一般社団法人 長野県新聞販売従業員共済厚生会

取材報告

赤羽 絢夏  (松本深志高校2年・安曇野市)

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「幸せとは何か」
 私にとって幸せとは曖昧なものだった。皆、幸せになりたいとよく言うけれど、どうなったら幸せなのだろうと、ずっと疑問に思っていた。そこで経済大国であり、先駆的な考えを持っていそうなアメリカ人に幸せについて取材してみた。
 近くにいる人をつかまえて、幸せとは何かということについて質問した。人種、性別、年齢、出身地の違う多種多様な人々だった。しかし、みな一様に家族、それから健康だと言っていた。他には何もいらないのかと尋ねれば、いらないという。私は経済的豊かさを求める人が全くいなかったことにとても驚いた。
 一方で、幸せとは家族や健康であるとするなら、現状は矛盾している。アメリカでは家族との時間は減少傾向にあるようだ。しかも実はアメリカよりもハードな労働をしている国がある。日本だそうだ。
 共同通信の記者さんに聞くと、労働時間の短さはヨーロッパ、アメリカ、日本の順になるという。アメリカでも必要ならとことん残業してしまう人も少なくないという。日本は早急に労働条件を改善し、家族の時間を増やせるようにする必要があると感じた。
 また、大切な人の存在自体が幸せに感じることもある。9・11のトリビュート博物館で語り部のブレンダ・バークマンさんが多くの同僚や友人を亡くした米中枢同時テロ当時のことを涙ぐみながら話してくれた。そのとき、私は大切にしたい人がそばにいてくれることの尊さを知った。
 幸せとは家族といること。シンプルだがそれが私の答えだ。今まで以上に家族を大切にしていきたいと思った。


「ネット普及に良い面も」
 私は、インターネットの普及に悪い印象を持っていた。匿名の投稿などは誹謗(ひぼう)中傷につながりかねないし、1回発信した情報はほぼ消せない。しかし、アメリカでの取材を通して良い面を知ることができた。
 ツイッターなど会員制交流サイト(SNS)の広がりを、ニューヨーク在住のジャーメルさんは「とても良いこと。人々に発信する機会を与えた」と評価した。ほかにも「より簡単に自分の意見を表現できるようになった」と肯定的な意見が多かった。
 私は中傷やプライバシー侵害の被害などネットの危険性についても聞いた。大半の人は「危険を感じたことはない」と答えた。ただ、プライバシーは守られるべきという声も聞くことができた。
 共同通信の永田正敏ニューヨーク支局長は「発言の自由がない国もある。ネットで自由に発言できるのは、言論の自由につながる」と情報化の素晴らしい一面を教えてくれた。私は、個人情報など安全面に留意しつつ、意見や情報交換などでネットを活用していきたいと思った。 

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