一般社団法人 長野県新聞販売従業員共済厚生会

取材報告

諌山 ありさ (穂高商高校2年・安曇野市)

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<移民問題に複雑な思い>

 アメリカは移民によってつくられた国だ。ワシントンやニューヨークを歩くだけで、さまざまな人種、ルーツを持つ人と擦れ違う。しかし、今のアメリカは、不法移民の取り締まりを強化するなど寛容でなくなっている。
 校長先生だというマックグリーニーさん(38)に移民の印象を質問すると、「一緒に働く先生はとても真面目で、心地いい」と教えてくれた。
 メキシコからの移民というステファニー・フローレスさん(44)と娘のエイミーさん(13)に取材した。家での食事はメキシコ料理と自分たちの文化を大切にするし、「アメリカで違う国の文化と触れ合えて楽しい」と言う。
 しかし、「今は正規の移民もたくさんいて飽和状態だと思う。元々いた人の仕事が減っている。正規の移民の数も制限していいのではないか」とも話した。
 私は将来、アメリカに住んでみたいと思い、多様な人たちが行き交う街で居心地の良ささえ感じていた。アメリカが変わってしまうようで、複雑な気持ちになった。


<壁への考え 多様な視点>

 トランプ米大統領がメキシコ国境の壁建設を進めようとしている事に対して、ワシントンとニューヨークで人々の考えや思いを取材した。
 父がこの問題に興味があるというブラジル人のカレアさん(21)は「アメリカ政府はもっとメキシコ人の意見を聞いた方がいい」と話した。「もし進めればメキシコはどうなると思うか」と聞くと「最悪の場合、戦闘になってしまうかもしれない」と答えてくれた。
 スペインから来たミレンさん(23)に「国境の壁建設を進めようとしている米政府をどう思うか」と尋ねた。「アメリカはメキシコに恨みがあるように見える。メキシコが少し、悪い人扱いをされているみたい」と話した。
 このほかにも、賛成する人の中には、毎年の警備のためにかかる金額の方が、壁を作るよりも高いのではないかという考えもあった。反対の人には「ベルリンの壁」のように、国同士に大きな境目を作る事になってしまうのではないかと心配する声もあった。さまざまな視点から、国境の壁への考え方が分かった。

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