滞在日記

滞在中、現地の様子を同行した記者に送っていただいています。

当ホームページには、都度タイムリーに掲載いたします、お楽しみに。

結団式(2016米国派遣)

 学生記者20人は31日、長野県各地から成田空港近くのホテルに集まりました。夕方の結団式で、空港やホテル、取材など実際の場面を想定した英会話を練習しました。街でインタビューする時には「少し、時間をいただけますか」と相手の都合を聞いてから質問を始める―など実践的な内容でした。
 20人が顔を合わせたのは2回目ですが、成田に着くまでの電車やバスの中で会話が弾み、夕食のころにはかなりうち解けた様子。どのメンバーも頼もしく見えました。


学生記者20人、アメリカに行ってきます!

①成田空港からバスで宿泊先のホテルへ。初日にしては、かなりうち解けていますね~

②結団式では、ペアになって英会話の練習をしました。

③自分が質問したいことを英文で書きました。みんな真剣な表情です

④英文を考える時には仲間とも相談しました

⑤夕食です。中学生女子のテーブルをパチリ


◇◇◇中学生◇◇◇
●花立 ひなた
 ついに明日から取材旅行が始まります。取材では、自分の調べたいテーマを基に、19人の仲間と協力して、よりよい記事が書けるよう、心にアンテナを張り、何事にも貪欲に挑戦していきたいです

●松島 圭佑
 今日は学習会と結団式がありました。ホテルに着くまで、席が近い仲間と話をして交流を深めることもして、今日一日でアメリカでの取材の準備を仕上げました。明日からの取材も頑張りたいと思います。

●小川 真
 今日は、これから一緒に取材をする仲間とたくさん話して友達になることを心掛けました。特に部屋が一緒になった友達とはプロ野球の話で盛り上がりました。不安もありますが、またとない機会を楽しみたいです。

●萩原 日和
 約1カ月ぶりに学生記者の皆さんと会うので緊張していました。自己紹介の場面でみんなも緊張していると分かり、安心しました。上手に英語で取材できないとは思いますが、頑張っていきたいです。

●矢口 駿太郎
 事前学習会で顔を合わせたとはいえ、知らない人が多く、最初は気を使いました。話すうちに自然と仲良くなれました。列車やバスで寝たはずなのに、とても疲れました。明日からアメリカです。頑張ります。

●小林 思音
 スーパーあずさで2時間半。久々の長旅でした。成田までの道では都会の仕組みに驚かされ、新鮮でした。明日はいよいよフライト。学習会で学んだことを生かして、仲間と協力して挑みたいです。

●山本 優菜
 今日の移動があったからこそ、より現地への期待が増しました。左見右見、国内でありながら感動することが多かったから、きっと現地ではさらに興味が膨らむのだろう。今からとても楽しみです。

●實吉 恵
 成田までの電車内などで、海外からの観光客への「おもてなし」がされていて驚きました。ホテルのすぐ近くを飛行機が通り、「早く明日になれ~」とわくわくの気持ちが倍増しました。頑張りたいです。

●原 総吾
 今日は何事もなく成田に着き、仲間と仲良く話すことができてよかったです。明日からのアメリカでは、学生記者の仲間たちと協力して臨めるようにしたいです。積極的にインタビューしたいと思います。

●金子 詩奈
 米国では食について取材しようと思います。食を通して米国の生活を垣間見たいです。結団式で言われたように、惜しくも採用されなかった435人がいます。その分も自分にできる精いっぱいをやり切りたいです。

◇◇高校生◇◇
●堀 由依
 事前学習会から1カ月、久しぶりにみんなに会いました。仲も一気に深まり、会話が弾みました。いよいよ明日はアメリカに向けて出発です。〝自分が〟ではなく〝みんなで〟楽しめる6日間にしたいです。

●中村 真美子
 何人かの派遣記者と話し、これからの不安が和らぎました。学習会では「取材で英語が通じなくても落ち込む暇はない」との話がありました。1週間という限られた時間で仲間や一般の方と積極的に話したいと思います。

●小林 晃大
 長野から東京への移動。それだけでも長い一日でした。久しぶりに会った十人十色の仲間たちと新たにこれからについて考えました。明日はついに米国への出発。大きな期待を胸に、日本ではできない発見をしたい。

●永井 優
 長野から新幹線で東京、成田空港へ。そしてホテルに到着しました。新幹線やバスの中でたくさん話して、今日一日だけでみんなとの距離がグッと縮まった気がします。アメリカでも出会いを大切にしていきたいです。

●田邉 博智
 朝からとても緊張した一日でした。このメンバーとは事前学習会で一度顔を合わせただけなので、うまくとけ込むことができるか心配もあります。まだ旅は始まったばかり。ゆっくりと仲を深めていきます。

●佐藤 澪
 家族の見送りを背に、松本駅の改札を抜けた。旅行当日になってやっと「自分はアメリカに行くんだ」という実感が湧いてきました。またとないチャンス。笑顔で、積極的に現地の方に取材をしたいです。

●堀 尚裕
 初日の顔合わせではみんな緊張感のある面持ちだったが、同時に熱意が伝わってきました。竹内先生がおっしゃった通り、自分のコミュニケーション能力を向上させる良いチャンスにできるよう、必死になりたいです。

●小林 愛実
 事前学習会から1カ月、再び学生記者のみんなに会いました。全員強い意気込みを持っていて、私も頑張らなければいけないとあらためて思いました。不安も大きいですが、この機会を無駄にしないよう取材します。

●中川 泰成
 電車を乗り継ぎ、成田に。学習会で教わったことを明日以降に生かしていきたいです。明日は朝早く飛行機に乗るので、さっさと寝て、半日の空の移動に耐えられるように備えます。取材、とても楽しみです。

●細田 智香
 いろんな不安を抱えて迎えた今日。結団式で不安はやる気へと変わりました。アメリカでの失敗は誰もが経験できるものではありません。失敗を恐れず、アメリカでのいろんな空気、話を取材していきたいです。


出発!

 午前11時の便で出発します。朝食もしっかり食べましたよ。空港でのチェックは緊張するけど…。搭乗までは待ち時間もあって、楽しんでいます。半日後にはワシントンに降り立ちます。元気に行ってきます!


△成田空港にて、全員集合!

△ホテルから空港に到着しました。風が強いですが、雨は上がりました

△あれに乗ります。荷物を預けたりと、何かと待ちます

△出国審査も長い列。行ってきます!


ワシントンDC入り 取材スタート

 ワシントンに到着しました。空港から国立航空宇宙博物館別館に直行し、さっそく初めての取材をしました。この別館には、スペースシャトルや広島に原爆を投下した「エノラゲイ」が展示されています。今年は、現職の米国大統領が初めて広島を訪れた年でもあります。エノラ・ゲイの前で、他の来館者に原爆投下についての考えを聞く中学生もいました。
 その後、バスでワシントンのリンカーン記念堂を訪ね、ホワイトハウスも外から眺めました。屋外は強い日差しにうだるような暑さ。どの学生記者も眠気や旅の疲れが見えましたが、ガイドさんの説明を聞いたり、果敢にも訪れていた人たちにインタビューしたりしていました。「英語が聞き取れない」「インタビューを断られた」という声も上がっていました。ここからが頑張りどころです!


△リンカーン記念堂の前で、全員でポーズ

△ガイドさんの説明を聞きながら国立航空宇宙博物館別館を見学する中学生

△後ろに見えるのは、エノラ・ゲイの翼です。

△ワシントン記念碑を背に、記念撮影

△I have a dream…。歴史に残る演説があった場所に立ちました

△リンカーン像の前で。

感想を紹介します。


◇◇◇中学生◇◇◇
★花立 ひなた(文化学園長野中学3年・長野市)
 約13時間の長いフライトを終え、ようやくアメリカに着きました。日本とは違う環境、風景、そして異なる言語。新鮮なことだらけですが、臨機応変に対応し、自分の成長につながるよいきっかけとなってほしいです。

★松島 圭佑(中野平中学2年・中野市)
 アメリカに入国した後、国立航空宇宙博物館とワシントンDC市内を見学しました。自由時間を利用し、初めての英語インタビューもしました。効率よく多く取材を行うことができなかったので、明日は改善したいです。

★小川 真(第四中学3年・上田市)
 今日は国立航空宇宙博物館とリンカーン記念堂で、2人の方に取材ができました。通訳の方のご協力で、深い内容を聞くことができたのでよかったです。夕食会では、アメリカの弁護士の方に取材のアドバイスをいただけました。

★萩原 日和(御代田中学3年・御代田町)
 時差ぼけもなく一日を過ごすことができました。国立航空宇宙博物館で1人の女性に取材をすることができました。緊張しましたが、インタビューに答えてくれてうれしかったです。明日も英語で取材したいです。

★矢口 駿太郎(松本秀峰中学2年・松本市)
 朝からずっと飛行機の中で体はとても弱っていました。国立航空宇宙博物館はとても楽しめました。しかし、飛行機内で寝ていなかったため、リンカーン記念堂などで疲れてしまいました。今日は早く寝ます。

★小林 思音(豊科北中学3年・安曇野市)
 13時間も黙って座っていることは初めてで、とても長く感じました。出国、入国審査は怖かったけれど、無事でした。初めてのアメリカは緑と湖が多く、美しかったです。今日の取材は少ししかできなかったので、明日以降はもっと積極的に取材します。

★山本 優菜(仁科台中学2年・大町市)
 時差ぼけで体がついていかないというのが現状でしたが、私の人生での初フライトが終わり、初海外であるアメリカに上陸できたことをうれしく思います。ワシントンで過ごす日が、今日よりも楽しくなることを期待します。

★實吉 恵(諏訪南中学2年・諏訪市)
 同じ日を2回過ごすという新感覚が楽しかったけれど、疲れました。エノラ・ゲイの見学では、広島にこの飛行機が…と、切ない思いになりました。またその場で、「日本についてどう思うか」という質問もでき、さまざまな日本への思いに驚いた。

★原 総吾(飯田西中学3年・飯田市)
 出国と入国のどちらも緊張したけれど、何事もなく終わり良かったです。国立航空宇宙博物館では、エノラ・ゲイなどを見ました。その後、インタビューを試みましたが、断られました。明日はもっと積極的にいきたいです。

★金子 詩奈(阿智中学2年・阿智村)
 航空宇宙博物館にて初取材でした。私は博物館内のマクドナルドで、ジャンクフードについて質問しました。その男性は毎食ジャンクフードを食べるそうです。初めからこんなに興味深い話が聞けるとは思っていませんでした。


◇◇◇高校生◇◇◇
★堀 由依(長野日大高校1年・長野市)
 アメリカに着いてまず行った訪問先で幾人かに簡単な質問を投げかけてみました。答えてくれる人もいれば、「スペイン人だ」とか「忙しい」などと言って答えてくれない人もいました。質問の答えが得られなくても、アメリカが多民族社会であること、そして時間に対する感覚のようなものを知り得ました。今日は、答えが得られない収穫というものを学べた一日でした。

★中村 真美子(長野高校2年・長野市)
 取材で話し掛ける時、思ったより緊張してしまいました。英語が出てこなかったり、小さな子どもは真剣に答えてくれなかったりもしました。自信を持って質問をしなければ、相手も戸惑ってしまうと感じました。

★小林 晃大(上田高校2年・小諸市)
 私たちの生活は多くの犠牲の上にあります。第2次世界大戦中、科学技術の発達で誕生した兵器により命を落とした人々、人種差別と戦い続けたキング牧師などの先人たち―。今日行った場所だけでも感じることができました。その犠牲を無駄にすることは、あってはならないだろう。

★永井 優(野沢北高校1年・佐久市)
 今日の訪問先の中で最も心に残ったのは国立航空宇宙博物館です。昼食時に初めて現地の方に取材しましたが、話すスピードがあまりにも速くて、もっと自分の英語力を高めなければならないな、とあらためて実感しました。

★田邉 博智(松本工業高校2年・松本市)
 とても長い一日でした。飛行機で13時間過ごし、昼間のアメリカに着いて時差ぼけというものを初めて知りました。夕食中もうとうとしてしまい、貴重なお話を聞き逃さないよう必死でした。今日は早く寝て明日に備えます。

★佐藤 澪(豊科高校2年・白馬村)
 とにかく長い一日でした。今日一番の思い出は、ネイティブな英語が聞き取れ、自分の言葉が相手に伝わり、コミュニケーションが取れたこと。それがうれしくて「もっと話したい」と思うようになりました。機内では浅い眠りにしかつけなかったので、しっかり体を休めたいです。

★堀 尚裕(長野工業高専1年・南木曽町)
 1日に日本を出国し、10時間超のフライトの後にもう一度、1日が始まったことは「時差ぼけ」の良い経験となりました。学生記者の多くの人が向上心を持ち、インタビューを開始させました。明日も体力を持続させて、取材に挑みたいです。

★小林 愛実(諏訪清陵高校2年・茅野市)
 ついにアメリカへ来ました。今日は主に三つの場所を見学してきました。中でも一番印象深かったのはホワイトハウスです。周囲の厳重な警備、自分が外国の方に話し掛けられたことなど、アメリカならではの経験ができました。明日はもっと多くの方と接するので、今日学んだことを生かしていきたいです。

★中川 泰成(伊那北高校2年・伊那市)
 ワシントンに到着しました。時差ぼけで眠いが、アメリカの気候や雰囲気に圧倒されました。国立航空宇宙博物館やリンカーン記念堂、ホワイトハウス遠望などでは、非常に貴重なものをこの目で見ることができた。

★細田 智香(伊那西高校2年・駒ヶ根市)
 初めての飛行機、初めてのアメリカ、初めての時差ぼけ。初めてだらけの長い一日でした。今日はいろんな歴史に触れました。航空の歴史をたどるだけで、そのときの時代背景が分かります。そこからその時代の人々がどんな思いで過ごしていたか…。じっくり推測していきたいです。

アメリカ滞在の2日目

 朝7時から夜8時すぎまで、盛りだくさんの一日でした。
 連邦議会議事堂は厳しいセキュリティー検査を受けて入場し、すべて英語のガイドツアーに参加。連邦議会や政治の歴史を学びました。また、カーク上院議員(共和党、イリノイ州選出)の事務所を訪ね、スタッフの1人にインタビューをしました。学生記者から質問が途切れることはなく、銃規制、人権、オバマ大統領への評価など広く深い内容になりました。国立自然史博物館の見学、ゲストを招いた昼食会をはさみ、午後は大統領選の民主党候補に決まったヒラリー・クリントン氏の選挙事務所を訪問。21歳、22歳の女性が選挙活動を説明してくれ、ここでも学生記者から次々と質問が出ました。
 スーパーマーケットでは日本へのお土産を探しました。値札からお得な商品を見つけるなど、結構な買い物上手でした。
 夕方、同世代であるガールスカウト、ボーイスカウトとの交流会は、とても楽しい経験になりました。中盤、持参した千代紙や手ぬぐいなどをプレゼントし、その使い方、折り紙の折り方を教えていました。「英語が聞き取れない」「話せない」と諦めることなく意思疎通を取っていました。終盤、「大統領、または首相だったら、最優先させる政策は何か」というテーマで討論もしました。
 あすはニュースの博物館「ニュージアム」を訪れた後、5時間かけてニューヨークへ向かいます。


△連邦議事堂内を見学しました。着けているヘッドセットから流れてくるのは日本語ではなくガイドさんが話す英語。ヒアリングの勉強になりました。

△上院議員のスタッフにインタビューしました。共同通信社の木下支局長が通訳してくださいました。

△クリントン氏のバージニア州選挙事務所を訪ねました。説明してくれたインターンの女性と記念写真。

△席が隣同士、折り方を教えて鶴を完成させました。

△ガールスカウト、ボーイスカウトのみんなと記念撮影。充実した時間が表情に表れています。

感想を紹介します。


◇◇◇中学生◇◇◇
★花立 ひなた(文化学園長野中学3年・長野市)
 今日はワシントンを発つ前日でした。取材が中心で、昨日より気力、体力が奪われる日だったと思います。その中で、英語が伝わる喜び、安心感が自分を奮い立たせてくれました。明日からのニューヨークの取材も頑張ります。

★松島 圭佑(中野平中学2年・中野市)
 今日は国立自然史博物館で多くの方に取材ができました。自分から積極的に取材したおかげで、アメリカの新聞とそれを読む人々について詳しく理解できました。明日のNEWSEUMでも積極的に取材したいです。

★小川 真(第四中学3年・上田市)
 今日の取材で一番印象に残ったのは、ガールスカウトとの交流です。相手の英語が聞き取れなかったので、取材は筆談でしました。ただ隣の人とは少しだけ英語で会話できたので、うれしかったです。

★萩原 日和(御代田中学3年・御代田町)
 今日はとてもハードなスケジュールでした。一番楽しかったのはガールスカウトとの交流会です。最初はとても不安でしたが、分かりやすい英語で説明してくれたので理解することができました。明日もたくさんのことを学びたいです。

★矢口 駿太郎(松本秀峰中学2年・松本市)
 スーパーマーケットで、みんなが驚くほど買い物をした。学校へのおみやげに(菓子)40個入りを買ったり、塾やピアノ教室の分など自分以外のお土産を買ったら、爆買いになってしまったのです。日本に帰ったら、買い物に気を付けたいです。

★小林 思音(豊科北中学3年・安曇野市)
 ガールスカウト交流会は本当に楽しかったです。言葉が通じない時も、ジェスチャーやイラストで伝えることができました。私が今回楽しみにしていた自然史博物館は時間が足りなくて満足できなかったので、自立したらまた来ます。

★山本 優菜(仁科台中学2年・大町市)
 今日は自然史博物館で助言をいただきながら、多くの人にインタビューができました。興味深い意見や鋭い考え、さらには予想もしなかった答えが返ってきたため、充実した取材と成りました。明日の取材にもつなげていきたいです。

★實吉 恵(諏訪南中学2年・諏訪市)
 自然史博物館で私のメーンの「動物と人間の共生について」の質問ができました。米国では日本よりも多くの動物と関わることを知りました。ガールスカウトとの交流会では、折り紙をとても喜んでくれた。クッキーがとても甘くて…でした。

★原 総吾(飯田西中学3年・飯田市)
 ガールスカウトとの交流会がありました。同年代のアメリカ人と話すことができてよかったです。インタビューをした全員が社会問題や課題について自分の意見を持っていて、すごいと思いました。

★金子 詩奈(阿智中学2年・阿智村)
 スーパーマーケットでは野菜コーナーを中心に取材しました。そこの野菜はどれもみずみずしい。よく見るとスプリンクラーのようなものから水が滴っていることに気付きました。量り売りのアメリカだからこその工夫に驚かされました。


◇◇◇高校生◇◇◇
★堀 由依(長野日大高校1年・長野市)
 今日は、私の気持ちを一番重たくしていたガールスカウトとの交流会がありました。結論から言うと、自分がなぜそう感じていたのか思い出せないほどに充実していました。それは自ら英語を発し、話題をつくり、〝会話〟をしようという自分の意識のおかげであったように思います。現段階での自分の英語力に自信を持てた一日となりました。

★中村 真美子(長野高校2年・長野市)
 ガールスカウトたちはとてもフレンドリーでした。分からないことや相手の意見を質問すると、丁寧に答えてくれました。討論ではスピーディーに意見を交わすなど自分の考えをしっかり持っていると感じました。

★小林 晃大(上田高校2年・小諸市)
 「自分の意思を持ち伝えること」。これは非常に重要です。自然史博物館で「オバマ大統領の広島訪問」について同年代の男性に質問しました。すると即座に意見を述べてくれました。ガールスカウトでも同じことを感じました。自分を見つめ直し、意見を持つよう頭を使いたいと思いました。

★永井 優(野沢北高校1年・佐久市)
 ガールスカウト、ボーイスカウトとの交流会で、同世代の人たちと一緒にゲームをしたり、討論をしたりして楽しめました。彼らが積極的に話し掛けてくれ、自分の意見をしっかり持って言えることに驚き、感心しました。

★田邉 博智(松本工業高校2年・松本市)
 今日はとても英語に触れた一日でした。とても充実していましたが、同時に自分の英語能力の低さに気付かされました。ガールスカウトで周りの子がコミュニケーションを取ってくれるのに、うまく返事ができず、悔しいです。この悔しさを生かし、成長したいです。

★佐藤 澪(豊科高校2年・白馬村)
 待ちに待ったガールスカウトとの交流会。同年代の子たちと話せるのがとても楽しみでした。しかし、実際に会ってみるとなかなか話が聞き取れない! 悔しかったです。自分の言いたいことを整理して、積極的に声を掛けていきたいです。

★堀 尚裕(長野工業高専1年・南木曽町)
 今日は大統領選関連の取材をした。私のテーマは人権に関わることで、良いインタビューができた。ガールスカウトとは活発にコミュニケーションをすることができたので、今後の取材活動に自信を持つことができた。

★小林 愛実(諏訪清陵高校2年・茅野市)
 議事堂、大統領選候補者の選挙事務所、ガールスカウト交流会など私の取材テーマに関連した場所に行くことができました。多くの立場の人から意見を聞くことは勉強になり、何より面白かったです。特に交流会で、女の子がトランプ氏を中傷する落書きをしていたことが印象に残りました。

★中川 泰成(伊那北高校2年・伊那市)
 今日は政治関連の取材が二つと国立自然史博物館を回り、ガールスカウトとの交流会へ行きました。昨日はできませんでしたが、今日は自分のテーマについて取材ができました。アメリカの方との対話を多く取れた一日でした。

★細田 智香(伊那西高校2年・駒ヶ根市)
 今日は英語に多く触れた日でした。連邦議事堂の案内も、ゲストとの食事会も、ガールスカウトとの交流会も「英語が理解できれば、もっと質問できたかも。もっと知れたかも」と後悔しました。今からでは遅いですが、今できることは精いっぱいやって、悔いは残らないようにしたいです。

ワシントンからニューヨークへ

 見知らぬ土地で、見知らぬ人に声を掛け、自分が考えた質問をぶつける(しかも英語で)。学生記者のみなさんの姿がまぶしく見えます。
 午前中はワシントンDCで、ニュースやジャーナリズムの博物館「NEWSEUM(ニュージアム)」を訪れました。米国のジャーナリズムや「自由」の歴史が、工夫された展示でたどれます。1時間弱の自由時間には、自分のテーマで来場者に取材もしました。
 タイトなスケジュールで精力的に活動する学生記者20人。5時間かけてニューヨークへと向かうバスの中では、随行している竹内先生のリードでワークショップが行われました。それぞれが試して成功した取材のこつを共有したり、描写力や相づち力をアップさせる特訓をしたり。残りの時間も、次の取材に向け、コーディネーターの千晶さんや竹内先生、島倉先生に質問して、大人を眠らせませんでした。
 渋滞にはまったものの、ほぼ定刻通りにニューヨークへ到着しました。ロックフェラーセンターにある展望台「トップ・オブ・ザ・ロック」からマンハッタンの夕景を眺めました。不夜城タイムズ・スクエアの喧噪の中にも身を置きました。


△ニュージアムからペンシルベニア通りを眺める。正面奥は議事堂です

△ニュージアムに大統領選のコーナーがありました

△NYへ移動するバス車内では次の取材に生かすワークショップがありました

△NY到着後、早速ロックフェラーセンターの展望台「トップ・オブ・ザ・ロック」に

△タイムズ・スクエアで記念撮影

感想を紹介します。


◇◇◇中学生◇◇◇
★花立 ひなた(文化学園長野中学3年・長野市)
 今日は約5時間かけて、ワシントンDCからニューヨークへ大移動をしました。取材も前半戦が終わり、後半戦に突入します。最後まで自分のやるべきことを見失わず、自分の成長へつなげられる取材旅行としたいです。

★松島 圭佑(中野平中学2年・中野市)
 自分はアメリカの新聞について記事を書きたいと考えています。今日はニュージアムでその取材をしました。先生から頂いたアドバイスを生かして考えた質問ができました。特集紙面用の記事のおおまかな形を思い描くことができました。

★小川 真(第四中学3年・上田市)
 今日は、ニュージアムを見学した後、バスでニューヨークに向かいました。車内では、竹内先生のアドバイスやほかの人の取材方法を聞けて、とても参考になりました。今日は取材ができなかったので、明日また頑張りたいです。

★萩原 日和(御代田中学3年・御代田町)
 ニュージアムで黒人の方に白人から差別を受けたことについてどう思うか聞きました。「それは悲しいことだ」と答えると思っていましたが、「そのことがあるから、社会は進む」という答えでした。世界には、異なる考え方があることを知りました。

★矢口 駿太郎(松本秀峰中学2年・松本市)
 ニュージアムという博物館で9・11のことを取材し、若い人の意見を聞くことができました。この取材で自信がついたので良かったです。ギフトショップでは、大統領選挙の候補者2人の頭をかたどった人形を買いました。良い物を買えて満足してしまいました。

★小林 思音(豊科北中学3年・安曇野市)
 ワシントンDC最終日。ニュージアムは、報道の歴史を多くの展示で表現していて興味深かったです。ニューヨークへの移動後、トップ・オブ・ザ・ロックとタイムズ・スクエアへ行きました。写真では分からない圧倒的な景色でした。〝眠らない街〟の意味がよく分かりました。

★山本 優菜(仁科台中学2年・大町市)
 ワシントンDCとはひと味違う、眠らない街ニューヨークに到着しました。ビル群の雑踏に紛れながら、明るくパワフルな景色を眺めることができました。この摩天楼でさらにインタビューをして、DCとの違いをリサーチしたいです。

★實吉 恵(諏訪南中学2年・諏訪市)
 ニュージアムでテロについて質問しました。テロは恐ろしいと思っている人が多かったです。NYCへのバス移動5時間は、みんなと楽しくおしゃべりしたり、外の景色をリポートしたりして、とても楽しく過ごせました。

★原 総吾(飯田西中学3年・飯田市)
 ニュージアムでは東京に住んだことがあるという女性にインタビューができました。日本の話もすることができてうれしかったです。ニューヨークでもたくさんの人と話をしたいです。

★金子 詩奈(阿智中学2年・阿智村)
 ニュージアムはかなり見応えがありました。特に9・11でなくなられたジャーナリストの遺品が印象的でした。その方は亡くなる直前まで被害の様子を撮影していたそうです。亡くなってしまった今も、この方の思いは確実に私たちの心に響いています。


◇◇◇高校生◇◇◇
★堀 由依(長野日大高校1年・長野市)
 ニュージアムにて、予想外の取材ができました。9・11の特設コーナーがあり、そこから話を広げてみました。中には「つらくて何も言えない」とおっしゃっていた方もいました。あらためてこの事件の残忍さを痛感し、私自身も切ない思いをしました。私のメーンは明日です。できる限り多くのアメリカ人の思いを受け止め、吸収したいです。

★中村 真美子(長野高校2年・長野市)
 バスでの長時間の移動中に、これまでの活動を振り返ることができました。取材する時に「ゆっくり話してほしい」と伝えるなどのこつを共有しました。明日から、これらのことを忘れずに、より多くの人に取材して、相手とのコミュニケーションを楽しみたいです。

★小林 晃大(上田高校2年・小諸市)
 今日は、最後にタイムズ・スクエアに行きました。一歩足を踏み入れるとそこは別世界。人であふれ、光り輝く街並みがありました。私は感動しました。同時に「ここまでやるのか」と、電力の無駄も感じました。

★永井 優(野沢北高校1年・佐久市)
 ニュージアムでは報道によって伝えられたベトナム戦争の様子を知ることができました。悲惨な写真が多くあり、あらためて戦争をしてはいけないと痛感しました。FBIのコーナーでは、初めて見るものがたくさんありました。

★田邉 博智(松本工業高校2年・松本市)
 ワシントンDC最終日でした。今日はほぼバスの中でしたが、竹内先生のお話を聞いて、気付かされたことがあります。私たちは取材で来ているのだから、もっと視野を広げ、周りを見るということです。明日からの後半戦は、これを意識して頑張りたいです。

★佐藤 澪(豊科高校2年・白馬村)
 今日行った場所で一番心に残ったのはニュージアムです。ベトナム戦争や9・11のショッキングな写真にはとても心が痛みました。そして、うれしいことに、今日初めて取材が成功しました。みんなより5歩ほど遅れての取材スタートになりますが、内容の濃い記事が書けるよう頑張ります。

★堀 尚裕(長野工業高専1年・南木曽町)
 ニュージアムには多くの資料がありました。その中でも、9・11の展示には涙が流れそうでした。それほど心を打つ報道でした。ニューヨークへの移動時間はコミュニケーションの練習ができて有意義でした。

★小林 愛実(諏訪清陵高校2年・茅野市)
 ニューヨークに入りました。ワシントンDCとは一転してとても騒がしい都市です。高いオフィスビルが並ぶ様子からは新しいアメリカの一面を学びました。特にタイムズ・スクエアでは人の様子、雰囲気を肌で感じることができました。

★中川 泰成(伊那北高校2年・伊那市)
 今日はニュージアムに行き、ニューヨークに移動しました。ニュージアムでは、過去の事件の記事に考えさせられました。その後見たニューヨークの夜景には感動し、まさに心を洗われました。明日に向けて気を引き締めたいです。

★細田 智香(伊那西高校2年・駒ヶ根市)
 ニューヨークまでの移動時間でいろいろなお話がありました。「1人の意見だけで記事を書こうとしない」「移動時間でさえ、取材の一部」。どんな場面でも貪欲な姿勢で知ろうとすれば、新しい発見があり、自分が知りたかったこと以上のことを知ることができるはずです。あと3日、悔いが残らないように。

アメリカ取材、終盤に

 いま全世界が「テロ」に直面しています。今日は、2001年9月の米中枢同時テロで崩壊した世界貿易センタービルの跡地に近い「9・11トリビュートセンター」、跡地の地下にある「9・11記念博物館」を訪ねました。トリビュートセンターでは、消防士の夫を亡くしたアン・バンハインさんが話をしてくださり、また跡地の案内もしてくださいました。「人の立場も考えも肌も違っていていい。違う人を尊重することが大切だ。憎む相手を殺すため、自分の命を落とすことがあってはいけない」など、穏やかだけれど重いメッセージをたくさん受け取りました。
 トリビュートセンターには、広島で被爆し、鶴を折り続けた佐々木禎子さんの折り鶴が展示されています。禎子さんの家族が寄贈したものです。跡地周辺には新しい世界貿易センターが建設されるなど、恐らく風景は様変わりしています。その中で、崩壊したツインタワーがあった場所は、建物を建てずにメモリアル施設になっています。深く掘って、地上レベルから少しずつ水が流れ込んでる構造です。底が見えないこと、水が少しずつ流れることにも深い意味がありました。周りには、犠牲者の名前が刻まれています。今日が誕生日の人の名前には、白い花が添えられていました。
 昼食には、共同通信社のニューヨーク支局長が来てくださいました。昼食後はそのまま同支局を訪ね、支局長の話を聞きました。ここでも、学生記者は自分が取材しているテーマに関する質問を次々と支局長にぶつけていました。
 夕方は、ヤンキースタジアムでヤンキース対メッツの「地下鉄対決」を観戦。広大なスタジアム観客席は徐々に埋まっていきました。応援は日本のような鳴り物を使いません。メッツが得点を重ねるごとに場内の歓声が大きくなり、熱気に包まれました。学生記者は、ショップで買った帽子を早速かぶったり、ホットドッグやピザを食べたりしながら観戦しました。


△朝、バッテリーパークにて。右後方に小さく見えるのが自由の女神です

△消防士の夫を亡くしたアン・バンハインさんが、ツインタワー跡地にできたメモリアル施設を案内してくれました

△感極まって泣いていると、バンハインさんがハグしてくれました

△各自のテーマごとの取材も進めています

△試合開始直後のヤンキースタジアム。取材の緊張感から解放され、いい笑顔だ!

感想を紹介します。


◇◇◇中学生◇◇◇
★花立 ひなた(文化学園長野中学3年・長野市)
 米国で銃はどのような存在なのかを取材している。ワシントンにあるNEWSEUMを訪れていたパトリシアさんは「銃を持っている人にとって、自分を、生活を守ることだ」と答えた。米国の人々から銃をなくすことは現実的ではなさそうだ。残り1日で、少しでも多くの米国人の意見を聞きたい。

★松島 圭佑(中野平中学2年・中野市)
 紙とインターネットの新聞について取材している。インタビューの結果、ほとんどの人が新聞を読んでおり、紙ではなくインターネットで読んでいる人が多い。共同通信社のニューヨーク支局長には、紙とインターネットそれぞれの利点などを聞いた。どちらの新聞を選ぶかについて、今の自分は「自分に合った新聞を選ぶことが大切」と考えている。

★小川 真(第四中学3年・上田市)
 米大統領選について、アメリカ人の考えを聞いている。「私の友人に『トランプには反対だけれど、共和党員だからトランプに投票する』という人がいる。それは間違っている」という意見に共感した。組織を理由にせず、自分、アメリカ、世界にとってどの大統領がいいのか、自分を持って投票することに民主主義の意義があるのではないか。

★萩原 日和(御代田中学3年・御代田町)
 9・11記念館に行った。その日の8時からの写真だった。笑顔あふれる写真ばかりで、今からたくさんの人の未来を変えてしまうように思えなかった。いつ何が起こるか分からない。〝普通〟が幸せだと気付かされた。

★矢口 駿太郎(松本秀峰中学2年・松本市)
 ヤンキースタジアムなどで、若い世代を中心に男女8人に、オリンピックについてインタビューした。日本のオリンピック選手を知っている人は全くいなかった。野球場で聞いたのに、オリンピックで注目している競技はサッカーや陸上が多かった。ほかにもテニス、卓球を挙げる人もいた。

★小林 思音(豊科北中学3年・安曇野市)
 「新しく決まる大統領に望むことは何か」を米国人に聞いている。みんな自分の意見をすぐに答えてくれる。テロ対策、生活をよりよくすること、貧富の差をなくすこと…。自分の国のことを真面目に考えて答えてくれた。そして、若年層、高齢層といった年代で割れることはなく、全員違う課題を挙げていたのが印象的でした。

★山本 優菜(仁科台中学2年・大町市)
 日本のことを知っているかを質問している。これまでに18人に聞いた。日本について知らない人がいるとは思っていたが、予想以上に知らない人が多い。メディアなどで紹介されている日本ブームとは異なる、十人十色の考え方を感じることができた。

★實吉 恵(諏訪南中学2年・諏訪市)
 動物と人間の共生について調べている。質問したほとんどの人が「野生のハリネズミを見たことがある」と答える。ワシントンDCでは、連邦議事堂前の木々、ホワイトハウス前の公園にもリスがたくさんいた。私が見た米国は日本と比べて緑が豊かで、道路脇にも森が広がっていた。日本は人が暮らす周辺に木々が少なく、動物と関わる機会が少ないと考えている。

★原 総吾(飯田西中学3年・飯田市)
 女性の地位向上についてインタビューしている。アメリカでは、性別に関係なく、チャンスが与えられていると思う。パイロットなどの職にも女性が増えていると聞いた。日本でも、性別に関係なく平等にチャンスが与えられるといい、と思う。

★金子 詩奈(阿智中学2年・阿智村)
 私は、「先入観」にかなり翻弄(ほんろう)された。米国人はよく食べるイメージがある。だから、食について関心が高いと思っていた。しかし、「食事で大切にしていること」を「味」「フレーバー(風味)」などという人が目立ち、「栄養バランス」や「安全」という答えが今のところほとんどない。取材を通して、食にはあまり執着がないという印象を受けた。先入観を一つ一つほどいていくのが、アメリカについて理解していくことだと思う。


◇◇◇高校生◇◇◇
★堀 由依(長野日大高校1年・長野市)
 9・11について遺族の方からお話をお聞きした。彼女は消防士の夫を亡くした後、家族や友人の支え、世界中から寄せられたメッセージに元気づけられ、乗り越えることができたと言っていた。9・11記念博物館には、焼けた靴や眼鏡、灰をかぶった衣類などとともに、多数のメッセージが展示されていた。私たちは、遠い被災地に出向くことはできなくても、必ず被災者のために何かできることはあると感じた。

★中村 真美子(長野高校2年・長野市)
 アメリカ人は国連に関心があるのか。国連常任理事国が持つ権利について取材していると、ほとんどの人が「よく分からない」と答える。予想外だった。共同通信社ニューヨーク支局長は「国連のニュースはめったに流れない。国民は関心がないと感じる」と話した。世界の中心地とも言えるアメリカでも、やはり自国の政治より関心のあるものはないのだろうか。

★小林 晃大(上田高校2年・小諸市)
 「命」。「テロで失う最も大きなものは何か」という問い掛けに、9・11で消防士の夫を失ったアンさんはこう答えた。教科書では数行で扱われる戦争やテロ。犠牲者ひとりひとりにスポットを当ててみると、命の重みが分かってくる。アンさんが言うように、たとえ嫌いな人がいても、その全てを認めることができたら、平和な世の中になるのかもしれない。

★永井 優(野沢北高校1年・佐久市)
 「アメリカでは経済格差によって、病気になった時に受けられる治療にも格差が出る」。80代のジャーナリストのアメリカ人男性がこう言っていた。医療は人の命に関わることなので、貧富の差があっても平等に治療を受けられる方法を考えていくべきだ。

★田邉 博智(松本工業高校2年・松本市)
 私は、取材で出会った人に、折り鶴を一つ贈っている。日本では願いを込める、と説明し、取材相手が鶴に何を願うか聞く。世界平和、学費が下がること、家族の病気が治るように…。アメリカの今が見える願い、どの国の人にも通じる願いがある。そこから得た自分の考えを書きたい。

★佐藤 澪(豊科高校2年・白馬村)
 英語を母語としない人を中心にインタビューした。英語の学習法を聞く目的だったが、語学力の高さに驚いた。母語と英語の2カ国語は当たり前、多い人では5カ国語も話せる。英語を話せるようになるには、多くの人が「その国に浸る」「実際に旅をする」と教えてくれた。「島国だから、使う機会がないから、ほかの国の人より英語は不得意」という言い訳は通用しない。「テストに出る英語」は「話す英語」にはあまり役立たないと痛感した。日本語英語教育、日本人の心の持ち方は、変わるべきではないだろうか。

★堀 尚裕(長野工業高専1年・南木曽町)
 これまでの取材で、LGBTに対する考え方には二通りあった。一つは「彼らとの違いは大きいけれど、彼らの生活様式を尊重すべきだ」という考え。もう一つは「彼らも私たちも、ただ大好きな人を愛しているだけで、違いはない」という考えだ。もし反対する人がいれば、その意見を聞きたい。

★小林 愛実(諏訪清陵高校2年・茅野市)
 9・11トリビュートセンターへ行った。事故で旦那さんを亡くしたアンさんにお世話になった。当時の様子、今の気持ちや生活などについて聞いた。淡々とした口調とは裏腹に、動きは少しそらし、指輪に手をやる行動に心を動かされた。アンさんが繰り返し言った「敵のために自分の命を犠牲にしてはいけない」という言葉も、よく考えなければいけないと思った。

★中川 泰成(伊那北高校2年・伊那市)
 カウンセリングに対する考え方を聞いている。ささいな理由でもカウンセリングを受ける人が目立つ。取材した7人中6人がカウンセリングを受けた経験があった。ポジティブなイメージを持ち、また受診は一般的なことであると考えている。

★細田 智香(伊那西高校2年・駒ヶ根市)
 アメリカで過ごした4日間、車いすに乗っている人を多く見かけた。ワシントンで日本で働いていたアメリカ人にインタビューした。彼は「日本に比べてバリアフリーは進んでいる。加えて、アメリカでは障害を持つ人をみんなが受け入れているため、彼らも障害を重荷に感じずに生活できる」と話した。バリアフリーという環境の良さも、障害がある人に対するアメリカ人の理解がるからだと思う。

感謝!

 本日、取材日程を全て終えました。
 国連本部ではガイドツアーに参加し、安全保障理事会、総会などの議場を回りました。通路にある展示で難民や世界の軍事費といった世界が直面する課題やPKOなど国連の活動について説明を受けました。
 午後は、世界最大級の美術館であるメトロポリタン美術館へ。フェルメールとゴッホの作品をグループで見た後、各自で鑑賞しました。じっくり見るには数日かかるという規模で、広い部屋がいくつも続き、迷いそう(いや、迷いました)。楽しみにしていた人も多い場所。中高生記者たちは、あっという間に散っていったのでした。
 夕食はフェアウェルパーティーがありました。食事はマッシュポテトにスペアリブ、フライドチキンなど。食べながら、1人1人が「1~3分」のロングスピーチでこの派遣期間を振り返りました。「アメリカの人は、自分の意見を持っている」「最後は自分1人の力でインタビューができた」などの声が上がっていました。
 派遣日程は、帰宅まで続きます。6日、アメリカを出発します。


△国連本部までバスで移動中。これが、トランプ・タワー(の下部)です

△国連本部に着きました。そろそろ、決めポーズのネタも尽きそう?

△中学生チームat安全保障理事会の議場

△世界各国の軍事費、ODA予算、国連予算…。丸の大きさで、額の違いが分かります

△メトロポリタン美術館に展示されているゴッホの自画像です

△フェアウェルパーティーで、1人ずつスピーチをしました

感想を紹介します。


◇◇◇中学生◇◇◇
★花立 ひなた(文化学園長野中学3年・長野市)
 ついにアメリカで過ごす最後の夜となってしまいました。ただの旅行客ではなく記者としてアメリカを訪れたことは一生忘れられない思い出であり、自分自身を大きく成長させてくれました。今まで支えてきてくれた家族、先生方、添乗員の皆さん、そして今回、苦楽を共にした同志に感謝をし、この取材旅行を終わりとしたいです。

★松島 圭佑(中野平中学2年・中野市)
 今回の米国派遣では本当に多くの方々と交流できました。学生記者の楽しい仲間たちや随行者、添乗員の方々にガイドさん、取材に応じてくれた米国の人々。交流し、支えていただくことで充実した1週間が過ごせました。

★小川 真(第四中学3年・上田市)
 今日、私はメトロポリタン美術館で取材ノートをなくしてしまい、係員の方と自力で会話をするという経験をしました。時間はかかりましたが、何とか状況を伝えることができ、自信になりました。取材ノートも見つかったので、良かったです。

★萩原 日和(御代田中学3年・御代田町)
 今日で最後の取材でした。私が英語で取材できたのは、事前に考えた文だけだったので、もっと事前に勉強してくれば良かったと後悔しました。この1週間でアクシデントがいくつもあり、大変でしたが、たくさんの仲間に支えられて、やることができました。みなさん、ありがとうございました。

★矢口 駿太郎(松本秀峰中学2年・松本市)
 国連本部に被爆した像がありました。核兵器のことを記事にしたかったので、熱心に聞きました。取材はできなかったけれど、ガイドの説明を記事にしたいと考えています。頭の中には、記事の構成ができているので、あとはやるだけです。

★小林 思音(豊科北中学3年・安曇野市)
 メトロポリタン美術館は、わたしをとてもうれしい気持ちにしてくれました。広くて、見たいところもたくさんありました。一部しか見られなかったけれど、古代の美しさ、文化の違いを感じました。アメリカは美しい石の建物が多く、彫刻は美術館だけでなく街の建物にもたくさん施してありました。美しい街だと思いました。

★山本 優菜(仁科台中学2年・大町市)
 国連本部という貴重な施設、MET(メトロポリタン美術館)という素晴らしい美術館を訪問することができました。どちらも世界中から集まっている、という点では同じであり、特にMETでは見たこともないような美術品の鑑賞ができました。充実した最終日となりました。

★實吉 恵(諏訪南中学2年・諏訪市)
 国連で心に響く言葉を聞きました。「武器はたくさんあっても、平和はたくさんない」。この言葉を聞き、私は、みんなが平等に和の心を持った時に「平和」が成り立つのではないか、ととても思いました。

★原 総吾(飯田西中学3年・飯田市)
 国連本部に行き、国連職員のお話を聞きました。その中で、国連が果たしている役割を確認できてよかったです。世界の平和を目指している国連をもっと知りたいと思いました。

★金子 詩奈(阿智中学2年・阿智村)
 メトロポリタン美術館では、世界の芸術の美しさに圧倒されました。ヨーロッパ絵画の部屋に女性の肖像画があります。私はその絵を見た時、3Dだと思ってしまいました。そのぐらい、光の描き方が繊細で美しい絵でした。


◇◇◇高校生◇◇◇
★堀 由依(長野日大高校1年・長野市)
 あっという間に全ての見学地が終わってしまいました。私は、今日は取材をしませんでしたが、外国人とはたくさん話しました。5日間過ごした中で、一番英語での会話を楽しいと思えた日でした。道案内をしてくれた美術館の方、ギフトショップにてコインがどれか教えてくれた方、冗談を交えながら説明してくださったガイドさん等、多くの人のおかげで今まで以上に英語が好きになりました。そして、日本に帰って、私の体験を早くみんなに伝えたいと強く思いました。

★中村 真美子(長野高校2年・長野市)
 今日は今までで一番多くの人に英語で取材ができました。国連で取材したドイツ人の女性は常任理事国の権力について、「長期的に問題を解決していくためには、常任理事国を固定しておくべきだ」と話しました。私にはない視点でしたが、確かにその考えも一理あると思いました。

★小林 晃大(上田高校2年・小諸市)
 メトロポリタン美術館では、その国その国での文化の違いを感じました。日本の趣ある宝に比べ、黄金であったり、サイズの大きいものもあります。それぞれの特徴を否定することは、本当にナンセンスなことだと思いました。

★永井 優(野沢北高校1年・佐久市)
 国際連合本部で女性のツアーガイドさんは「アメリカのようにどんなに大きな国でも、国連の中では周りと同じ一つの国だ」とおっしゃっていました。これは、国連が発足したことによってもたらされたとても意味のあることだと思います。また、事務総長の模擬投票を生でみることができたので、とてもいい経験になりました。

★田邉 博智(松本工業高校2年・松本市)
 あっという間の5日間でした。新しい仲間と出会い、ともに同じ課題に取り組んだ5日間。この短い期間の中で、言葉では言い表せないほどの経験をさせていただきました。うれしがったり悔しがったり、今回の派遣で学んだ全ての感情や知識、経験をフル稼働させて、発達させながら将来へ必ず生かします。5日間、本当にありがとうございました。

★佐藤 澪(豊科高校2年・白馬村)
 今日で取材のあるスケジュールが全て終わってしまいました。今日は1人でもひるむことなく、たくさんの方に話を伺うことができました。初日よりも心が強くなったと感じます。明日からはもう帰るのみ。最後まで気を緩めず、気を付けて日本へ向かいます。

★堀 尚裕(長野工業高専1年・南木曽町)
 今日の取材はこれまでの集大成となりました。メトロポリタン美術館では幅広い年代の多くの人に尋ねることができました。その後会ったゲイの方とも良いコミュニケーションが取れたことから、最高の取材ができたと思います。

★小林 愛実(諏訪清陵高校2年・茅野市)
 日本で課題になっている若者の政治参加について、未成年の活動の規制と積極性をアメリカと比較しました。聞いた限りでは、アメリカでは規制が特になく、積極的に行うのもごく当たり前らしいです。私は、そこに自由を獲得するというアメリカの国民性を感じました。しかし、国民性だから日本が積極的でいいわけではないと思いました。

★中川 泰成(伊那北高校2年・伊那市)
 今日は国連本部とメトロポリタン美術館へ行きました。美術館ではまさに教科書に載っているようなものや丸ごとの寺院などに心から興奮しました。アメリカの広さを感じる一日でした。取材の振り返りを始めたいと思います。

★細田 智香(伊那西高校2年・駒ヶ根市)
 今回の派遣で、みんなそれぞれで感じたこと、成長したことがあります。私も、現地の人から、仲間から、たくさんの刺激を受けました。約1週間ずっと一緒にいて支えてくれた仲間、信毎の方、先生方、添乗員さん、みんなにとても感謝しています。その派遣で経験したことを、日本に帰ってどう生かしていくか。これが一番大切なことだと強く思います。

6日の出国 〜さよならアメリカ いつの日かまた〜

 アメリカでの取材は、現地コーディネーターの千晶さんがいつも前へ前へと引っ張ってくれました。初回の学生記者派遣から、毎年お世話になっている方です。1人1人のテーマにぴったりな取材相手を探し当てる名人。その千晶さんとホテルでお別れしました。ニューヨーク市内を眺めながらJFK空港へ。出国時のセキュリティー検査は、靴まで脱ぎました。機内に乗り込むまで1時間超の余裕があり、アメリカ最後の買い物をゆっくり楽しみました。
 さあ、半日後には、成田です。


△千晶さん(中央)を囲んで

△バスでJFK空港へ(動画では、きれいな景色が撮れています)

△出国したよ!

7日の到着 〜また会いましょう〜

 午後4時前、成田空港に到着しました。空港で解団式をし、成田エクスプレスに乗りました。そして、長野方面グループは東京で下車し、新宿駅まで行く松本方面グループを見送りました。ホームに立つ男子1人が号泣。あぁ、旅が終わるんだなぁ、としみじみ思う場面でした。
 千晶さんがお別れの時に言っていたました。「この取材の旅に送り出してくださったご家族に、ありがとうと言おう」と。本当にその通りです。ずっと記憶に残るであろう人、言葉、場面に出会うことができました。ありがとうございました。


△機内で理系男子2人がなにやら勉強の話

△成田空港にて。最後の集合写真になりました

△泣く男(悩んだ末、出しました。ごめんね)