一般社団法人 長野県新聞販売従業員共済厚生会

取材報告

島 美農 (飯田高校2年・飯田市)

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<軍事力より人々の交流を>

 日本は憲法上、軍隊を持たない。日本で暮らす私は、軍事力と平和は対極にあるという印象を持っていた。訪れたアメリカは世界でも圧倒的な軍事力を持つ。戦争もしている。アメリカ人に軍事力と平和に対する考えを聞いた。
 息子が海軍の軍人で自分も退役軍人だというクリスさん(70)は「各国の力の均衡を保つために軍事力は必要」と話した。「軍事力を持っている国がある以上は、対抗する軍事力が必要」と考えている。
 国立航空宇宙博物館別館で第2次世界大戦時の戦闘機を眺めていたジミンさん(16)は軍事力について「使った後のことを考えれば持つべきではない」とした上で、「世界中の国が互いに多様な考え方を尊重し合えるようになるまでは、必要」と話した。
 見学した国連本部で、「世界で使われている軍事費の約20%があれば、全世界の子どもが飢えずに暮らすことができる」との説明を聞いた。どれほどの軍事力が生まれ、どれほどの人が傷つくのか。やはり人々がコミュニケーションを図り、相互理解を深めるべきだと感じた。


<安心な食べ物 意識は同じ>

 食品を購入する際、日本では生産地や製造地を気にする人が多い。私も特に野菜や果物の場合、できる限り農薬が少ないもの、安心なものを選びたいと思う。米国は大規模農業で、飛行機や大型機械で農薬や肥料をまくイメージがある。米国に住む人の意識を取材した。
 スーパーマーケットのオーガニック野菜コーナーで取材した。オーガニック野菜とは化学肥料や農薬の使用を控えて有機肥料を使い、安全とおいしさを目指す有機栽培の野菜だ。71歳の女性は「農薬は健康の面で不安を感じる」と話し、産地も「どちらかと言えば地元産が安心」と語った。
 ワシントンで取材した37歳の女性は「子どものためにオーガニックを選びたい」と言う一方で「値段が高く、家族も多いから頻繁には購入できない」と顔をしかめた。実際に店で価格を比較するとオーガニックのキュウリは通常より2.5倍の価格だった。
 近年は米国でも食や健康を対する理解が深まってきているそうだ。より安心なものを食べたいが、価格も気になる。意識は米国も日本も同じだと感じた。

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