一般社団法人 長野県新聞販売従業員共済厚生会

取材報告

工藤 茉紗美 (長野日大 中3年・長野市)


 私はアメリカ人に憧れている。勝手な思い込みかもしれないが、アメリカ人の、特に女性は長いブロンドヘアでまつげが長く、すらっとしている。積極性があり、陽気で素直というイメージだ。私にはない容姿や性格をうらやましいと思う。
 では、アメリカ人は日本人にどんな印象を持っているのだろうか。実は、日本の文化や伝統に限らず、日本人の容姿に憧れるアメリカ人もいるようだ。
 私が取材した中では「日本人の黒髪はうらやましい。とても清楚(せいそ)な感じがする」「日本人は凛(りん)としていて控えめなイメージがある」との声があった。なろうと思ってもなれない。お互いそんな存在なのかもしれない。
 その一方、ガールスカウトのメーガンさん(15)は「今の日本人はアメリカ人のようだ」と話した。「日本の女性は髪や目の色まで変え、私たちに近い顔をしている」と。多分、テレビなどで見る、ギャルと呼ばれる子たちのことを言っているのだろう。確かに、ここまで髪を染め、カラーコンタクトやつけまつげで自分でないほどにまで変化する女性は、アメリカではほとんど見かけなかった。
 自分の持っていないものに憧れ、それに少しでも近づこうとする。日本人の一部はそう変わりつつあるが、アメリカ人もそんなふうに変化していくのだろうか。そして、グローバル化が進む中、国ごとによる人の見た目の違いもなくなっていくのだろうか。とても興味深い。


 「9・11」と聞いて、恐ろしいと感じますか。2001年9月11日、イスラム過激派にハイジャックされた飛行機がニューヨークの世界貿易センタービルに激突させた。このぐらいの知識であろう。
 ビルの中から救助された人もいたが、2500人超が死亡。事故で駆けつけた警察官や消防隊員もビル崩壊という二次災害でで大勢亡くなった。日本人の死者もいた。警察犬も死んだし、妊婦と一緒におなかの赤ちゃんも生まれる前に亡くなってしまった切ない出来事もあった。
 私たちが取材したトリビュートWTCビジターセンターでは、壁一面に亡くなった一人一人の写真が展示されていた。遺族らでつくる家族会会長のリー・イエルピさんは「犠牲者を何人と数で表すのではなく、この写真の多さで見方を変えて感じてほしい」と語った。
 現場跡地にできた「9・11記念博物館」は、飛行機が激突し曲がったビルの鉄骨、けがをした男性の写真、煙や粉砕物が広がる動画、警察無線の声などで、当時が再現されている。
 9.11。この出来事はまるで戦争だ。戦争が日本で二度と起きてはならないのと同時に、このような出来事も二度と起きてはならない。世界平和を求め、過去を大切に受け止め、しっかり未来に伝えていく必要がある。それが世界平和への近道だろう。