一般社団法人 長野県新聞販売従業員共済厚生会

取材報告

尾川 玲   (白馬中学3年・白馬村)

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「同世代に伝えたいこと」
 私は米国派遣の前、クラスメイトにアンケートに協力してもらった。その中で「差別」と聞いて思い浮かぶ言葉は「人種差別」だった。差別についてアメリカのワシントンやニューヨークで取材すると、同世代にもっと知ってほしいことがたくさんあった。
 取材した人のうち、「人種差別はもう、ほとんどない」と感じている人は何人かいたが、リンカーン記念堂に来ていた黒人のベン・ウィトカさん(33)は「お店に行った時、黒人だから何か盗むのではないかと疑われ、店員につきまとわれることがある」と自分の経験を話してくれた。また、ベンさんの妻ジュンさんは「女性で黒人ということから、仕事での昇格が難しい」と話していた。
 報道の博物館「ニュージアム」に来ていた2人に「差別とは何か」と取材したところ、同じ答えが返ってきた。「差別の意味としては、自分では変えられないもの、持って生まれたものを言い立てることだと思う」というものだった。納得させられる答えだった。
 私たちは日系3世で全米日系市民協会の幹部、ジョン・トベさん(56)から、第2次世界大戦中の日系人強制収容などを特別取材した。その中で、何度も似た言葉が出てきた。「宗教・人種でくくらない」「見た目で決めつけない」。突然、日常や仕事、財産を失って収容所生活を強いられ、終戦後も大変な苦労をしてきた日系人の心からの願いだと思う。
 差別は人種だけでなく男女、障害、宗教、文化、性的マイノリティーなど種類はたくさんある。まずは私も含め同世代は、当たり前のことを「差別かもしれない」と疑う気持ちで生活してほしいと思った。


「常に情報を見極めたい」
 ニューヨークで米国の報道と市民の考え方を取材した。トランプ政権に対する考えは違うのに、同じことを感じている二つの家族と出会った。メディアがニュースに見解を示すことへの抵抗感と、政権に対する意見の二極化を感じていることが共通点だ。
 ミズーリ州から来たヒギンズ夫妻は政権支持。支持、不支持の二極化を感じるという。夫のトムさん(73)はネットでトランプ政権寄りのFoxニュースを見ている。妻のメアリーさん(72)は見ない。「メディア側の見解がうるさくて嫌になった」と言う。
 ワイオミング州から来たノートン夫妻は政権を支持しない。テレビニュースはCNN。トランプ大統領から「フェイクニュース」と非難されている局だ。夫ジョンさん(53)は「私が子どもの頃は事実だけが報道された。今は見解が付け足される。それが二極化を進めた一因」と話した。
 ジョンさんは、正しく情報を判断するには「いくつものメディアから情報を得て、自分で見極めることが必要だ」とも語った。私も常に情報を見極めたいと思った。

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