マメダリエフ アクバル(上田染谷丘高校2年・上田市)
「世界平和を目指す国連の活動」
1945年に設立された国際連合は誰もが耳にしたことがあるだろう。しかし、その活動内容を知っている人は多くないだろう。私もそうした一人だった。見学や説明を通して認識が変わった。
国際平和と安全の維持のほか、人権、経済・社会の発展の3つが国連の柱だ。世界平和といっても、現在も世界各地で起きている紛争などを直接、国連が止めることはできないそうだ。しかし、平和を維持するために国連の派遣団が監視をしたり生活を支える活動をしたりする。被害者のための医療、難民になってしまった子どもへの教育の提供など、さまざまな支援を行っている。
このような支援に必要となる資金は加盟国193カ国からの分担金だ。加盟国一つ一つの経済的状況を考えて決められている。日本の占める割合は2位だった。
もっと資金を加盟国から集めれば、困っている国に井戸やワクチンなどをもっと提供できるのではないだろうか。私は疑問に思った。しかし、支援はその国が自立し、発展していくためでもあるそうだ。確かに、他の国に支えられているだけでは国とはいえないと私も思った。
このほか、公用語は6つあること、総会の席替えにくじ引きを用いること、支援に使う物品は文化的に中立なデザインにすること…。国連は世界の平等も目指しているように感じた。私にとって、国連はとても魅力的だった。現在の将来の夢は、国連で働くことだ。
「認め合う心持つ大切さ」
米国に滞在した約1週間、私は多様なルーツや文化を持つ人たちに出会った。人種差別や多様性、多文化共生についてどう考えているのか、取材した。
リンカーン記念堂で黒人の夫婦に聞いた。ワシントン在住でロサンゼルス出身のカラさん(22)は「どの人種が優れているなどということは一切ない。私は黒人だという強い意識もないし、恥ずかしくもない」と語った。「人種や文化が違う人々の共生には何が必要か」と尋ねると、カラさんの夫は「やっぱり笑顔」と笑顔を浮かべた。そして「異なる文化を知って、経験して、楽しむことだね」と続けた。違いを認め合おうとする2人の心がうれしかった。
シカゴから来たケビンさんはフランスやドイツなどにルーツを持つ。シカゴも多様な人々が暮らすという。「時間はかかるけれど、人種や文化の違いを理解し合うことが必要」と話した。同様の考えは多くの人から聞けた。家庭や学校での教育が大切という意見もあった。互いを知ること、認め合う心を持つことが大事だとの思いを強くした。