一般社団法人 長野県新聞販売従業員共済厚生会

取材報告

山村 未悠 (長峰中3年・茅野市)


 アメリカで私が一番取材したかったのは花店だった。ニューヨーク2日目にメトロポリタン美術館近くの「ウィンザー花店」を取材できた。オーナーのサムさんは気さくな人で、働いている人みんなが楽しそうに花束を作っていた。原色の花が多く、アメリカではバラが一番人気だそうだ。
 実際、ホテルなどにいた人に「何の花が一番好きですか?」と聞いたところ、ほとんどの人が「ローズ」と答えた。
 サムさんは「店で花を置く場所を毎日変える。花束を作る時は、客の意見をしっかり聞きながらも自分の好みでデザインする」と話した。「あなたにとって花とは何か」と聞いた。答えは「美しいもの。みんなが素晴らしいと思うもの」と答えてくれた。花への思いは日本とそんなに変わらないと感じた。花屋で働いている人はみんな花が好きで、花に囲まれている人は幸せそうだった。
 ほかの市民には「どんな時に花を贈るか」と質問した。誕生日やお見舞い、感謝の気持ちを伝える時などが挙がった。ビルさんは「季節の変わり目にガールフレンドに贈る」と言った。季節の変わり目なんて日本ではあまり考えられない。少し日本と違うと思った。
 ワシントンのスーパーマーケットの花のコーナーには、日本よりもたくさんの種類の花があった。すでに花束になっている物も置いてあった。日本のスーパーにはこんなにたくさんの花は置いていないので、そこも違うなと思った。私は、もっと日本人もアメリカの人のように花を贈ることが多くなればいいと思う。花をもらってうれしいと思う人は多いと思うし、もっと普段の生活の中に花を取り入れていってほしい。


 アメリカに行き、興味を持ったことは同性婚についてだ。私のイメージは、アメリカでは同性婚をみんな認めていると思っていた。日本は同性婚は法律的には認めていない。だが、東京ディズニーランド内のホテルが同性結婚を受け付けると発表し、すでに同性同士の結婚式が行われている。
 アメリカで同性婚を許可している地域は、ワシントンD.Cと19州あり、禁止している地域は6州ある。私が取材した中で、同性婚について反対の意見を言っていたのは、10人中1人だけだった。バージニア州の女性で、「同性婚についてどう思っていますか?」と質問すると、「反対。その考え方は神の教えに背く。神の教えに背いていると神は私たちに何か罰を与えてくるだろう。私は同性婚は好きじゃない」と答えてくれた。
 ほかにも賛成といった意見の中にも、「問題はないと思うが、教会での結婚はやめてほしい。そこまでして結婚する必要はないと思う」といった意見もあった。反対する人や、あまり良く思っていない人は宗教の問題も関わっているということが分かった。
 賛成した人の意見の多くは、「自分は違うが、別にいいと思う。お互いが愛し合っているのならばいいと」といった意見がほとんどだった。私は最初、アメリカは自由の国だから同性婚についてももっとみんな受け入れていると思っていた。でも、取材してみて、「自分には関係ない」「法律的に決まってるのならそれでいいんじゃないか」といった意見もあり、アメリカでも反対している人やあまりよく思っていない人もいるんだなと思った。
 取材した中にロンドンから来た女性がいた。イギリスでは同性婚は認められているそうだ。でもその女性は「私はいいと思っているけれど、その考えに反対している人はたくさんいる」と言っていた。
 私は同性婚について賛成している。絶対に、男の人と女の人が結婚しなければならないなんて決まりはないし、お互いがひかれあって愛し合っているのならいいと思う。それに、10人中9人が同性婚について賛成していると言っていたので、もっとそういう考えが世界中に広がって行けばいいと思う。でも、もし自分がキリスト教の信者だったら、と考えると「神の教えに背いてはいけない」となってしまうのだろうか。