一般社団法人 長野県新聞販売従業員共済厚生会

取材報告

石井 愛乃  (飯田高校2年・高森町)

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「若者の政治への関心 教育も必要」
 18歳選挙権が施行されて1年、投票率が低い日本。どうしたら若者がもっと関心を持つようになるのか。政治に積極的なイメージのあるアメリカで、その背景を探った。
 ワシントンDCの10代の男性は家族や学校の友だち同士でも政治の話題になるという。「首都に住んでいるので、自分のまわりでは政治への関心は高いが、アメリカを全体的に見ると、そこまで興味はないのではないか」と語った。
 リンカーン記念堂で聞いた20代の女性は、政治に関心が低いというより、よく分からないという。「特にトランプ政権になってから、従来と違いすぎて混乱している。どうしたらいいのか判断がつかない」と話してくれた。
 また「あまりよくない状況」を話す人も。弁護士の50代の男性は「10代の興味がドラッグなど、別の刺激的なものに移っている」とした。このような側面もあるとすれば、私が出国前に行ったクラスメートへのアンケートにあった「関心がある人とない人の差が激しい」という二極化がアメリカの若者にもあるのかもしれない。
 共同通信ニューヨーク支局長の永田正敏氏によると「アメリカの若者の政治への意識は日本より断然高い」とのことだ。実際、アメリカでは学校の授業で、ディベート等で自分の意見を深めつつ政治を学ぶという。自然に政治に興味が持てるような環境があるということだ。
 日本では公民の授業で政治の仕組みを習うぐらい。現在の政治について議論したり意見を交わしたりする場は少ない。
 今、日本に求められているのは、若者に政治にもっと興味を持たせるような教育と、若者のための政策ではないだろうか。私たちも身近なことから世界までニュースに関心を持つ必要はあるだろう。「政治は難しい」、そのイメージを払拭できれば、今後日本の若者の政治に対する意識は変わっていくものだと思う。


「LGBTの制度整えて」
 LGBTは同性愛や性同一性障害などの性的少数者の頭文字を取った言葉だ。日本ではテレビや新聞で露出が増えている。世界の人たちにはどのような認識があるのだろうか。国連本部などで聞いた。
 ニューヨークに住む20代女性は「(心と体の性が異なる)トランスジェンダーが米軍から排除されようとしている。差別はなくならない」。レズビアンの娘がいるイスラエル人女性は「社会には同性愛者への差別、無理解がある」と嘆く。「娘は今、人が平等に生きられるように闘っている。娘を誇りに思う」と話した。
 ドイツ人の母娘は「私たちとは違う存在だが、全ての人は尊重されるべきだ」と話してくれた。同国では同性婚が認められているという。メキシコ人の男女のカップルは「人によって考え方に違いがあるのは当然。それを埋める努力が必要だ」と指摘した。
 日本でも、同性カップルを公的に認めるパートナーシップ制度が東京都の渋谷区、世田谷区などで始まっている。正しい理解を深め、制度を整えるべきではないだろうか。 

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