羽田 蒼馬 (塩田中学2年・上田市)
「多様な人々が共存できる政策を」
今回は、トランプ政権の移民政策について質問した。6カ国の人々の入国を制限した大統領令について、リンカーン記念堂で取材した。アメリカ在住の男性(17)は、「差別的だから支持しない」という。「イスラム教徒がすべてテロリストなのではない」とした上で、「テロが起きるかもしれないから入国を制限するというのは視点が違うと思う。移民・難民は一生懸命だから、アメリカ人になれる制度をつくった方がいい」と語った。
また、イタリアから来たという40代の女性は「差別的で、いいことだとは思わない。イタリアはこんなことはしていない」という。「ある人だけにフェアでないので、おかしいと思う」と話した。
第2次世界大戦時の日系人強制収容などについて特別取材に応じてくれた日系3世で全米日系市民協会幹部のジョン・トベさん(56)は、「トランプ氏が当選した理由」として、「アメリカの人々は変化が怖いのではないか」と推測した。「(移民が増えると)宗教や文化の違いがあり、どうしても問題が起きてしまう。それが嫌で、移民政策に厳しいトランプ氏を大統領に選んだのではないか」と話した。
トランプ氏の移民政策は「差別的だ」などと国内外から批判されていると聞いていたが、現地でもそういった声が多かった。それでもトランプ氏が大統領に選ばれたのは、これ以上の移民を受け入れることへの不安や危機感を持つ人が多くいたからだったかもしれない。宗教や文化の違いはあっても、多様な人々が共存していけるような政策が求められていると思う。
「核兵器巡る認識に相違」
核兵器に対する認識を取材した。自分と同じ10代には、7月に採択された核兵器禁止条約について聞いた。ガールスカウトのキャサリンさん(15)は「条約は平和にとって必要」としつつ、核兵器の使用は「必要があれば認めるべき」という考えだった。
核の議論に関心があるというキャリスさん(17)は「核保有国も含め全ての国が条約に参加すべきだ。不参加の国があるのは残念」と話した。「核はいかなる時も使ってはいけない」と考えるが、こうした意見は多くないという。
航空宇宙博物館別館で広島に原爆を投下した爆撃機エノラ・ゲイを見ていたバージニア州の男性(26)に原爆投下について聞くと、「戦争終結のためには必要だったと思う。投下がなければ戦争の犠牲者が増えていた」と答えた。今後の世界情勢での核使用は「使うかどうかは別。抑止力としては必要」と話した。
日本の私たちとは認識に相違があると感じた。ただ、「核兵器は使わない方がいい」との声は多かった。核兵器抜きで国際問題解決の道を探るべきだとの思いを強くした。