一般社団法人 長野県新聞販売従業員共済厚生会

取材報告

宮入 栞 (長野日大中3年・長野市)


 共同通信ニューヨーク支局のスコット・ディクソンさん(29)にアメリカの環境破壊、環境対策を取材した。世界の中心的存在のアメリカに、節約しているイメージが無かったからだ。「ニューヨークは大都会だから大気汚染などがあり、人々はなるべく自動車を使わず、公共交通機関を使う」とスコットさん。日本と似た対策だと分かった。
 しかし、スコットさんは「これはニューヨークだからであって、ニューヨーク以外のほとんどの地域にそのような対策はない。田舎で環境破壊自体を感じないからだ」と話した。環境問題は地球に住む全員で考えていくべきことだ。だが、実際に環境破壊を感じていなければ、対策しようという気になりにくいことは納得できた。
 ワシントンでは、アメリカン大の日本人学生、石橋未妃さん(22)に取材した。石橋さんは「大学内で環境対策は行われている。しかし、それに理解がある人は半数ほど、理解が無い人々は環境破壊を信じていない」。世界で進む今の環境破壊の実情を知らない人の多さに驚いた。
 環境破壊は今この時も進行している。だからこそ、そのような人への働き掛けが大切になってくるのではないか。


 ニューヨークを訪れた最初の日、国連本部を訪問した。国連の敷地はどこの国にも属さない国際的な領域で、郵便や警備も特別な体制になっている。建物の中には、加盟国からのたくさんの贈り物があらゆる場所にあった。また、会議場が多く、安全保障や経済発展、人権などについて、連日議論が交わされている。
 国連本部ではどんな人が働いているのだろうか。私たちを案内してくれた韓国出身で国連スタッフのセジュンさんは「各国の代表としての国連外交官のほか、国連の活動にはさまざまな分野の人が必要で、各分野のプロが働いている」と話した。
 どうやったら、国連の職員になれるのか。いろいろな方法があるが、セジュンさんは「基本的に年に1度ある国連職員採用試験YPPに受かれば国連で働ける」と教えてくれた。しかし、日本人の国連職員は少なく、国際専門職は150人ほど。これは国際専門職全体の数パーセントにすぎないそうだ。
 セジュンさんは「日本は国連資金の11%を負担している。その割合にしては、国連で働く日本人の数は少ない。もっと多くの日本人が働いてもよいと思う」と言う。確かに私が訪れたときも、たくさんの職員が廊下を通る中、日本人は見かけなかった。
 このままでは、日本は資金を提供しているだけになってしまう。もっと多くの日本人が国連で働き、発言することで日本の意見も取り入れていってほしい。世界をまとめ、世界の未来を決める国連。英語をはじめとする語学の壁は高いが、私も国連職員という仕事に興味を持った。国連への興味と関心を同世代の人たちに持ってもらえればいいと思った。