一般社団法人 長野県新聞販売従業員共済厚生会

取材報告

佐藤 匠馬 (長野西高校2年・長野市)

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<米国から見える日本は>

 ワシントン、ニューヨークで日本に対するイメージを聞いた。取材した11人全員が、日本に好印象を持つと答えてくれた。
 「日本のアニメ、漫画はアメリカでも人気が高い」とエリック・アレハンジョーさん(14)。日本に行ったことはない。それでも、「日本の文化は友人との間でも日常的な話題」と語った。
 大学院生のキット・マコーリフさん(28)は日本に2度の留学経験がある。東日本大震災を東京で体験し、「日本人は互いに助け合っていた。より一層、すてきな国だと感じた」と教えてくれた。
 一方、米国に移住したジャズピアニストの宮嶋みぎわさんの話から、日本では気付かなかった課題があると感じた。宮嶋さんは演奏を交えながら「ジャズは人と同じようにはしない」と紹介。「私は性格もそうだったので、日本では小学校から大変だった。米国が一番合っている」と話した。性的少数者に関する日本の国会議員の発言なども例に「米国にも女性差別はある。でも日本では、差別が日常に溶け込んでいる」と指摘した。


<銃規制には厳格なプロセス必要>

 銃規制に対する米国民の賛否を取材すると、ワシントンのペンシルベニア通りを埋め尽くす学生デモなどの抗議活動と対照的に、若い世代からも多くの銃規制反対を聞くことができた。
 ボーイスカウト交流会で話を聞いたマックス・ドアティーさん(14)は「銃を捨てたら力のない人が体格のいい人に襲われたときなどに対処できない。また規制内容が現実的でないうちに銃を捨てるのは危険」と語った。
 ホワイトハウス前で銃規制を訴える年配の女性たちと議論を交わしていた銃規制反対派のエリックさん(20)とオースティンさん(19)は「銃規制は自らを守るという権利を損なう」と語った。
 共同通信ニューヨーク支局長の永田正敏さんは「米国は開拓時代から自己防衛と食料獲得に銃を重用してきた。しみついた考えに変化をもたらすことは難しい」と話した。
 古くからの自衛の習慣を捨てる不安を取り除いて銃規制を進めるなら、徹底的で信頼度の高い方法と厳格なプロセスが必要なのではないかと感じた。

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