一般社団法人 長野県新聞販売従業員共済厚生会

取材報告

石川 桃萌子 (鎌田中学2年・松本市)

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<知識深め戦争考えたい>

 「原爆投下はひどかった。多くの人が亡くなり、よくなかった」。コネティカット州に住む中年の夫婦に、原爆投下についての考えを聞いた時、まずこの言葉が返ってきた。原爆投下に対する米国人の捉え方を取材すると、日本人の心情に添うような意見や中間の意見が目立った。意外だった。
 米シンクタンクの若手研究員マイケル・バッカルーさんは、日本留学中に日本人の意見を聞き、今は「当時は仕方なかったかもしれないが、よくなかった」と考えている。しかし、「日本が先に戦争を始めた上に、続けたのだから日本が悪い」と考える人もいるという。私は、太平洋戦争が旧日本軍の真珠湾攻撃から始まった経緯も踏まえて、原爆投下を考えたことはあまりなかった。
 核問題の研究者ロメイ小百合さんは「どの国の政府も自国のアイデンティティーを選ぶ。一方だけでなく両方の見解や歴史を知ることが大切」と話していた。私は原爆投下、真珠湾攻撃も含め、太平洋戦争をもっと知り、考えたいと思った。


<将来に生きるスポーツの経験>

 私はバスケットボール部に入っている。練習や試合は楽しいこともあるし苦しいこともある。よく、学生時代にスポーツをして得たものは将来、役立つと聞く。何が、どういう状況でプラスに働くのか聞いた。
 ベルギーの教師ベロニケさんはテニスをしていた。彼女は「テニスで学んだ相手を尊重する大切さが、先生として子どもと接し、良い関係を築くために生かされている」と話した。同じくテニスをしていたというフランス人のディーダーさんからは「当時、多くの大会に参加したからか、私は競争心が強い。それが会社経営に役立っている」と会社経営者ならではの話を聞いた。
 バレーボールやフットボールなどの団体競技からチームワークを学んだことが、皆で団結して仕事をする際に非常に役立っていると話す人も多かった。
 私と同年代で連日のハードな練習に疲れを感じている人は多いだろう。私は取材を通して、何げない練習の中にも人生の糧になるものは多くあるのだろうと感じた。見落とさずに拾い上げて生かしたい。

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