加藤 良弥 (屋代高付属中学3年・長野市)
〈記事が伝える遺族の思い〉
ニュージアムで9・11の記事の中に遺族の声が載っているのを見つけた。その時、「遺族の声を載せるのはなぜか」と疑問に思った。
それから、僕は共同通信ニューヨーク支局の2人に取材をした。主に遺族の声を載せる必要性を聞いた。この質問に対して、9・11の遺族を毎年取材しているショーナ・マギーさんは、「遺族の声は、感情や情熱を持っている。これを記事に載せることで、読者にとって大惨事が身近な事になり、一生忘れない」と答えてくれた。支局長の尾崎元さんは、「読者は遺族の声を聞き、同情し、深く考える。数や事実だけでは、深く考えられない」と答えてくれた。
この取材を通して、自分が普段読んでいる記事には、たくさんの思いが詰まっていると感じた。また、私たちがこれからもその思いを受け止める必要があると思う。
〈犠牲者のメッセージ感じて〉
高層ビルが建ち並ぶ今の町の景色からは、「9・11」が起きた場所とは、想像もできなかった。
しかし、9・11の記念博物館に入った瞬間、自分がその現場にいるような感覚に襲われた。現場に残っていた階段、逃げ惑う人々の声などが博物館の中にあったからだ。しかし、形に残っている物だけではなかった。犠牲者一人一人の顔写真、なぜ事故に遭ったのか、どのような人生だったのかという三つが分かる展示があった。そこからは、「思い」が感じられた。「恋人に会いたい」「息子の顔が見たい」…。
このような出来事は、二度と起きてほしくない。また、一人でも多くの人に感じてほしい。犠牲者一人一人の思い。メッセージを。