一般社団法人 長野県新聞販売従業員共済厚生会

取材報告

渡辺 咲 (飯山高校2年・山ノ内町)

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〈音楽で心の会話ができる〉
私は和太鼓チームに所属している。以前、外国の方の前で演奏した時、その人たちにとても喜んでもらった。そこで、アメリカに行きたくさんの人と伝統楽器について話し合いたいと思っていた。
 ガールズスカウト交流会で同年代の子に日本の伝統楽器を知っているか聞いたところ、知らないと答えた。また、他の取材地でも聞いたがほとんどの人から同じ答えが返ってきた。また、和太鼓の良さを伝えようと話をしてもあまり興味を持ってもらえなかった。私の思いとは裏腹に現実を突きつけられた。
 音楽が伝わらない理由の一つとして、CDなどの録音した音では伝わらないものもあるということだ。歌手のライブをテレビで見るのと会場で観るのとは違うように、その場の雰囲気の中でしか分からないこともある。だから実際にその場で演奏し、興味を持ってもらうことが必要だ。
また、言葉は国によって違うが音楽は世界共通だ。音楽は感情やメッセージを伝えることができるコミュニケーション手段の一つだと私は考えている。それを使うことで言語関係なくたくさんの人と心の会話ができると思う。音楽の中でも古くからある伝統楽器は多くの歴史や人々の思いが詰っている。それを知ることはお互いの国について考えるきっかけになるのではないか。私はそんな伝統楽器がもっと身近なものになること、そしてたくさんの人が音楽をきっかけにコミュニケーションをとってくれることを望んでいる。

〈絶滅危惧種に関心を持って〉
絶滅危惧種について知っていますか―。質問したほぼ全ての人が知らないと答えた。しかし、危機にさらされている動物の保護についての考えを聞くと、全員が保護は必要だと答えた。
ワシントンDCで話を聞いた女性は、絶滅危惧種について「ニュースで動物の絶滅の話を聞いても、皆大変だと思わない」と話した。アメリカに同行した学生記者の松本蟻ケ崎高校2年、西川茉那さんは「動物が絶滅した時のデメリットは何かを考えるべきだ」と話してくれた。
取材を進める中で、絶滅危惧種についての関心の低さや認識の甘さが重要な問題点になっていると感じた。これらの原因として、学校で教わらない、ニュースでの報道が少ないなどの意見があった。
解決策として、まず身近な人から絶滅危惧種について知ってもらうことが大切なのではないかと考える。それは野生動物の保護をしようという内容だけではない。私たち人間の乱獲や環境破壊が原因であることも具体例を挙げながら伝えていくべきだと思う。
また、国立自然史博物館で取材したジェリー・アランさん(71)は、野生動物の保護に関わるなら国立公園の自然保護官の仕事があると教えてくれた。
現在、日本では自然保護官の数が少ない。このことが日本の関心の低さを物語っているのではないか。だからこそ、この記事を目にした人たちが少しでも絶滅危惧種について関心を持ってもらえたらうれしく思う。

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