一般社団法人 長野県新聞販売従業員共済厚生会

取材報告

中込 光穂 (長野吉田高校1年・長野市)

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〈より良い博物館を目指して〉
 一瞬、息を飲んだ。自分がまるで動物の暮らしの中に入り込んだようだ。ここはスミソニアン国立自然史博物館の哺乳類ブースだ。世界に誇る所蔵品の数々と至る所での展示の工夫。私の想像をはるかに超えたものだった。
 自分は今、博物館でボランティアをしている。そこで、日本の博物館だけではなくアメリカの博物館についても知りたいと思い、このスミソニアン博物館で取材をした。
博物館の中央、インフォメーションでボランティアとして働いているレベッカ・ナザリエスさんに取材した。「この博物館では多くのボランティアが資料作りなど、スタッフの手伝いをしたり、私みたいにお客さんの案内をしたりとして、活躍している。また、このボランティア制度が世界からも注目されていて、見にも来る」という。展示品の一番のオススメはと聞くと「貴重な資料が多くあるので一つにはしぼれないし、ルールで一つのものを薦めてはいけない」と教えてくれた。他にも本1冊分のルールがあるそうだ。お客さんへの意識の高さと、責任の持ち方に、あらためて身のひきしまる思いがした。
 また、博物館に足を運んだミラーさん一家に質問すると、「ある物事一つに対して年代を追い、推移がわかること」と祖母のデブラ・ビショップさん。「昆虫に触れること」と息子のアキオくん(8)がうれしそうに答えてくれた。
 博物館ではより体験できることの大切さを、求められている。ここには自分の想像にない展示方法がたくさんあった。これからお互いの良い所を見つけ合うことがより良い博物館への第一歩だと思う。

〈買い物のハプニングから考える〉
 「あれ、10ドル足りない」。それが、私のアメリカを知る第一歩になったのかもしれない。
 ニューヨーク、ヤンキースタジアムのグッズショップでの帰りのことだった。先生に相談すると、「お札を多く払いすぎたのではないか。アメリカでは返ってこないことも多いのだ」という。日本でも、そんなことがゼロではないかもしれないが、私はまだ経験したことがない。
 現地に住む人たちは「自分が余分にお金を払ってしまったということを説明しなくては返ってこない。また、単に計算ができない人と、お金を自分のものにしようとする人がいる」と話した。日本では計算ができない人はレジ打ちになれない。しかし、アメリカでは…と思うと驚いた。
 もう一つが、賞味期限についてだ。お土産にクッキーを買おうとした時、ガイドさんに「賞味期限を確認しておこう」と言われ、目を向けると、1カ月前。それも、全部‼ 店員さんに言うと、「sorry」と言いながら残っていたという新しいクッキーを持ってきてくれた。
 賞味期限が切れていることにも驚いたが、もう一度店頭に並べ直す店員さんの行為に目を疑った。日本だったら…と考えてしまった。
 木下・共同通信ワシントン支局長は「ニュースになったことはあまりないが、大量生産、大量消費国だから、販売期限があり、それは守られていると思う」と話した。大国アメリカのやり方。賞味期限で捨てられる日本の大量の食べ物が目に浮かんだ。
 日本でもアメリカでも生産地などの食の安全性への意識は高まっていることを知った。

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