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updated 2020-04-03
信濃毎日新聞社は25日、若い世代が火山について学ぶ「しんまい火山の学校」の第1回を、第13回信毎こどもスクール(一般社団法人長野県新聞販売従業員共済厚生会共催)として、浅間山麓にある北佐久郡御代田町のエコールみよたで開いた。県内の小学生約60人が、火山学者の講演や二つの体験教室を通じて、噴火の仕組みや火山の恵みを学んだ。
昨年9月の御嶽山噴火を受けた本紙キャンペーン「火山と生きる」の一環で開催。講演した荒牧重雄・東京大名誉教授は、黒煙が上がり、噴石が飛び出す桜島(鹿児島県)の噴火の映像を紹介し「浅間山の爆発的な噴火もほとんど同じ。30年ほど前まで頻繁にあった」と解説した。
秋田大の林信太郎教授による体験教室では、噴石や火山灰に見立てた麩(ふ)を空気圧で飛ばし、噴火のメカニズムを紹介。水を張った水槽内の火山の模型から入浴剤の溶液を噴き出す実験では、上昇せずに模型の斜面を下る入浴剤もあり、林教授は「下に流れるのは火砕流で、中の温度は数百度。警報が出たらすぐに逃げよう」と話した。
もう一つの体験教室では、同町浅間縄文ミュージアムの堤隆主任学芸員が、敷地内などで採取した安山岩を、児童らが砕いて標本を製作。堤さんは「1108(天仁元)年の浅間山噴火の火砕流で運ばれた石です。こんなものが流れてくるのはとても危険だけれど、この石は石垣にも使われている」と紹介した。参加したこども記者の音琴光里さん(10)=松本市明善小学校4年=は「噴火の力はすごい」と驚いていた。
この日は軽井沢高校(北佐久郡軽井沢町)と佐久平総合技術高校(佐久市)の生徒計11人もボランティアで体験教室の指導などを手伝った。
しんまい火山の学校は、県内を会場に継続的に開く。