一般社団法人 長野県新聞販売従業員共済厚生会

取材報告

吉沢 華蓮 (岩村田高校2年・小諸市)


 「憧れの人はいても、その人になろうと服装をまねしたりしない。近づこうと自分を磨きはするわ、少なくとも私は」。意気揚々と語る少女に私は感動を覚えた。
 米国のファッション意識について、交流したガールスカウトら20人のティーンエージャーに取材した。彼女らは自分を相手にアピールするのが得意 なようだ。20人のうち15人から「流行は知らない」「周りのファッションには興味がない」という返答をもらった。「自分を知って!」という気持ちを強く感じた。
 そして全員が口にしていたキーワードが「着心地」「スポーティ」だった。
 大リーグのニューヨーク・メッツの試合を見た球場で、エルサさん(19)は「着心地プラス肌の質に合うもの」が服選びの基準と言った。見た目より快適に過ごせる衣類を作る会社が多いという。
 そして「スポーティ」。ニューヨークやワシントンでは、ジョギングやウオーキングをする人が多かった。ガールスカウトのエイミーさん(15)もよくスポーツをするといい、「カラーショートパンツとショート丈のジャージーが好き」だそう。理由では「すぐ走り出せる」(14歳のベイリーさん)というのがあった。
 肥満大国とも言われるアメリカ。その中に入ってみると、少女たちは「自分磨き」のために服を選んでいるようだ。


 「高い一点物はまだ必要ない、シンプルで安い方が自分が際立つ」そう語るキャロライン(15)は、親とのショッピングが楽しみの一つだそうだ。年齢層をティーン(13~19)に絞ったアメリカ滞在中の取材では、「コストパフォーマンス」(コスパ)に注目してみた。
 もともと、プラダという高級ブランド店に興味を持ち、ニューヨークにも関心を持った私だが、「あなたの好きなブランドはなんですか?」という質問に対して、「プラダ」という答えはもらえなかった。もちろん、高額で手が出せないという事もあるだろうが、他にも理由があると踏んで踏み込んだ質問もしてみた。
 ケイト(15)は「高いものを買うより、自分の趣味にあったものを何点も買った方が得」。サラ(18)は「安い方が体に合う、それに大学に行きたいからそこまでお金をかけられない」。キャロライン(15)のように家族とのショッピングを楽しむためブランドは買わないという人…。たくさんの意見をもらった。
 その中でも特に印象的だったのが、テイラー(18)さんの「高い服を着たからといって何も威張れない、フォーエバー21(ニューヨーク発祥の低コストブランド)があるし、何も困らない」というものだ。
 ブランド品は〝まとう武装〟だと思っていたが、現地の人々はそうは感じていないようだ。たくさんの服の中で、限られた予算の中でどれだけ自分をアピールできるか、ニューヨーク、ワシントンD.Cのティーンたちはブランド品よりも自分を際立たせることができる服に魅力を感じるようだ。とても興味深く、ますますファッションに引き込まれそうだ。