宇崎 成美 (長野高校2年・長野市)
<意見持ち行動する10代>
今年、米国の高校で銃乱射事件が相次ぎ、多くの命が失われた。大規模なデモも行われた。ホワイトハウス前で仲間と銃規制を訴えていた女性(54)は「親戚が銃で撃たれたことがある。銃は人を傷つけるための道具でしかない」と涙ながらに語った。
銃に対する高校生の考え方も変わり始めている。ワシントン近郊に住むウィニー・ブレントさん(17)は銃乱射事件をきっかけに、銃規制を求める抗議行動に参加した。「授業を抜け出すこともあって、学校側は止めようとした。でも、親は抗議行動への参加を許してくれた」と言う。
米国では、銃を持つことは憲法で認められている。ウィニーさんの友人の間でも銃に対する意見は分かれ、規制に反対する人もいる。「まだ大きな変化はない。一番の変化は、自分たちが銃規制をすべきだと気付いたことだ」と話してくれた。
意見を持ち、行動できる米国の高校生はすごいと思った。未来を担う若者の意識が変わり始めたことが、銃規制への一歩になることを願う。
<米国の夏休み 一長一短>
私たちの夏休みは忙しい。特別授業などがあり実質1カ月もない。米国の夏休みはどうなのか、聞いた。
リンカーン記念堂に観光に来ていた高校生クリスティーナ・ロペスさん(18)は「夏休みは2カ月以上。学校によるけれど部活動もほとんどないと思う」と教えてくれた。
国立自然史博物館でスタッフをしていた大学生のハーシー・アベニターさん(20)は「長い夏休みを利用してインターンシップという企業や団体の体験労働をしている。進路を決める手助けになる」と紹介してくれた。
訪れた博物館ではよく、そろいのTシャツの子どもを見かけた。さまざまな体験型学習ができるサマーキャンプだ。米国では長い夏休みを日常生活で難しい経験をする機会にしていることが分かった。
2人の子の父親マット・ロペスさん(47)は「(住んでいる場所では)10歳までは子どもから目を離すと処罰される。だからサマーキャンプなどに行かせるが、費用が数十万円にもなることがある」と日本をうらやましがっていた。夏休みの長さには一長一短があるようだ。