一般社団法人 長野県新聞販売従業員共済厚生会

取材報告

土川 拓樹 (梓川中学校 中2・松本市)

トリビュートWTCビジターセンター

行方不明者の写真が並ぶトリビュートセンター.JPG行方不明者の写真が並ぶトリビュートセンター 米同時多発テロの犠牲者を追悼するトリビュートWTCビジターセンター。2階建ての狭い建物の中に、数々の遺品や写真などが展示されている。
突っ込んだ飛行機の窓枠や、折れ曲がった鉄のスプーン、歪んだ携帯電話などの日常品。すべてが生々しい。階段には日本からのおびただしい数の千羽鶴が飾られていて、決してアメリカだけの出来事ではないことを物語っている。
センター内には行方不明者の写真も公開されており、12年経った今もテロ事件が終わっていないことがわかる。当時の写真を見ていると吸い込まれるようで、不思議と自分が体験したかのような時間がとまったかのような変な感覚に陥る。
数々の展示品のなかでも父親が見つけたという息子のボロボロに裂けた消防士の服はとても目に焼きついている。自らを犠牲にし、救助に向かったときの彼の心境を考えるといたたまれなく胸が熱くなった。消防服.JPG消防服
このとき亡くなった消防士の父親、リー・イエルピさんは「また、あのような事件がいつ起きるかわからないし自分がいつ死ぬのかわからないから、明日という日を大切にする。多くの憎しみを何かポジテイブなものに変えていくことが大事」だと語った。
憎しみを許さない心があのような事件を巻き起こす。テロリストを憎むことや恨むことは簡単だが僕たちまで憎んだらテロリストと同じだ。憎むことで事件を繰り返す。
リー・ウエルピさんのお話のようにポジテイブな心で明日という日をすばらしいものにするために、自分のやりたいことに集中して毎日を過ごす。
そしていろいろな所に行ってもっと世界を見たいと思った。

国連の仕事

 高さ153.9メートル39階建て。90度に見上げてもすべてが視界に入らないほどの高層ビルの国連本部。加盟国の国旗がずらっと整列し、さすが世界の本部という風格を醸し出している。
国連平和維持活動について取材.jpg国連平和維持活動について取材そして、入り口では日本では考えられない厳重なセキュリテイチェックを通り、いざ安全保障理事会の会議室へ。ここが世界の平和と安全保障に関する決議を専門に扱っている場所なのだと感動しながら、僕の取材テーマである、国連で働く人々は本気で世界を平和にしようとしているのか?だとしたらどんな活動をしているのか?について国連本部で働く韓国人女性と共同通信ニューヨーク支局で働くショーナ・マギーさんに聞いてみた。
国連では大量破壊兵器の拡散を防いだり、様々なことに対しての支援や援助に取り組み、多くの人に情報を伝えることで紛争解決のための手段を提供しているという。よって国連は直接平和を強制することはできない。
ショーナ・マギーさんは平和を願いいつも記事を書いている。その内容が多くの人々に伝わって、読んだ人がポジテイブな考えになってくれたらうれしいと語った。「世界を平和にするために今、僕たちにできることは何か」と尋ねると、世界の一員として自分たちが知り得た悲惨な事件などの知識をより多くの人たちに教えてあげることだという。
紛争が多く生活に困っている子供たちと「友達になる」、次世代の人々に「教育する」、悲惨な事件を受け止め「理解する」。この3つが必要だと教えてくれた。

同世代とダンスで交流

 取材のほかに楽しみにしていたことがある。それはダンスの本場アメリカで踊ることだ。ダンスが盛んなアメリカは僕の憧れでもある。ワシントンD.Cでは同世代のガールスカウトとの交流会があった。
慣れない英語とジェスチャーで打ち解けていくうちに、ダンスの話題に触れたのでチャンスと思い踊ってみた。するとダンスを習っているわけでもないのに、今流行のハーレムシェイクでのってきてくれた!ガールスカウトとの交流.JPGガールスカウトとの交流
 ハーレムシェイクとは、肩や腰を振って自由に踊るニューヨーク生まれのダンスだ。さすがアメリカびっくり!! ノリが違う。言葉が通じなくても、ダンスを一緒にしたことでその場の空気が一変して、より一層分かり合えた気がした。
 やっぱり僕はダンスが好きなんだとあらためて気づかされた。また、遊びの大胆さや自己主張の強さ、そのほかにも取材に協力してくれた皆さんが口をそええて言っていたポジティブな考え方を持っていることなど日本人との違いもわかった。
 そして、何よりアメリカ国旗の多さに驚かされた。道路脇、ビルやお店の中などいたるところで見ることができた。自分の国を誇りに思っている、そんな人々やアメリカという国にますます興味が湧いた。