一般社団法人 長野県新聞販売従業員共済厚生会

滞在日記・ニューヨークの最終日

 きょうでいよいよ取材も最後。きょうも盛りだくさんな内容です。生徒のみなさんも疲れがたまっているころかと思いますが、みんな大丈夫…のようですね。

捜索活動で犠牲になった消防士の消防服.JPG捜索活動で犠牲になった消防士の消防服 まずは2001年の同時多発テロについての展示がある「9/11トリビュートセンター」を訪れました。トリビュートセンターには黒こげになったガラスや犠牲者の遺品、行方不明の肉親を捜そうと遺族が手作りした写真入りの張り紙などが並んでいます。ほこりで全身真っ白になりながら、逃げる人の姿をとらえた写真もあります。

 見学の後は、テロの現場で救護活動に当たったブレンダ・バークマンさん(61)と家族会の会長リー・ウエルピさん(69)の話を聞きました。バークマンさんは、昨年夏のこのツアーでも体験談を話してくれた人です。テロのあった日は非番で自宅にいて、テレビで発生を知ったこと、来る日も来る日も深夜まで捜索したけれど、生存者は誰も見つからなかったこと、知り合いの消防士250人を失ったことなどを涙ながらに語ってくれました。泣きながら聞いている生徒さんもいました。

テロ当時の体験を語るバークマンさん.JPGテロ当時の体験を語るバークマンさんウエルピさんとがっちり握手.JPGウエルピさんとがっちり握手 ウエルピさんは、息子さんも消防士で、同時多発テロの救助で命を落としています。「憎しみからは何も生まれない」と語り、「若いみなさんがここで知ったことを多くの人に伝えてほしい」と中高生に訴えかけました。

 この2人は昨年秋、東日本大震災の津波の被害に遭った岩手県陸前高田市を訪れ、被災者の話を聞いています。イエルピさんは「私たちの経験が、被災者のみなさんの力になれば」と話してした。



 そして、中高生はここでも積極的に質問。諏訪南中3年の佐藤奏光さんは「日本はいま平和だと思うか」、野沢北高校2年の赤岡あずみさんは「米国はテロを受けて、武力で報復しているが、これについてどう思うか」などと鋭い質問を浴びせていました。


セントラルパークの散策.JPGセントラルパークの散策 午後はセントラルパークを歩きました。大都会の真ん中にある巨大な公園を散策。サングラスをかける人もいて、ちょっとしたセレブ気分を味わいました。
 そして、世界4大美術館のひとつ、メトロポリタン美術館を訪れました。世界でも14点しかないフェルメールの作品、マネ、ゴッホ、ドガ、モネ、セザンヌ、ルノワール…。名画がこれでもかと続き、ちょっと幸せな気分です。日本のコーナーを見学した生徒さんもいて、みなさん芸術鑑賞を楽しんでいたようです。


国際情勢について語る船津支局長.JPG国際情勢について語る船津支局長 最後の取材先は共同通信ニューヨーク支局。支局長の船津さんは、モスクワ、ロンドンで特派員を務めた経験があります。船津支局長や経済デスクから、国連の動きや世界経済の動向などホットな話題をうかがいました。上田西高校2年の小川彩那さんは「日本の家電メーカーがこれから、韓国のメーカーに負けないようにするにはどうすればよいか」などと質問を浴びせていました。
 そして、船津支局長からは英語の勉強についてのありがたいアドバイス。「英語は何年やってもなかなかうまくならないけれど、とにかくあきらめない、やめないことが大切」「英語を母国語としない外国人と英語でコミュニケーションするのはそれほど難しくない。ぜひ頑張って」。生徒たちは本当に真剣に耳を傾けていました。私も拝聴しました。
 ニューヨーク最後の夜は長めの食事会。共同通信の船津支局長、ニューヨークの大学に通う高橋菜々海さんも交えて、楽しい時間を過ごしました。


はるか遠くに見える自由の女神像.JPGはるか遠くに見える自由の女神像海を背景にピースサイン.JPG海を背景にピースサイン これで、今回の取材ミッションはすべて終了。あすはJFケネディー空港から日本に戻ります。


 ところで、今回は1日の感想を毎日、生徒さんに書いてもらいました。連日、リアルタイムで紹介するつもりでしたが、あまりのスケジュールのハードさにこのHPにアップできませんでした。帰国後に追って、更新させてもらいます。

 それでは、また日本でお会いましょう!

みなさんの感想

onna.png細谷 夢子
午後はメトロポリタン美術館へ行きました。今日は少しゆっくり見れるかなと思っていましたが、移動の速いこと!美術館ってこんなに速くみていいものなんでしょうか。またいつか、ゆっくり見に来ます。
onna.png西本 茉衣
今日は最後の取材だった。WTCビジターセンターやメトロポリタン美術館など心に残る一日になった。あっという間すぎて本当に帰りたくなくなります。みんなと良い取材ができて、とてもよかったです。
onna.png小川 彩那
今日は見学最終日です。共同支局NY支局の見学では自分が新たに記事にしたいなぁ…と思う、内容がたくさんありました。日本に帰って調べたいと思います。男子ともすごく仲良くなれました。高1の恋愛相談はめっちゃかわいいです(笑)鍵事件も楽しかった…(笑)
otoko.png小林 大純
今日は9・11について、当時の救出作業に携わった人たちからお話を聞いた。当時の悲惨な状況や、ひとりひとりにあったエピソード、正義というものがにじみ出て来て、時折、目頭があつくなった。当時、消防隊として活躍していた人が何回か繰り返し言っていた言葉がとても鮮明に心に残った。「明日という日をより良い日にするため」。
onna.pngカテザ ニャーシャ
今まで9・11のことあまり知らなくて、あまり関心がなかったけど、今日の取材(見学)を通して本当に大切なたくさんの事を知ることが出来て本当によかった。話をしてくれた人にも感謝。…あ、自由の女神見れてよかったぁー。でも、ちょっと小さめだったなぁー(笑)
otoko.png五十嵐 唯人
アメリカ5日間のプログラムはあっというまだった。今回このような貴重な体験はただ思い出としてとどめておくのでは意味が無く例えば、原爆のことなど伝えていけることは伝える、アメリカの進んだ安定したシステムを手本に取り入れるなどを行えば改善の余地がある。
onna.png赤岡 あずみ
トリビュートセンターでの話は心にきた。自分に同じことが起こったことを考えると、とても悲しいと思った。この一週間、とても早かった。あともう一日くらいあってもいいと思う!でもとても楽しかった。
onna.png宮澤 奈々
私は、中学三年の時に、広島に行って原爆の学習をしました。その時に一番思ったことは、実際に現場に行ってみると、感情が変わり、すごく印象に残るということです。それと同じように9・11の悲劇も実際見たり力強い話を聞くことにより、印象に残り、自分がしなければならないことを確認することができると思います。まず私たちは、知らない人に伝えることをしなければならないと思います。
otoko.png宮原 健太
今日は9・11メモリアルに行き、そこで当時の痛々しい被害の様子を見て、本当に争いはいけないことだと思った。特にハイジャックされた飛行機に乗っていた男性から彼の妻への電話の内容を見たときには熱いものがこみ上げてきてしまった。争いは忘れてはいけないことだから、私たちは今回学んだことをしっかり記憶にとどめたい。
onna.png横山 由貴
ニューヨークを楽しんだ1日となった。アメリカ最後の夕食で、共同支局長さんにたくさん質問が出来た。木次さんや小林君からの質問の答えも実に内容が濃くてとても興味深い話がきけた。これで最後だと思うと少しさみしくなった。
onna.png宮澤 小春
午後、メトロポリタン美術館の見学を約2時間しました。古代エジプトの遺物から近代モダンアートまで幅広く展示してありました。ガイドの人から「すべてを見ることはできない」と言われ、しかたなく、興味のある、中東、アジア、日本美術だけにしぼって見学することにしました。この3点を見るために私はずいぶんと歩いた気がするのですが、結局は、3階だての巨大な博物館の中で、2階の5分の1ぐらいの大きさを歩いていただけでいた。この博物館に来る機会がまたあれば、まったく興味のない分野を見学し、好奇心の矛先を四方八方にのばしたいと思いました。
onna.pngルジチカ イザベラ
9・11メモリアルの、ビジターセンターには事件の遺品などがたくさんあったが、中でも、ハイジャックされた飛行機に乗っていた人が家族にかけた最後の電話の内容が印象的だった。消防士の方が、9/11の教訓を語り継ぐためといっても、今まで何度も自分の息子や友人を亡くした話をしてきたのは、本当にすごいことだと思うので、教えてもらったたくさんのことをしっかり記憶にとどめておきたいと思った。
otoko.png前田 惇超
今日で、アメリカ研修最終日でした。9・11メモリアルでは、中々普段聞くことのできない実体験を聞くことができ、とても勉強になりました。グラウンドゼロはとても混んでいて、見る事はできませんでしたが、写真を見れたので良かったです。今まであまり話さなかった人とも話せて、楽しく過ごしてこれたので良かったです。