丸山 昌俊 (長野高専3年・千曲市)
〈肌で感じた日本の印象〉
「日本文化が今海外で大ブーム‼」などといったフレーズをバラエティ番組や雑誌なでよく見かける。果たして自分が海外に行っても日本文化が浸透していることを実感できるのか。米国人に日本に対して抱く印象を取材した。
取材した中で最も多かった意見は「日本は治安が良く、安全である」との内容だった。取材した人のほとんどが日本を一度も訪れたことがないにも関わらず治安が良いと答えたことは、とても興味深い。日本の良さにあらためて気付かされた。
次に多かった意見は日本の食文化に関する内容だった。ロバートさん(45)は、「日本食と聞いて焼肉やサッポロビールが思い浮かぶ」と話した。またザックさん(18)は「寿司の中でも特にはまちが好き」と答えた。日本食の文化が浸透していることを実感した。
一方戦争に関する内容の意見もあった。マイケルさん(26)は「第2次世界大戦が日本のイメージ」と答えた。戦後生まれた自分は米国に対し戦争の印象を抱いていないため、同じ戦後に生まれたマイケルさんがそうような印象をもっていることにとても驚
いた。
取材を終えて米国人は年齢・性別に関係なくさまざまな印象を日本に対して抱いていることがうかがえる。現地に赴き、実際に意見を肌で感じることは非常に大切なことであると学んだ。
〈原爆は負の遺産との認識を〉
戦後70年の節目に合わせて、米国の首都ワシントンDCのアメリカン大学で原爆展が開催された。米国での原爆展は1995年以来20年ぶりの開催となった。前回の原爆展では退役軍人団体の反発を受けて展示の大幅縮小となったと聞き、今回の原爆展ではどのような内容の展示会となっているか興味を感じた。
原爆展の展示物で最も印象があるのが、戦後広島の子供たちが、ワシントンの子供たちに描いた絵である。戦後広島にこのような歴史があったことに驚いた。
原爆展の見学者の一人、ロレイン・フリーマンさん(85)に話を聞いた。フリーマンさんは高齢ながら歴史を学ぶために展示会に来たという。彼女に展示会に来る前と今で心境の変化があったか質問した。彼女は原爆をより身近なものに感じたと話した。最後に彼女は涙ぐみながら、原爆のような悲劇を2度と起こしてはならないと話していた。
米国ではいまだに原爆を落としたことを正しいと考える人が多い。原爆は太平洋戦争を終わらせた存在であるが、同時に負の遺産としての認識も広がっていってほしい。