小林 希 (七二会中3年・長野市)
オバマ選挙事務所で
七月三十一日、バージニア州フェアファクスにあるオバマ選挙センターを取材しました。
そこで、センター長のパーカー・ラムスデルさんが色々と説明してくださいました。
ここでオバマ大統領の再選を目指して、「登録書を配る」、「電話をする」、「家を訪ねる」の三つの仕事をたくさんの人がおこなっています。
明治大学の海野素央教授もここでオバマ大統領の支援活動に関わっています。海野さんは「知らない人の家を訪ねて行くことは、最初はすごく怖かった」とおっしゃっていました。
なぜそこまでしてオバマさんを支持するのか疑問に思ったのでそこで働いている人に聞いてみました。選挙センターには、ボランティアの方もたくさんいました。すると「オバマさんの医療保険の制度のおかげで両親が診察を受けられた」とか、「学生ローンを組むのに支援してもらった」、「イラク戦争にもともと反対していて、国民を守ろうという考えがあるし、それが根底になっているから」という声を聞くことができました。
自分が苦しい時や大変な時に支えてもらったので、今は支え返している、という人が多いように感じました。
アメリカの五十の州のほとんどでは、もうすでに共和党と民主党のどちらの党が勝つのか決まっています。だから、最終的な勝敗は五%ほどの少数の人にかかっています。
どちらの党が、より多くの人の気持ちを掴むことができるのか。私も大いに注目したいと思います。
ニュージアムに行った
八月一日、NEWSEUMに行きました。ここは、ニュースとジャーナリズムに関する博物館です。
さまざまなものが展示してありましたが、その中でも私が一番心に残ったのは自由な国とそうでない国を色で分けた地図です。ヨーロッパや北アメリカ、もちろん日本も自由な国です。しかし、それ以外の地域ではほとんど自由でないことがわかります。
日本にいると、特別に自由な国だとは感じていませんでしたが、この地図を見ると、日本の自由が当たり前ではないと改めて知り、幸せなことなんだと実感しました。
しかし、アメリカの現状は、銃の所持が自由であることによって治安を悪くしていたり、権利を自由に主張しすぎることによって訴訟社会を招いていたり、自由には危なっかしさも伴っていると思いました。
今回の旅の中で、「自由」についてみんなで話し合う機会があり、いろいろな意見を聞くことができました。「自由って何か」ということに答えは人それぞれだと思いますが、普段考えることがなかったのでいい機会になりました。
野球を見に行った
八月一日の夜、大リーグを見に行きました。
今回の試合は、ワシントンの「ナショナルズ」とフィラデルフィアの「フィリーズ」が対戦しました。ナショナルズもフィリーズも、チームカラーが赤のため、あちこちが赤だらけでとても華やかでした。
私は野球にはあまり興味がなかったのですが、初めて大リーグを観て、球場の雰囲気がすごく好きになりました。
みんなが1つのボールを目で追い、選手がいいプレーをしても失敗しても、みんなで息を合わせたかのように一斉に会場が沸き立ちます。あの歓声は今でも耳に残っています。
会場の人はみんな笑顔で、本当に野球を楽しんでいることが伝わりました。
試合途中でウエーブも体験しました。みんなが順番にどんどん立ち上がり、観客席を二周もしたのには驚きました。ウエーブは、誰がどこで始めたのか、今でも疑問に思っています。
隣に座っていた地元のファミリーに、ここに野球を観に来たことがあるかどうかたずねたところ、「昨日来たよ」と答えが返ってきて、びっくりしました。日常的に野球を楽しんでいる人が多いんだと実感しました。さすがアメリカ。
球場に行って、私も本当に楽しかったです。
アメリカ研修旅行に行って
今回の旅行では、今までにないくらいたくさんの人と関わることができました。
一緒に行った仲間や同行していただいた大人の方々も、全員全く初対面でしたが、ほんの1週間のあいだにすっかりうちとけ、別れる時は寂しくて涙が止まりませんでした。他にもお世話になった方の顔が次々に浮かんできます。
アメリカでは、英語で取材もしましたが、フレンドリーな国民性で、皆さん私の下手な英語を一所懸命聞き取ろうとしてくださいました。
日本では、「みんな違ってみんないい」と言いつつも、変わった人には好奇の目を向けることが多いと思いますが、アメリカでは個性を楽しんでいるように感じました。私は、偏見や先入観を持たないで、いろんな角度から物事や人を見ることの大切さをこの旅で学びました。
また今回の旅は、たくさんの人が私たちのために、何ヶ月も前から調整し、旅行の費用を積み立てるために頑張ってくださったと聞きました。たくさんの人の支えがあって、一生に一度の貴重な経験をさせていただき、私は本当に幸せだと思います。
関わってくださった方々、本当にありがとうございました。