中曾根 愛実 (文化学園長野高校1年・長野市)
「過去を知ることが明るい未来に」
Understanding yesterday can make tomorrow better.(昨日を理解することは明日をより良くできる)
9・11トリビュート博物館の壁に書かれた言葉だ。9・11の2つの博物館で、私たちはたくさんのものを見た。テロの瞬間の人々の様子を伝える映像や現場で見つかったぬいぐるみ…。私は9・11が起きた現地で、テロに対するアメリカ人の意見と未来への考え方について取材した。
9・11記念博物館を訪れていたエレンさん(58)はテロに対して「すぐに止めさせる必要がある」との認識だった。未来に向け、できることとして「子どもたちに教育を受けさせることが重要だ」と答えた。
世界貿易センタービル跡地付近で話を聞いたスーツ姿のアダムスさん(53)は「彼らがテロを起こす要因として、世界に対し怒りを覚えていることと、簡単に何かを破壊できる知識や武器を持っていること」と現状を鋭く分析した。「しかし、これから私たちが教え、どこの国でも子どもたちが学び、互いに交流することで、心と未来を変えることができる」と真剣な表情で話してくれた。
テロをなくすには、とても長い時間が必要になる。しかし、私たちは、これからの世界を担う子どもたちに少なからず教えることはできる。歴史や今の世界情勢について語り伝えることで、テロは少しずつ減らせるだろう。
過去を知ることで、近い将来、またその先をも明るくできる。取材で教えてもらったことだ。
「ボランティア広がって」
私は学校のボランティア部で活動している。アメリカはボランティア活動がとても盛んだというので取材した。
交流会で一緒になったガールスカウトのカリスさんは、幼い頃から家庭や学校で積極的に活動するように言われてきたという。博物館のスタッフやリサイクル活動など経験した内容も多様だ。「ボランティアをすることで、相手の状況改善に役立つよう心掛けている」と話してくれた。
国立航空宇宙博物館別館に来ていたナンシーさん(68)は「何かが必要な人に手を差し伸べることが大切。自分が厳しい状況の時に助けてくれた人に、お返しする気持ちも大事」と語った。報道博物館「ニュージアム」職員の男性は、病気の子どもたちのために薬を寄付しているそうだ。
取材で声を掛けた人は皆、ボランティアへの考えを語ってくれた。根本に「人のため」という強い気持ちがあることも同じだった。
日本でもボランティア活動がもっと活発になるといい。お互いを思いやる気持ちも、もっと広がってほしい。そんな思いを強くした。