一般社団法人 長野県新聞販売従業員共済厚生会

取材報告

松澤 実紀 (白馬中3年)

報道の役割を知る NEWSEUM(ニュージアム)

DSC_0569.JPG  ニュージアムとはNEWS(ニュース)とMUSEUM(博物館)を組み合わせた名前のとおり、報道に関する世界でも珍しい博物館です。ワシントンDCの中心部、米国連邦議会議事堂が正面に見えるガラス張りの建物の入口には、その日の全米各地の新聞の一面が展示してあり、ひと目でニュースに関する博物館であることがわかります。館内は地下1階から6階まであり、14のギャラリーと15のシアターで、5世紀にも及ぶ報道の歴史を鑑賞することができます。
DSC_0582.JPG沢山の展示の中で、一番印象に残ったのは、Journalists Memorial(ジャーナリストメモリアル)です。ここには戦場や紛争地域といった危険な場所に行き、取材中に命を落としたジャーナリスト約2000人の名前が刻まれたガラス板があります。現在ニュージアムには1837年から2011年までの犠牲者808名の写真が飾られており、彼らの功績をたたえ、命をかけて世界の現状を伝えようとした報道関係者を追悼する場となっています。
これを見たときは、本当にショックでした。日本人でも亡くなってしまった人がいるのは知っていましたが、こんなに多くの人が亡くなっているということを正面から見て、改めて戦場、紛争地の状況の厳しさを感じました。
 そして、一番ニュージアムらしい展示だと感じたのはToday’s Front Pages Gallery (本日の新聞一面ギャラリー)です。
ここでは世界80か国以上の新聞の一面記事を読むことができます。世界各地のさまざまな言語で書かれているため、詳しい内容までは把握できなくても、写真やレイアウトから、世界で起こっている事柄に関して、各国がどのように関心を持ち、反応しているのかを比較することができます。オリンピック期間中ということで、ほとんどの新聞でオリンピックについての記事が大きく取り上げられていました。
ニュージアムには、インターネットを使った、ツイッターやフェイスブックといったニューメディアに関するコーナーもあります。さらに、今年はアメリカの大統領選挙があるということで、それに関する展示もありました。昔の物を保存し展示する、一般的な博物館とは違い、今起こっていることを伝える報道の博物館だからこその展示を見ることができ、報道の世界を通して世界の今、過去を見ると、今までとは少し違うものに見えてくるような気がしてとても面白かったです。