• 及川真綾

    取材報告

    〈軍縮に取り組む国連職員の思い〉
    「生命力とは、物が不足し限られた環境の中でも、感じる力、考える力、生きていく力のことです」
     こう語るのは、国連事務局軍縮部で働く益子崇さん(57)。大学で国際法を学び、弁護士として活躍。その後、国連ボランティアとしてヨーロッパ南東部のコソボで働き、国連職員になった。冒頭の「生命力」は、益子さんがコソボで活動していた際に一番必要に感じた力だという。
     益子さんは1999年から2002年までコソボで活動。難民の越冬対策や紛争で崩壊した民家の修復に取り組んだ。冬は厳しい寒さになる中、人々の暮らしを全力で支援した。厳しい環境の中、益子さんを動かし続けたものは何だったのかと質問すると、益子さんは「自分の担当する地域やそこに住む家族の生活がより良くなる姿を自分の目で見られたから」と答えた。
     また「現地の人と分け隔てなく接することで、 そこでしか感じられないさまざまなことを感じられた。」と話した。
     当時のコソボは物がなく、気候や生活環境も私たちには考えられないほど厳しかっただろう。そんな中でも「一つの火を見て『すごい』『生きよう』と思い、明日もあさっても誰かのために動き続けることが大切」と語った益子さん。現地の人々の様子や生活そのものがやりがいであり、原動力、達成感だったのではないかと思う。私も日々、生命力を持ち、目的を持って生きたいと思った。
     益子さんは現在軍縮部に所属し、世界各地で起こっている戦争や紛争で使われている武器の管理から始まり、核兵器のない平和な世界を目指し日々活動している。そんな益子さんは核兵器について「前世代から君たちに託された負の遺産だ」と言った。核廃絶への道のりについては「比較的身近な平和記念式典などでの被爆者の想いをしっかりと受け取ること。そして、それに対しどのような感想や想いを持ち、どう行動を起こすかが大切」と語った。核兵器と言うと、自分とはどこか遠い世界のように感じてしまうが、絶対に廃絶すべきものとしてもっと認識する必要があると強く感じた。

    〈移民と音楽文化の可能性〉
     アメリカの音楽史は非常に興味深い。日本には古くから日本に根付く日本独自の音楽文化があるのに対し、アメリカはさまざまな国の文化が混在した音楽文化が特徴的である。その理由として挙げられるのが”移民”である。1800年代をピークに様々な地域から移住してきた移民は、ニューヨーク湾のエリス島にある移民局で厳しい検査を乗り越え、ニューヨーク(NY)に足を踏み入れた。衣食住、さまざまな文化が入り交じるNYで音楽もまた、たくさんの地域の文化と混ざり、アメリカ音楽として発展していった。
     このようなことが分かったのは、エリス島にある移民博物館である。アフリカ、インド、ヨーロッパ、中国など移民としてアメリカに訪れたすべての人の国の音楽が集まって米国の音楽をつくりあげたと記されていた。
     そんなアメリカの現在の音楽を探るために、現地の人に普段聴く音楽のジャンルから学校の音楽教育など、幅広い質問に答えてもらった。
     15歳のアリアさんが通うキリスト教系の学校では音楽の授業が週に2回ほどあり、選択制だそうだ。楽器の学習がなく、楽譜を読むことも苦手らしく、歌を歌うことのほうが好きだと話してくれた。続いて12歳のイザベラさんも「ピアノは弾けるが学校では楽器について習わない」と言った。学校によって差はあると思うが、日本の学校はアメリカの学校に比べて幅広い音楽の教育をしており、生徒がより多くのものに触れられ、興味を持てるようにしていると感じた。
     また、普段聴く音楽についてインタビューした6人のうち、4人がJ−POPと答えた。12歳のジアさんは日頃からとてもよくJ−POPを聴くそうで、YOASOBIや「ずっと真夜中でいいのに」の楽曲をよく聴くそうだ。これらのアーティストは日本でも人気があるが、なぜ知っているのか尋ねると、日本のアニメのオープニングやエンディングに使われる曲だからと話した。やはり日本のアニメの海外への影響は計り知れない。J−POPの魅力については「歌詞が繊細でどんな気持ちの時にも寄り添ってくれる」と話してくれた。16歳のビンさんが見せてくれた音楽アプリのプレイリストはJ−POPであふれていた。特に菅田将暉の楽曲が好きだという。
     今回気付いたことは、想像以上にアメリカにおいてJ−POP人気が高く、J−POPを理解し、愛してくれている人が多いということだ。そして日本人の私たちがこれからも日本の音楽文化を愛し、世界の人々にその魅力を伝えていくことで、世界の人々と簡単につながることができるということを実感した。

  • 及川真綾

    8/4滞在日記 感想

    今日行った移民博物館では、昨日同様、アメリカの抱える暗く、忘れてはいけない過去が展示してあった。誰が悪いとは言い切れない事に少しもどかしさを感じるが、誰かを悪にすることなく客観的な観点から見ることでより多くの人の想いを感じ、理解することができた。明日はとうとう帰国日。とても寂しいが無事、日本に帰りたいと思う。

  • 及川真綾

    8/3滞在日記 感想

    今日一番印象深かったのは9.11メモリアルミュージアムである。もちろん教科書でしか見たことのない国連も、ヤンキースの熱い試合も本当に楽しかったが、9.11メモリアルミュージアムはこの150字に収めるのが申し訳なくなるほど当時の緊迫した世界貿易センターの様子を様々な展示から感じ、間違いなく、この15年間生きてきて一番感じる事が多すぎて心が痛む経験となった。

  • 及川真綾

    8/2滞在日記 感想

    アメリカ歴史博物館では今の華々しいアメリカの裏に隠された悲惨な戦争の歴史と、歴代大統領が行ってきた国のための自分なりの政治を様々な展示から目で見て肌で感じられた。大統領の展示には興味深いものが沢山あったし、戦争の展示では思わず涙がこぼれそうになるほどリアルに伝わってきた。明日からのニューヨークも全力で学びたい。

  • 及川真綾

    8/1滞在日記 感想

    国立航空宇宙博物館では広島に原爆を落としたエノラゲイの現物を見た。他の航空機とは違う異様な雰囲気を放っていてなぜか見ているだけで苦しくなった。アーリントンでの交流会はとても刺激的なものとなった。皆日本語が本当に上手で、私達日本人と深く交流し理解しようとする積極性のあるアメリカンスタイルに私も背中を押された。

  • 及川真綾

    7/31滞在日記 感想

    2日目はワシントンがどれだけアメリカの中心であるかを思い知らされた1日だった。特に連邦議会議事堂内にある、ある地点に向かってワシントン中の水が流れているという事とワシントンの道路は独立に貢献した州の順にワシントンの中心から名前が付けられているという事がとても興味深かった。取材は引き続き積極的に頑張りたい。

  • 及川真綾

    7/30滞在日記 感想

    13時間に及ぶフライトの疲れを吹き飛ばしたのはワシントン国際空港に広がる澄み切った青空だった。表示される全ての文字が英語に変わり、何ヶ国語も飛び交う空港はまるで夢心地だった。現地のバスから見えるワシントンの景色も異世界のようで全てが私の胸を高鳴らせた。明日からは何事にも全力でぶつかり異文化を全力で体験したい。

  • 及川真綾

    事前学習会 感想

    やはり目的を持って強い志がある人同士なのでディスカッションでも様々な意見が出てとても充実した時間となりました。また、経験者の話を聞いてよりアメリカに行くのが楽しみになりました。今自分に何が必要なのか改めて考え直し、出発までにしっかりと準備したいです。とても楽しみなので、しっかり体調を整えて臨みたいです。