川上 直美 (山辺中1年・松本市)
「報道に対する思い」
アメリカに滞在してから3日目の8月1日にニュージアムに行きました。ここは1997年4月に開館したニュースの博物館です。
入るとヘリコプターが展示してあり、天井が高く広々としていました。エレベータはガラス張りで外の風景がよく見え、一緒に行った30人皆が入っても、まだ乗れるくらい大きくて驚きました。屋上へ行くと、国会議事堂やスミソニアンの情報センター、ナショナルギャラリーなどが見渡せました。9.11コーナーでは、世界貿易センタービルの屋上にあったアンテナの残骸が展示されていました。私の身長より六倍くらい大きい鉄がぐにゃぐにゃになっていました。これがアンテナだったなんて考えられませんでした。その周りには各国の9.11を伝えた新聞のトップ記事がありました。私が2歳の時の出来事でしたが、現実とは思えない写真でした。
また、報道に命をかけた記者のダニエル・パールさんの展示を見ました。ダニエル・パールさんは、2002年にパキスタンの敵地に入ってレポートをしていたところ、つかまってしまい、首を切られて殺されてしまいました。ペン、パソコンなどの遺品がありました。
さらに、見上げても一番上の人の顔が見えないほど顔写真が縦横にならんでいました。笑っている写真もいくつかあり、最初は何の写真かわかりませんでした。ガイドさんの説明を聞いて「取材に行って亡くなった人の写真です」と教えてもらったときは、とても驚きました。その写真を数えると約800枚。つまり、800人の写真がありました。こんなにたくさんの人が報道に命を懸けていたなんて、信じられなかったし、すごいと思いました。中には女性も20数人くらいいました。女性が活躍していることには驚いたし、強い女性だなあと思いました。
また、報道の自由を表した地図もありました。「自由」・「一部自由」・「不自由」の三つに色分けされていました。日本は「自由」な緑になっていましたが、報道の自由がなく制限されている国が多くあることを知りました。
このニュージアムでは報道に対する記者たちの思いが、とても強いと感じました。過去の事件のことを伝えた、各国の新聞も見ることができ、とてもよい経験になりました。
「アメリカの警備」
アメリカでは、連邦議会や国連本部などの施設に入るときは必ず空港と同じように、ゲートを通過し手荷物検査があります。私は小学校六年生の時に修学旅行で東京の国会議事堂や国立科学博物館に行きましたが、手荷物検査は一回もやりませんでした。それが普通だと思っていました。
アメリカに入国する時には14才から指紋を取ります。残念ながら私は指紋を取る経験はできませんでしたが、アメリカの警備は厳しいです。また、アメリカには家に「銃」があり、小さな子供などが、自分や父母や知らない人などを間違えて殺してしまうことがあるそうです。これは殺してしまった子供の親の罪になるそうです。この話を現地コーディネーターの川尻千晶さんから聞いたとき、私は怖くて震えてしまいました。
同行していただいた岩崎さんからは事前に、「ホテルでノックやピンポンをされても勝手に開けてはいけません」と言われました。部屋から廊下に出ると「道路と同じ」だそうです。それだけ危険ということです。ドアを開けるときはのぞき窓で相手を確認します。フィラデルフィアのホテルでは、のぞき窓に私の背ではとどきませんでした。なので、声で確認をしました。
アメリカはテロがあってから警備は厳しくなったそうです。日本の今の生活には考えられません。改めて日本は平和なんだなと思いました。