一般社団法人 長野県新聞販売従業員共済厚生会

取材報告

向山 創太  (南箕輪中学3年・南箕輪村)

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「言葉を交わす 心を通わせる」
 「なんて、いい人なんだ!」。私たちのバスの運転手、ジョージと出会っての第一印象だった。私はバスに乗る際、「Hello」と挨拶をして乗った。彼は気持ちのいい笑顔で「Hi」と返してくれた。
 特別、気に留めることではないのかもしれない。しかし、この直前に私が接したアメリカ人は、あの入国審査の担当官だったのだ。視線も合わさず、私の顔もほとんど見ない。もう手続きが終わったのかと思い、パスポートを手に取ろうとすると「No!」と怒り出す。とても無愛想な対応を受けたあと、ジョージの対応が温かく、すごく印象に残った。
 私たちがバスから降りる際に「Thank you」と言うと、ジョージはいつも全員に「You’re welcome」と返してくれた。ジョージは私たちの人気者。こういった対応が人と人とのつながりを深めていくのだと感じた。
 人とつながるにはたくさんの方法がある。トランプ大統領のつぶやきが世間を騒がせ、注目されているのがツイッターだ。共同通信ニューヨーク支局長の永田正敏さんは、彼のツイッターの発信は良い点もあるという。「彼のツイッターは簡単な英語を使っていて分かりやすい。子供らにも理解できる」とし、「大統領が自ら語りかけるということはほとんどない。そんな視点からみれば、彼のツイッターは良いことだともいえる」と話していた。
 私は、そういった手段を使うことは悪いことではないと思う。だが、やはり言葉を交わし、お互いの心を通わせ合うジョージとのようなコミュニケーションが、相互理解や明るい社会へとつながっていくのではないかと感じた。

「入国規制に疑問感じた」
 イスラム圏6カ国からの入国を規制する大統領令について、考えを聞いた。まずはワシントンのリンカーン記念堂で。奴隷解放宣言を出したリンカーン大統領をたたえ、キング牧師が人種差別撤廃を訴えた歴史的な場所だからだ。
 取材した中では、全員が入国規制を「絶対におかしい。良くないことだ」と答えた。アメリカ人の男性は「家族が他の国の友人に会えない。こんな政策はおかしい」と話した。イタリアからの女性、ドイツから来た若い男性も異口同音に「自分の国にそんな政策はないし、公正じゃない」と異議を表明した。
 ニューヨークでも聞いた。カリフォルニア州のマシューさんは「アメリカは他国から人に来てもらうことを前提としている国。トランプ氏はそれを閉ざすようなことをしている。絶対におかしい政策」と力を込めた。
 米国滞在中、私もたくさんの人たちを目にし、会話を交わした。人種、文化もさまざまな人たちがいた。国や宗教などでくくるトランプ大統領のやり方に、改めて疑問を感じた。 

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