一般社団法人 長野県新聞販売従業員共済厚生会

取材報告

宮沢 真歩 (長野日大中学3年・長野市)

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〈時代担う責任果たすと決心〉
 アメリカ人は、原爆投下についてどう考えているのか。ニュージアムでリチャードさん(73)に取材した。彼は「原爆が戦争を止めた。広島と長崎の人は苦しんだかもしれないが、他の日本人は苦しみから逃れた」と語った。私の意見とは全く異なる人の考えを聞けたことは貴重だった。
 派遣中、取材しているときや、田中投手の登板試合を観戦しているときなどに、「ジャップ」と言われた仲間が多くいた。最初は意味が分からなかったが、後にアメリカ人からの日本人に対する差別語だと知った。
 アメリカで会った日系人記者は、「ジャップは、敗戦国日本という意味を含む。そう言ってくる人には、それはいけない言葉だということを教えなくてはならない」と、言われた際にどう返したらいいのかも教えてくださった。
 戦後70年の今も、日本には原爆に苦しめられている人がいて、アメリカには日本は敗戦国だと見下す人がいる事実。戦争は愚かで悲しい。失う物ばかりで、得られるものは何もない。憲法9条を大事にしてほしい。
 中学3年でこのような貴重な経験をさせていただいたことへの恩返しとして、「これからの時代を担っていく者の責任を果たせるよう、成長していく」と心に決めた。

〈過去を知り テロ繰り返さず〉
 問題となっている過激派組織をなくすために、何かできることはあるのだろうか。夫を亡くしたというアンさん(61)に、9・11トリビュートセンターで取材した。
 アンさんは、「理屈で話し合うことができないので、無くすことは難しい。9・11が起きたのは、テロリストがアメリカを憎み、自らの命を犠牲にしてまでアメリカに害を加えたかったから。子の世代の教育を大事にすることだ」と語った。
 その後、9・11記念博物館を訪れていたジェイコブさん(20)に取材した。彼は大学生で、イスラム教を信仰しているルームメートと、よく過激派組織の話をするという。「イスラム系の過激派組織が多いが、自分のルームメートは違う。宗教や人種は違っても、同じ人間同士なのだから話し合うべきだ。避けてしまって、直接話し合わず、向き合わないのはよくない」と話した。事件当時、小学1年だったという彼は、取材中に涙を流した。
 過激派組織の行動は、日本にとっても身近な問題になってきている。9・11のようなテロを二度と起こさないようにするためには、過去にこのような悲惨な出来事があったことをより多くの人が知ることも、大切なことではないだろうか。

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