(31)は小学校で使っていたという。オハイオ州の会社員、アマンダさん(32)は今のオフィスで使っていると答えた。スタンディングデスクについて、多くの人は「健康的になる」「座りすぎは体に良くない」と話した。
探究学習で、シドニー大学(オーストラリア)が2011年に発表した研究を調べた。世界20カ国の中で、1日の平均座位時間は日本が最長だったという。別の研究では、座りすぎは健康に悪影響があるとの指摘もある。日本の現状改善のために、スタンディングデスクを使って意識的に立ち上がることが大事ではないだろうか。でも、会社などで、いきなりスタンディングデスクを導入することはなかなか難しい。
ミネソタ州の会社員、マイクさん(49)は、オフィスにスタンディングデスクがあるが、立ったままの仕事は好きではないので使っていないそうだ。「数十分に一度立ち上がって、ストレッチしたり体を動かしたりしている」と教えてくれた。このような試みが、日本の座りすぎ解消の第一歩にもなりそうだ。
新しいものをどんどん取り入れて、効率を重視するアメリカだからこそ、スタンディングデスクが普及しているのではないかと感じた。
<食べきれない米国の食事量>
「食べ残して当たり前」というようなアメリカの食事量に、小さい頃から「もったいない」という考えを教わってきた私は衝撃を受けた。私がアメリカ滞在中の計17回の食事で食べきれたのは、わずか5回だった。
ニューヨーク州の女性レイチャルさん(29)は「アメリカンフードの量は多いと思うし、食べきれない」と答えた。レストランで出される1人分の量を多いと感じるアメリカ人は少なくないようだ。
世界では飢餓で苦しんでいる人がたくさんいる。これを解決するためには、食料廃棄量を少しでも減らすことが私たちにできることではないだろうか。
昼食時のゲストだった国連職員のステファニーさんに「こんなにフードロスがあるのに飢餓を解決できるのか」と質問した。彼女は「飢餓は気候変動が大きく関係しているから、先進国が農業技術などを教えていくことが大事」と答えた。それも大事なことだが、日本の「もったいない精神」を広めれば、飢餓の解決につながるのではないかと思った。