滞在日記

滞在中、現地の様子を同行した記者に送っていただいています。

当ホームページには、都度タイムリーに掲載いたします、お楽しみに。

7/30 同行記者からのメッセージ

 すごーく前のことのようですが、日本時間の30日午前5時半集合で、6時の新幹線に乗って、東京へ。さらに成田エクスプレスに乗り継いで、9時に成田空港に到着でした。

 長野から成田って遠いのです。おまけに、夏休みなので成田空港は大混雑。全日空便はほぼ満席で、全員が一緒に座れずバラバラ。ちょっと心細い人もいたかも…。

 13時間のフライト中、寝た人、寝られない人…。座席の画面で映画をたくさん見た人もいましたね。でも、さすがに長くてたいくつでしたね。

 食事はパエリアかカルビ焼きご飯

 朝はオムレツとパンでした。

 ワシントンのダレス国際空港では、入国審査に手間取った人も多く…。

 英語で聞かれて分からなかった人もいたようですが、無事に米国入国。

 まずは空港近くの国立航空宇宙博物館の別館へ。こちらはDCの中心部にある本館には入りきれなかった航空機が収められており、とりわけ日本の戦闘機、広島に原爆を落とした米国の「エノラ・ゲイ」、スペースシャトル、コンコルドなどがあって、迫力満点。

 中でもエノラ・ゲイについてはガイドさんの説明も熱が入り、予定時間をオーバー。日本との戦争を終わらせるために原爆を落としたのか、莫大な予算をつぎ込んだ原爆開発計画の「効果」を見せたかったのか…。意見が分かれるところですね。実物をみて、あらためていろんなことを考えさせられました。

 続いては、戦死した兵士や有名人が多数葬られているアーリントン国立墓地へ。ケネディ大統領のお墓もこちらにあり、アメリカ人が多数訪れる「観光地」でもあります。高校生からは「ここにくる人はお墓参りなのか? 観光なのか?」といういい質問も出ました。うーん、不思議です。

 次にバスで向かったのは、南北統一をはかったリンカーン大統領の像があるリンカーン記念館。すごいですよ。巨大な像があり、とおくにワシントン記念塔、国会議事堂を眺めているような感じです。この記念館の前ではキング牧師の有名な演説も行われたのです。

 この日の最後はホワイトハウスの見学。9.11のテロ以降、一般の見学はできなくなってしまったので、外観だけ〜。よくNHKのニュースで、記者の方がワシントンからリポートする位置から、みんなで記念撮影をしました。

 ワシントンの気温は30度ぐらい。しばらく前は40度にもなったそうなので、今週は比較的過ごしやすいようです。でも、水は必需品。ホワイトハウス近くの露店で買った水は700ミリリットルで2ドルでした。

 夜はホテルで夕食を食べてから、近くのスーパーへ行ってみました。チョコとかクッキーとか、たくさん買っている人がいましたが、スーツケース入るかな?

 疲れた、疲れた、という割には、買い物となると元気が出てきたみなさんでした。

 明日も早いのでこのくらいで! みなさん応援してね。


△成田到着

△この飛行機で飛びました

△機内食

△機内食

△リンカーン記念館から見るワシントン記念

△リンカーン像

△ホワイトハウス

△アーリントン墓地

△アーリントン墓地(ケネディ大統領の墓)

△リンカーン記念館

△リンカーン記念館

△リンカーン記念館(キング牧師の演説のタイトル)△

△航空宇宙博物館 エノラゲイ

△航空宇宙博物館 エノラゲイ

△航空宇宙博物館 エノラゲイ

△スペースシャトル

今日の感想

小沼祐之介君(長野高専2年・長野市)

アメリカのパンが予想以上にうまかった。ランチのサンドウイッチ、夜のパンもどっちもおいしい。

栗林太地君(松本蟻ケ崎高1年・安曇野市)

眠いです。飛行機の中でぜんぜん眠れなかった。

吉原万葵さん(長野清泉高2年・千曲市)

暑かった! ホワイトハウスの近くの屋台で、キャップを買いました。10ドル。安い!

伊東香奈江さん(上田高2年・上田市)

飛行機の中から見た朝陽や雲海がとてもきれいでした。エノラ・ゲイのところでインタビューすればよかったなとちょっと後悔。アメリカでは英雄扱いかと思うと、そんなふうに飾ってほしくないと思う。

松沢実紀さん(白馬中3年・白馬村)

トイレから出る時に、ドアを手前に引かないと行けないので、出にくくてびっくり。すべてのスケールが大きい。車の車線とか、建物とか。

山田茉央さん(南木曽中3年・南木曽町)

車が右側通行というのに!! 信号も違う。
夕食で出たケーキがあますぎっ!

土屋ひかりさん(軽井沢中3年・軽井沢町

アメリカは暑かった。楽しかった。英語話そうとしたけれど、税関で聞かれたことに答えられなかった…。絵はがきは4枚1ドルで買えた。これからもっと頑張ってみます。

溝口紗彩さん(才教学園中2年・岡谷市)

夜になっても飛行機の揺れが残って、少し気持ち悪い。アメリカは体格がいい人が多い。ファストフード食べ過ぎじゃない?

7/31 同行記者からのメッセージ

 アメリカ滞在2日目。朝食はバイキングで、ワッフルやスコーンにメイプルシロップ、Fat Free Milk、そしてソーセージやベーコンなどアメリカらしいご飯でしたが、朝からがっつり食べる人が多く、元気いっぱい。

 午前7時15分にホテルを出て、国会議事堂へ。よくテレビや写真で見かける、ドーム形の建物です。この建物は南北戦争中もリンカーン大統領が建設続行させて完成したものだそうです。各州から選出された偉人の銅像が並びます。50州の代表が法律を作り、国を作る。多様な人種、文化が入り交じって「一つの国」をつくることに、米国がどのくらいエネルギーをそそいできたことか、そんなことを感じさせる建物でした。

 次に訪れたのは自然史博物館。入り口はアフリカ象の剥製がお出迎え。ティラノザウルスの骨、巨大なイカ、3億年前の木の化石、45カラットのダイアモンド、エジプトのミイラなどいくら時間があっても見切れないほどの収蔵品が並んでいます。うーん、ここは一日費やして見たい。

 お昼はシーフードレストランへ。朝ご飯をたくさん食べても、おいしそうなご飯には目がないみなさん。最後のアイスクリームまで食べて、おなかいっぱいになって午後のツアーへ向かいました。

 次は国立絵画館へ。ここもすごいです。教科書に出てくる有名な画家の絵がずらり。こちらも1日では回りきれないほどの絵や彫刻がずらり。おまけに写真を撮ってもいいという、太っ腹な美術館なのです。日本で人気が高いフェルメールも、現在は3点あり、 ここで見て得した気分です。

 この日のハイライト、今年でなくては行けない取材先が、再選を狙うオバマ大統領の選挙事務所です。激戦地区というバージニア州のフェアファクスにある事務所。明治大学の海野素央教授が、草の根活動に携わっている縁で取材できることになりました。

 こちらのトップ、フェアファクス地区の地域マネジャーであるパーカー・ラムズデルさんが、オバマ選挙事務所で大事にしていることを説明。若い人たちに選挙登録を促すこと、電話で投票を呼び掛けること、戸別訪問を行うこと、などを具体的に話してもらいました。

 そして、学生記者たちは電話調査に挑戦。ホントの選挙人名簿をもとに、電話をかけて、オバマ大統領を支持するかどうかを尋ねる、ということをしてみました。

 4人が立候補して、英語でハローと呼び掛けた結果は…。 後日の記者たちの報告をお楽しみに。

 4年に一度の大統領選。その現場に入ってみるという貴重な体験をした生徒たちでした。

 パーカーさんの言葉。

 「何か新しいことに挑戦してみよう。そうしたら思ってもみなかったことが起こるかもしれない」

 みなさん、頑張ってみませんか?


△国会議事堂の外観

△国会議事堂の外観

△議事堂のドームのてっぺんに立っている自由の女神と同じもの

△議事堂の内部

△円形大広間の豪華な装飾に圧倒されました。

△自然史博物館   入り口にあるアフリカ象の剥製

△ティラノザウルスの骨

△3億5000万年前の木の化石

△自然史博物館で見つけたおみやげ

△自然史博物館で見つけたおみやげ

△フェルメールの作品がここに!

△セザンヌもずらり

△海野先生(右)とパーカーさん(左)

△電話調査にも挑戦しました

△入り口に置かれていた小さなオバマ大統領の人形

8/1 同行記者からのメッセージ

 朝から曇り空。雨が心配でした。

この日の最初は、世界中の新聞や報道の歴史に関する資料が収められている博物館、ニュージアム。日本にも横浜に新聞博物館がありますが、こちらは6階建ての大きなビルですごい迫力です。

 大ニュースを伝える号外などを集めたフロアには、東日本大震災の被害を知らせる日本の新聞がありました。さらに電気がない中で手書きの新聞を出し続けた石巻日日新聞も展示されています。高校生たちが、ここで働いている人にインタビューしたら、電気もない中でニュースを伝えた人たちの努力はすごい!と話していました。悲しいニュースですが、日本の新聞社の仕事がこういう場所にあるというのはなんだかうれしいことです。

博物館の中にはテレビキャスターを体験できる場所もあり、ニュース原稿を読むのに挑戦してみた人もいます。

次に、アメリカのニュースを日本に伝えている共同通信ワシントン支局を訪問しました。今度の取材旅行のアレンジでは大変お世話になりました。こちらの支局長は飯田市出身の木下さん。7月に赴任したばかりですがワシントンは2度目だそうです。

 ここを訪れたのは12時近く。ちょうど日本では朝刊締め切り時間が近付き、忙しい時間帯でしたが、デスクや記者のみなさんが仕事の内容をいろいろと説明してくれました

共同通信が入っているナショナルプレスセンターには、いろんな国の報道機関が入っていて、記者会見場もあります。今日はあいていたので中で写真を撮らせてもらいました。気分は新聞記者! そのあとはクラブメンバー向けのレストランでランチ。米国滞在中はビュッフェスタイルの食事が多いのですが、この日はいつもよりおいしかったかも? 

続いて向かったのは、アメリカの公共ラジオ放送NPR(National Public Radio)です。ニュース番組を中心に、全米800のラジオ局に番組を提供しています。看板番組の放送間際の様子も見学しました。東日本大震災を取材した記者に話を聞かせてもらう予定だったのですが、夏休み中ということで残念。アメリカでは、予定通りにいかないことも少なくありません。

朝は曇り空で雨も心配でしたが、晴れてきました。

ワシントン最後のイベントは、野球の観戦です。地元のワシントンナショナルズとフィリーズの対戦。ここでは試合を観戦するほかに、自分で好きなものを買って食べるという「ミッション」もありました。ハンバーガーにホットドッグ、大きなピザ。黒人のお姉さんと話してみたら「飲み物のリストを聞いたら、スプライトとレモネードしか分からなかった…」という人もいましたが、全員夕食を自分でオーダーできました。何事も挑戦!

 米国の野球はイニングの合間に、盛り上げる仕掛けがたくさんあり、楽しさ抜群。恒例の Take Me Out to the Ball Game. の歌を聞いて、引き上げました。

 これでワシントンの3日間はおしまい。途中で少し体調を崩した人もいましたが、時差ぼけも解消してみんな元気になりました。

 明日はフィラデルフィアに向けて出発します。


△ニュージアムの屋上から国会議事堂を背に記念撮影

△9.11で破壊されたツインタワーの上にあったテレビアンテナの残骸

△テレビキャスターにチャレンジ


△生徒たちに話をする木下支局長(右)

△NPRのスタジオで取材

△ナショナルズパークに到着

△観客席も盛り上がったナショナルズvs フィリーズ戦

8/2 同行記者からのメッセージ

 ワシントン滞在を終えて、次はアメリカ独立の歴史をたどれるフィラデルフィアへの旅です。

 昨晩の野球観戦後、友だち同士でおしゃべりしていたためか、寝ぼけ眼で登場した人数人。さてだれでしょうか? 

 バスの中でも、半分くらいは寝てました。

 今回の旅行にはアメリカ在住のジャーナリスト、川尻千晶さんも同行しています。彼女はボルティモア・サンなどの新聞社で働いてきました。今日の道中では、ワシントンで訪ねた場所についての補足説明や、生徒たちからの質問に答えてもらいました。

 9.11の記憶は風化しているのか?

 小学生たちは9.11について勉強しているか?

 アメリカ人は原爆投下についてどう考えているのか?

 人種差別ってどんなことがあるのか?

 時間が経つにつれて、質問もバンバン出るようになり、とても中身の濃い時間を過ごすことができました。

 川尻さんは「どんな質問でも、くだらない質問というのはない」と言ってましたね。

 遠慮せず、恥ずかしがらず、分からないことは聞くことが大事なんです。

 お昼近くにフィラデルフィアに到着。

 食事をしてから、フィラデルフィア美術館の前でバスを降りました。映画「ロッキー」で、主人公が階段を駆け上がってガッツポーズをするのがこの場所なのです。近くにはロッキーの像が立ち、Tシャツを売っているおじさんもいました。

 市内をバスで巡ってから、歴史的な建造物が並ぶ地域を歩き、自由の鐘を見学。

 米国独立だけでなく、公民権運動などの象徴となったこの鐘にはこんなことが書かれていました。

 Proclaim Liberty throughout all the Land unto all the Inhabitants thereof

(地球全体と住む者すべてに自由を宣言せよ)

 アメリカは「自由」を求め、戦う国であります。


△近くにはロッキーの像がありTシャツも売ってます

△フィラデルフィア美術館から望む市役所

△映画「ロッキー」でロッキーが駆け上がった場所で記念写真

△カーペンターズホール、独立に向けて大陸会議が開かれた場所

△自由の鐘の前で

みなさんにワシントン滞在の感想を聞きました。

霜村明里(東部中3年・長野市)

風景とか街の様子など日本と違うところがたくさんありますが、一番大きな違いを感じているのが「食文化」です。油っぽいものばかりが出てきます。

小林希(七二会中3年・長野市)

英語を聞き取るのはすごく難しいですが、話すのは本当に楽しいです。あいさつをすると必ず返してくれます。

高木陽央(飯綱中3年・飯綱町)

東京に比べると緑が多く、ワシントンは思っていたよりも田舎だった。自分の英語が通じたのでうれしかった。

青木至人(北御牧中2年・東御市)

普通のツアーや観光ではとうてい入れない所にも入れました。こんな貴重な体験をすることができたので、将来にしっかり生かしたいです。

土屋ひかり(軽井沢中3年・軽井沢町)

ワシントンは思っていたよりも自然がたくさんあってびっくりしました。昔ながらの建物があったり、その中に落ち着いた雰囲気があって住みよいまちではないかと思いました。

松沢実紀 (白馬中3年・白馬村)

アメリカの人たちは私たちのような英語が通じない人、他の文化、人種の人に対応するのに慣れているなと感じました。

山田茉央(南木曽中3年・南木曽町)

食事はバイキングが多く、毎日この量や甘さを食べるのかと思うと気が遠くなります。ホテルは電気が小さくて暗くてびっくり。畳が恋しくなりました。

川上直美(山辺中1年・松本市)

ワシントンでは建物に入るときにいちいちカバンの中をチェックされるので、日本は平和なんだなあと思いました。

溝口紗彩(才教学園中2年・岡谷市)

信号機がいろんな種類があっておもしろかった。飛行機から見た朝焼けがきれいでした。

牧内りずむ(高陵中3年・飯田市)

歴史的な建物が多く、アメリカの歴史に触れることができた。国の歴史が分かれば、国の「今」がわかると思うので、歴史に触れることができてよかったです。

高橋紡花(長野工高3年・長野市)

絵画や宇宙関連のものなど、日本では見ることのできないものが多く、とても新鮮だった。大リーグ観戦も、日本のテレビで見るのとは違い、とても楽しく、心に残った。

中島瑞穗(長野高1年・長野市)

人の話を正確に聞き取るということは、とても難しいことでした。英語を使うように努力しましたが、ホテルや訪問先で、本当にきさくに話してくれてうれしかったです。

小沼祐之介(長野高専2年・長野市)

オバマ大統領の存在が黒人やヒスパニックの人たちに大きな影響を与えているとは思っていなかった。対立候補のロムニー氏のことも調べてみたいと思う。

吉原万葵(長野清泉高2年・千曲市)

たくさんの星条旗が掲げてあり、車のナンバーやTシャツにも国旗があしらわれていて、アメリカ人の愛国心の強さを感じました。

伊東香奈江(上田高2年・上田市)

野球場ではナショナルズとフィリーズという陣営に関係なく、全員が試合を楽しんでいるという一体感を感じて楽しかったです。

竹内瑞穂(上田東高3年・上田市)

アメリカの家族は仲良しですてきだった。

福島愛美(松本深志高3年・大町市)

アメリカに来て分かった日本の良さや悪さ、アメリカの良さ悪さがあります。これだけでも学校の補習を休んだかいがあります。

栗林太地(松本蟻ケ崎高1年・安曇野市)

僕の勝手なイメージだと、日本はだれが総理になってもだいたい同じようなことをするけれど、アメリカは今回の選挙で誰が大統領になるかで大きく変わると思う。

アルッガマゲ未美利(伊那北高2年・駒ケ根市)

リンカーン記念館ではモニュメントや壁の絵に感動した。キング牧師が演説した場所に立てた時には鳥肌が立った。

北沢佑奈(飯田高3年・飯田市)

英語で会話が成り立ってうれしかった。オバマ選挙事務所で、人の心の動かし方を学ぶことができてよかった。

8/3 同行記者からのメッセージ

 今日はフィラデルフィアを出て、バスでニューヨークへ。

 2時間半ほどの道中、みなさんにはおもしろかったこと、うれしかったこと、頭に来たことなどいろいろと聞いてみました。

 印象に残ったこと

 「笑」「大麻」「肉体美」と入れ墨した人がいた。

 ホットドッグを買ったら、アメリカ人はケチャップやマスタードをどばっとかけていて、味覚障害かと思った。

 頭にきたこと

 「Later」と言ったつもりが、「Water?」と聞かれた。

 自動販売機にお金を入れたのに商品が出てこなかった。

 うれしかったこと

 日本から来たと言ったら「cool!」と言われた。

 みなさんいろんな体験をしてるんですね。

 そうこうしているうちに、待望のニューヨークへ。

 こちらに来るとがらりと街の印象が変わります。数多くの摩天楼に、トラディショナルな建物。道行く人も速足です。車も多く、ニューヨークのイエローキャブ、大型バスなどもよく目にします。やはり金融と経済とファッションの中心地ですね。オノ・ヨーコが住むダコタハウス、にぎわうタイムズスクエアなども見学しました。

 昼は韓国街のレストランへ。久しぶりのご飯! 焼き肉も軟らかくて韓国料理はやはりみなさんの口に合うようです。アメリカの食事にへきえきしていたみなさんも、久しぶりににっこり〜。

 そして、何人かの参加者が「ここで働きたい」とあこがれる国際連合へ向かいました。こちらも厳しいセキュリティチェックを受けて中へ。少しお土産を買う時間もあり、みなさん頑張りました。このツアーはあまり買い物したりする自由時間が少ないのがネックです(笑)

 日本人職員のガイドで、安全保障理事会の会議場と、国連の総会会議場へ。テレビで見た通りの場所でしたね。国連の仕組みや役割などを教えてもらいました。

 今回のメンバーから、いつか国連で働く人が生まれますように!

 続いて行ったのは、2001年9月11日に起きた米国同時多発テロ(こちらでは9.11とよく言われています)にかかわる場所。旧世界貿易センタービル跡地に立つトリビュート・WTCビジター・センターを訪れ、当時救出活動に携わった女性消防士を取材しました。

 当時の様子を聞き、遺品や映像も見せてもらいました。「どんな人でも助ける」消防士の仕事が好きというブレンダ・バーグマンさんは、ボランティアとして当時の様子を話しています。多数の同僚消防士も亡くなり、彼女は友人やそのほかの人たちを慰霊するために話しているそうです。

 取材の大事なことは、現場に行くこと、人の話を聞くことです。

 話を聞いたみなさんはどんなことを感じたのかな? 書いてくれる記事が楽しみです。

 隣にある「9/11 メモリアル」は、被害に遭ったビルの跡地に慰霊の碑を作った場所です。被害者の名前が石に刻まれていて、日本人の名前もありました。

 9.11は、アメリカの国の根幹を揺るがした事件。これ以降、空港をはじめ、いろいろなところのセキュリティが厳しくなりました。今回の旅行でも、それを実感したはず。テロから戦争に向かったアメリカ。そういう国の在り方をどう考えていくか、帰ってからの宿題です。

 これで今回の「取材」ミッションはおわり。

 バッテリーパークから見た自由の女神。

 対岸のジャージーシティーから見るマンハッタンの夜景。

 

 楽しい思い出になりました。

 明日はいよいよ帰国です。5日間はあっという間でしたね。


△国連安全保障理事会の会議場

△国連総会会議場。アルファベット順に国が並ぶ。先頭はくじ引きで決めます

△国連加盟国の旗の前で

△9.11の遺品を前に説明するブレンダ・バーグマンさん

△被害者の名を刻んだ9/11メモリアル

△遠くに見える自由の女神の前で

△タイムズスクエアでアメリカ人と一緒にぱちり

8/4 同行記者からのメッセージ

 あっという間の1週間でした。

 みんなが仲良くなって、うち解けるようになってきたかな、と思うころには帰国になってしまいました。

 体調を崩したり、人間関係に悩んだりと、楽しいことばかりではなかったけれど、中高生のみなさんは1週間のあいだに、それぞれに克服して楽しい経験を重ねられたことと思います。

 ニューヨークで泊まったのは、マンハッタンの対岸、ニュージャージー州にあるホテルでした。夜には摩天楼が輝く様子がよく見えました。朝は真っ青な空のもとに、遠くに自由の女神が見えました。

 「かえりたくなーい」という人が何人もいました!

 アメリカンスタイルの食事はこれで終わりですね。

 コーンフレークや甘いドーナッツ、山盛りのフルーツ…。

 今日の朝食はこれまでで一番豪華だったかと思います(笑)

 スーツケースに荷物を詰めて、バスへ。

 ここでワシントンから同行してくれた、米国在住のジャーナリスト川尻千晶さんからお話をしてもらいました。

 夢を持つこと、そして諦めずに努力すること。

 物事は両面から見ること。

 ここに来られたことに感謝すること。

 みんなが頑張ったことをほめてもらって、涙ぐんだ人も少なくありません。

 アメリカで活躍している方と一緒に過ごして、学んだこともたくさんありましたね。たくさんの勇気と元気ももらいました。川尻さんにあこがれる生徒もいて、涙、涙のお別れでした。

 一緒に行ってくださった長野県教育委員会の先生からもひと言。

 北沢潔先生(高校生担当)から

 この旅行でいつかは留学したいという気持ちが持てれば大成功。ポジティブな気持ちで外に向けて、勉強していってください。

 山下由紀子先生(中学生担当)から

 1週間できみたちはすごく成長したね。怒ったこともたくさんあったけれど、次の日には反省して挽回しました。きみたちのような可能性を持った子が大好きなので、一緒に旅行してよかった。これからも頑張って、リーダーとして活躍できるようになってください。

 生徒代表のみなさんもあいさつしました。

 体調を崩してしまって、みんなに心配してもらったこと。

 忘れ物をして、取りに行ってもらったこと。

 最初はすごく不安だけど、頑張れたこと。

 感謝、感謝の言葉が続きました。

 みなさんのあいさつを聞いていて、ほかの人も涙が止まりませんでした。

 話は尽きないまま、出国するJFケネディ空港に到着しました。

 帰りも全日空。出国のセキュリティチェックは厳しく、全員靴も脱がされての検査でした。アメリカってどこでも警備が厳しく、9.11の影響っていまだ大きいのですね。

 多少、お土産を買う時間があったので、最後のショッピングへ。お小遣いが残っていたのでコーチのバッグを買った高校生もいました。そのほか、チョコレートやぬいぐるみやグミなど…。家族や友だちへのお土産は十分買えたかな?

 そうそう、荷物預かりでスーツケースに「Heavy」のタグを貼られて、荷物を入れ替えた人もいました。本を買ったり、新聞を集めたり、といろんなものを詰めていたら、スーツケースの重量オーバー。荷物を出して、手荷物に入れたらオッケーとなりました。

 帰りは13時間のフライトで、みなさんグッタリ。昨晩は未明まで語り合った高校生もいたそうです。最後に出た食事は「ラザニア」で、もういいです…と手をつけられなかった人も多いようでした。

 成田空港に無事到着し、成田エクスプレスで東京へ。東京駅から新幹線に乗る人と新宿から特急あずさに乗る人に分かれました。もうこれで明日は別の生活かと思うと、お別れを惜しんでは涙。アメリカ式にハグをして分かれました。

 みなさん1週間お疲れ様でした。


△ホテルから見たマンハッタン

△同行してくださったアメリカ在住のジャーナリスト川尻千晶さん

△J.F.ケネディ空港に到着

△空港で記念撮影する高校生

△くたびれている中学生たち

△帰りの全日空便

△成田に到着。連絡先の交換に忙しい

△Heavyのタグが付けられたスーツケース。お土産や資料がいっぱい

△成田で最後のあいさつ。See you later!

△長野駅で別れを惜しむ中学生たち

感想を紹介します。

霜村明里(東部中3年・長野市)

バスの中で、「自由」についてたくさん話しました。日本のことやアメリカのこと、世界のことをまじめに考える機会になりました。

小林希(七二会中3年・長野市)

9.11の話を聞いた場所では、写真がたくさん貼ってある場所がありました。みんな笑顔の写真なのに、9.11で命を失った方だと思うとつらくなります。誰が悪いとかより、そこにたまたまいただけで死んでしまったなんて残酷でした。

高木陽央(飯綱中3年・飯綱町)

ニューヨークは想像していたアメリカだった。ビルの高さが東京とは比べものにはなかなかった。アメリカに行って分かったことは、日本料理のおいしさと、日本人のていねいさでした。

青木至人(北御牧中2年・東御市)

アメリカの人々との会話はほとんど成り立ちませんでした。でも、身ぶりや手ぶりでも通じました。アメリカ人はたくさんの表情を持っていて、言葉が通じなくてもわかってもらえるんだなと思いました。

土屋ひかり(軽井沢中3年・軽井沢町)

ニューヨークに来てみて、ビルが高いなあと思いました。タイムズスクエアなど、ちょーすごかったです。お店もたくさんあって、行ってみたかった。14歳でこのような体験ができて、本当によかったです。

松沢実紀 (白馬中3年・白馬村)

映画や音楽、テレビ、雑誌などから知っていたアメリカにずっとあこがれていました。今回自分の目で見て、感じて、アメリカの楽しくて華やかな部分、アメリカがかかえている問題、多くの命が失われた歴史など暗い部分も感じて、今までよりずっと多くのことを学べました。

山田茉央(南木曽中3年・南木曽町)

オバマ選挙事務所で質問できなかったので、ニューヨークでは「9.11のような危険な場所や事故現場で仕事をするのに、消防士になったのはなぜか」と疑問に思い質問したけど、最初はよく分かってもらえなかった。疑問に思ったことをきちんと質問できるように、もっと頑張ろうと思った。高校生のみなさんが一緒に写真を撮ろうと誘ってくれたりして、本当にうれしかった。

川上直美(山辺中1年・松本市)

私は最年少ということでみんなにかわいがってもらえてうれしかったです。一番苦労したのは食事です。学校の給食で食べるのが遅く、アメリカの食べ物が一番心配でしたが、予想通り口に合わなくてほとんど残してしまいました。肉もチョコも苦手ですが、これを機に食べれるようになりたいです。

溝口紗彩(才教学園中2年・岡谷市)

アメリカ人は親しみがあり、日本人と分かると日本語で話してくれた。あっという間でした。グラウンド・ゼロでは前向きに物事を考えているところがいいなと思った。

牧内りずむ(高陵中3年・飯田市)

グラウンド・ゼロではテロについて考えさせられた。亡くなった人の名前が刻んであるのを見て、この人たちがどんなことを思って、どんな最期をとげたのか考えてしまった。

高橋紡花(長野工高3年・長野市)

「自由」とは何かと聞かれた時、「自由は自分でルールを決める、実は一番難しいことだ」と答えました。自由とは、自分で決定する過程のことを言うのだと思います。自由の国、アメリカ。日本は内向的ですが、自発的なアメリカ。今日本はもう少し自発的なオープンな人材を求めていると思います。私たちがその先駆けになれればいいなと思います。

中島瑞穗(長野高1年・長野市)

超ハードなスケジュールでしたが、普通の人ならまず入れないような所に行けて、とてもラッキーでした。新聞を書くことは今まで何回もやってきたのに、今回あらためて書くとこんなに難しいことだったかとびっくりしました。

小沼祐之介(長野高専2年・長野市)

国連では教科書に載っていた議会場を見て、ただただあっけにとられるばかりだった。国連の仕事の話を聞いて、自分も世界の人たちの役に立つ人間になりたいと思った。

吉原万葵(長野清泉高2年・千曲市)

ニューヨークは夢のようでした。テレビで見るニューヨークそのままでした。マンハッタンのビルがすごく印象に残っていて、今私がそこにいて、目の前にあるなんて、本当に感動で、感謝でいっぱいです。

伊東香奈江(上田高2年・上田市)

初対面の人たちと1週間もずっと一緒に過ごすということはなく、いい経験になりました。同年代なのに、みんなしっかりと自分の意見を持っていて尊敬できる人たちでした。夜もみんなで集まって見に行ったこととか、将来のこととか、意見を言い合うのがとても楽しかった。本当にいい刺激を受けました。

竹内瑞穂(上田東高3年・上田市)

ニューヨークは多少臭かったけれど、英語などに使われていた所が多くて、とてもテンションが上がりました。

福島愛美(松本深志高3年・大町市)

ブロードウエイの看板を背景に、その場で出合った人と写真を撮ることができたことは、絶対忘れられません。ブラジルから旅行で来ていた女性は、すし、刺し身など日本食が好きだと話してくれました。自分の英語が通じて、相手の英語も聞き取れて、米国で日本食の話をする。とても不思議で、とても素晴らしい体験でした。

栗林太地(松本蟻ケ崎高1年・安曇野市)

ニューヨークでは最後の機会だと思い、外国の方と話をしました。とても楽しかったです。それと同時に、もっと英語が話せればよかったのに、というもどかしさも強く感じました。

アルッガマゲ未美利(伊那北高2年・駒ケ根市)

空港に行くバスの中で、たくさんの大人たちが涙を流しながら話をしてくれました。そこであらためて、こんなにも多くの人に支えられていたんだということを実感しました。この1週間の経験は大きな財産となりました。

北沢佑奈(飯田高3年・飯田市)

ニューヨークでは9.11の時に女性の消防士だったブレンダさんに英語で質問することができた。あの日、どれだけ恐ろしかったかが分かった。ブレンダさんの「悪夢以上だった」という言葉が忘れられません。

最後に米国生活をリポートした信毎の井上からごあいさつです。

 忙しい日程で、十分に取材ができなかった部分もあってごめんなさい。忙しくて大変でしたが、みなさんよく頑張りました。いままで勉強してきた英語とは違ったり、通じなかったりしたこともたくさんあったと思うけど、チャレンジには本当に感心しました。一日目の「エノラ・ゲイ」の前でアメリカ人にインタビューした勇気には、頭が下がりました。オバマ選挙事務所で電話した人もすごい。

 一人が頑張ってみると、ほかの人もチャレンジしようとしていて、ちょっとしたことも英語が通じたり、分かったりすると、報告に来てくれたりして、見ている私もとてもうれしかったです。誰が一番、ということではありません。一人1人のそれぞれのチャレンジがすごいことでした。

 取材も慣れないことばかりだったと思うけど、物事は両面から見ること、分からないことは恥ずかしがらずに聞いてみること、これを守って頑張ってよく聞いてくれました。

 今回は、かなり背伸びした内容で、難しかったこともたくさんありました。今分からなくてもいつか分かることもあると思います。考えるきっかけをつかんでもらえれば十分です。

 バスの中でみなさんに意見を聞いたのは、自分の気持ちや考えを、上手に表現できるようになってほしいと思ったからです。苦手な人もいるようですが、考えたり、疑問に思ったりしたことを、うまく説明できるようになるといいなと思います。

 期間中、さぞ心配だったと思いますが、見守ってくださったご家族の方々、ありがとうございました。生徒たちは本当に成長しました。そして、協力してくださった共同通信の皆さま、そのほかの先生方、本当にありがとうございました。たくさんの人の力で、今回のツアーが実現できました。

 ではみなさん、頑張った成果を原稿にして送ってください。まってまーす。

鬼の編集長の 井上でした。