一般社団法人 長野県新聞販売従業員共済厚生会

取材報告

浅輪 優樹 (松本深志高2年・松本市)


 私たちが訪れたニューヨークやワシントンのホテルや施設は、冷房が効き過ぎていた。原発事故による電力事情や地球温暖化対策などのため、国全体で節電に取り組む日本と比べ、無駄があると思った。
 米国では、地球温暖化はどう考えられているのか。アメリカにおけるアジアへの理解を深める事を目的に活動し、日米事情について詳しいマンスフィールド財団で話を聞いた。
 アメリカ人の多くは、遠い未来より経済や健康といった身近なことに関心を持つ傾向があるため、地球温暖化が危機的な課題として捉えられていない―と言われた。そんな中、オバマ大統領は環境政策を推進しようとしているが、反対する人が多いそうだ。反対派として挙げられるのは、そもそも気候 変動を信じない人々、石油・石炭に関係した仕事に就いている人々という。
 地球温暖化という世界規模の課題でも、国民の考え方やエネルギー資源への関わりの違いで取り組みに温度差がある。マンスフィールド財団役員のジョシュア・アーチャーさんの話が印象深かった。「地球温暖化対策を重視する日本などが、アメリカを交渉の舞台に乗せ、真剣に議論していくことが大切だ」


 日本では、古くから魚介類をたくさん食べてきたが、最近は若年層を中心に魚離れが起きているという。一方、健康志向が高まる海外では、魚料理を含む日本食が注目されている。魚にとても興味がある私は、ワシントンで魚食事情を調べてみた。
 ワシントンで、和食とアジア料理を出しているすし店「TONO SUSHI」で取材した。日本人板前のシマモトコウセイさんに、店で人気のすしを尋ねたところ「サーモンが人気。日本では握りずしが一般的だが、アメリカ人は巻き物が好きだ」と答えてくれた。店のメニューを見せてもらうと、ほとんどがロール状のすしだった。
 巻き物というと日本ではノリで巻かれているものを想像するが、アメリカではノリが外から見えない巻き方で、ご飯やネタ、アボカドといったものが外側になっている。外側の見た目に焦点が当てられているようだ。
 ガールスカウトの女子中高生たちにも好きな魚について聞く機会があった。サーモンが断然人気のようであったが、マグロやシイラといった声も上がった。
 地元の住民たちが利用するスーパーの鮮魚コーナーも見てみた。夜に行ったため売り場の魚は多くはなかったが、サーモンが多いというのが印象的だった。生の切り身以外にも冷凍、ジャーキー、スモークなどの加工品も並んでいた。アメリカ人にとって、サーモンがなじみ深いものだということをあらためて実感した。他にも、キハダ、タラ、オヒョウ(カレイの仲間)、カニ、ロブスターなどが売られていたが、日本ほど種類は多くなかった。
 アメリカの魚食文化の一端にふれることができたが、アメリカはとても広いので、ほかの地域の様子も知りたくなった。