関川 岳樹 (真田中学2年・上田市)
〈日米で違う観戦の楽しみ方〉
8月4日、ニューヨークのヤンキースタジアムでメジャーリーグを観戦した。「あなたの好きなスポーツは何ですか。」と観客に質問してみると、「野球」と答えた人もいたが、予想に反して、アメリカンフットボールやバスケットボールなど他のスポーツ名をあげた人が多かった。ガールスカウトと交流した時、「あなたの放課後の過ごし方は?」と聞くと、「さまざまなスポーツをする」と言っていた。いくつものスポーツを経験しているから、多様なスポーツに人気があるのだと思う。
メジャーリーグの観戦で気づいたことがある。それは日本のように団体で応援する様子が見られないことだ。不思議に思って、「何人くらいで応援するのか」を聞いてみると、「数人」と答える人が多かった。日本人は、少人数で応援するのは恥ずかしいと思うが、アメリカ人は普段からよく話すし、大きな声で会話をしているため、恥ずかしいとは感じないのではないだろうか。ブーイングやウエーブの時は一体感があり、日本とは違う雰囲気を感じることができた。
また、メジャーリーグには観客を楽しませる要素が多い。球場の整備をする人が踊っていたり、ウエーブで会場全体が盛り上がったり、まるで遊園地にいるように楽しい雰囲気だった。
同じ野球でも、アメリカと日本では、観戦の楽しみ方に違いがあることが興味深かった。
〈負の連鎖断つ思いやり〉
「戦争やテロをなくすためにはどうすればいいか」。トリビュートWTCセンターで9・11に消防士の夫を亡くしたアン・バンハインさん(61)に質問をした。すると「人を憎んではいけないという教育が戦争やテロをなくすことにつながると思う」と話した。確かに、他人を憎まないことは大切だ。しかし、人間に「憎」という感情をなくすことができるのだろうか。人間は感情を持って生きているのだから、「憎」の感情も必ずあると思う。
実際に、「9・11のテロリストは彼らの選択で罪なき人を殺した。9・11が起こった後のアメリカの対応は仕方のないことだ」ともアンさんは言っていた。戦争やテロをなくしたいと願っている人は多いけれど、実際に大事な家族を亡くすと気持ちが変わり、負の感情の連鎖が起きてしまうのかもしれない。私もアンさんと同じ境遇に立てば、同じような気持ちになるかもしれない。しかし、どこかでその連鎖を断ち切れないかと思った。
僕は、取材をしていく中でヒントを見つけた。たくさんの人にアンさんと同じ質問をすると「相手の立場にたつ」「お互いのことをよく理解し合う」などの意見があった。それらを踏まえて、まずは、思いやりを持つことが大事ということを感じた。思いやりを持てるようになると、戦争やテロをなくすことにつながるかもしれない。今すぐ憎しみの連鎖を断ち切ることはできないが、身近なところから思いやりを積み重ね、この問題を考え続けたいと思う。