一般社団法人 長野県新聞販売従業員共済厚生会

取材報告

小林 京右  (上田東高校2年・上田市)

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「トランプ大統領による社会の変化」
 今年1月、ドナルド・トランプ氏がアメリカ大統領になった。トランプ大統領は「アメリカファースト」と訴え、移民や入国に制限を加える政策などを打ち出している。私はトランプ大統領になってからアメリカ社会で何が変わったのか、聞いてみた。
 現地で取材する共同通信の記者さんに「アメリカで生活していて気づくことは何か」と聞いた。「まだ、そんなに急激に変わったようには思えない」と言う。しかし「支持率はわずか半年で36%まで下がった。これは、生活が苦しい一部の人しか支持できないからだ」と説明。移民の問題も大統領がかわってから大きく動き出し「アメリカの世論は以前よりとても断絶している」と話した。私が解決策を聞くと「大きな国家的な事件や問題がない限り、協力しあえないかもしれない」と言った。
 国連で働く日本人職員の男性は「アメリカで『移民』として生きていくのは大変だし苦労もするが、人種が違ってもゴールを目指せる。皆がみんな違うのがいい」と多文化、多様性社会に好意的な意見だった。


「差別をなくすためには」
 「背景を知らないと未来の設計はできない」。特別取材で、全米日系市民協会の幹部で日系3世のジョン・トベさん(56)は力強く言った。
 トベさんから第2次世界大戦中の日系人強制収容について聞いた。1942年、当時のルーズベルト大統領が大統領令9066号に署名し、日系人約12万人が収容所生活を強いられることになった。収容まで1週間。日常生活から切り離され、仕事も財産も失った。食事も満足ではなく、協力して農作物を栽培した収容所もあったらしい。
 終戦後、強制収容所は閉鎖された。その時、渡されたのはたった20ドル。その後も国籍取得や土地購入の制限などに差別は残り、日系市民は名誉回復などに大変な努力をしてきたという。
 私はこんな差別があっていいのかと思った。差別をなくすには何が大切なのか。トベさんは「経験や思いを次の世代へと伝え、知ってもらうこと」と答えてくれた。また「人を見た目や人種で決めつけてはいけない」と言った。私も人の本質を見て、理解できるようになりたいと思った。 

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