一般社団法人 長野県新聞販売従業員共済厚生会

取材報告

井出 七夕 (蓼科高校2年・東御市)


 驚きを隠せなかったのがリンカーン像。ワシントンのリンカーン記念館の像は、ワシントン記念塔をまっすぐ見つめていた。南北戦争前のピリピリ感と戦後の安心感の両方が伝わる大きな像だった。そして有名な〝government of the people,by the people,for the people〟(人民の、人民による、人民のための政治)という演説文が刻まれているのを見て鳥肌が立った。
 像を見ていると、なぜこれほど大きいのかと不思議に思い、人気度や影響力などが関連しているのかなと思った。そこで、ワシントン滞在中に好きな歴代の大統領を米国人に調査した。
 ワシントン、ブッシュ、ケネディらも挙がったが、最も人気だったのはリンカーンだった。なぜこんなにリンカーンは人気なのか。共同通信ワシントン支局長の木下英臣さんに取材したところ、「リンカーンは米国の政治家には父のような存在。困った時、悩んだ時、リンカーン記念館を訪れる人が多い」と話した。
 調査した中で、「リンカーンは貧しく、失敗もしたが努力して、南北戦争後にアメリカを一つの国にまとめたから」と評価する声が多かった。リンカーンは今現在の人々にも影響を与えているんだなと思った。
 私自身も、今まで感じたことのないほど像に圧倒された。リンカーンの存在の大きさを知り、諦めかけていた目標にチャレンジしよう、そして、大きな壁に突き当たっても乗り越えよう…。リンカーンは私にそう思わせてくれた。


 私は、中学3年の文化祭で環境問題について英語でスピーチしたことをきっかけに環境問題について興味を持つようになりました。環境問題について最初に告発したレイチェル・カーソン氏の生まれたアメリカで、環境問題についてどう思っているのか、取り組んでいることについて取材しました。
 アメリカで一番驚いたことは、州によってごみの分別意識が違うことです。ニューヨークよりもワシントンの方がポイ捨てが少なくリサイクルできるものを一つにまとめたりするなどの工夫があることが分かりました。
 アメリカの環境問題については、オバマ大統領が温暖化について深刻に考え始めているが、米国民は温暖化を信じていない人が多く、石炭や石油を採掘している労働者の多くは温暖化防止運動に批判の声が挙がっている現状である。このような現状に対して、マンスフィールド財団の役員は「温暖化防止運動での賛否はさまざまで、温暖化防止運動を推進するには日本がアメリカと温暖化について議論することが大切だ」と語った。その時、率直にもっと英語が話せたら、アメリカの人と温暖化について会話ができるのになと思いました。
 アメリカの環境への取り組みについて、ワシントンに近いアーリントンで50代女性のジャネットさんに取材したところ「ハイブリッド車の利用者が増え、ハイブリッド車を補充するパーキングエリアも増えてきている」と話した。他にも、LED電球を使用したり、落葉を肥料にするなどの取り組みも知ることができました。ホテル内でも、タオルの再利用を通して、タオルを洗う時に使う水の量を減らすなどの配慮を知りました。
 今回の取材を通して、日本にはないアメリカ独自の環境問題対策を知ることができました。いろいろな環境問題対策を世界中に広めて、共有していくことが大事なんだと感じました。今度、海外へ行く時はもう少し英語を勉強して、自ら温暖化防止運動を推進できるようにしたいなと思いました。