一般社団法人 長野県新聞販売従業員共済厚生会

取材報告

城田 温大  (明科中学3年・安曇野市)

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「エノラ・ゲイと青嵐を見ている私」
 国立航空宇宙博物館別館には第2次世界大戦中のB29爆撃機「エノラ・ゲイ」と日本の攻撃機「青嵐」がすぐ近くに展示されている。エノラ・ゲイは昭和20年8月6日、広島に原子爆弾を落とした爆撃機だ。この日は日本人にとって忘れてはいけない日だ。
 エノラ・ゲイを見学していたアメリカ人に、原爆について質問した。ウーディーさん(51歳男性)は「広島に原爆が落とされたことは避けることができなかったことだ」と言った。「どの戦争も残酷なもので、当時の日米の戦争は政治的な判断の失敗がもたらしたものだが、原爆を落としていなかったら、より多くの死者が出ていただろうから」とのことだった。
 その答えは日本人の私にとって、とても悲しいものだった。戦争での死者を減らすために14万人以上の広島市民が死ななければいけなかったのだろうか。
 原爆は2度と使われてはいけない。戦死者を減らすために一般の市民が犠牲になるのは矛盾だ。しかし、その矛盾が起きてしまうのが戦争なのだ。
 今、エノラ・ゲイと青嵐は静かに並んでいる。日本人の私がアメリカでそれを見ているのも平和のおかげだ。世界の国々が対立するいろいろな国際問題も平和的に解決してほしい。


「家族の絆深める感謝祭」
 アメリカで、「好きな休日や祝日」を取材した。文化や習慣が分かると思ったからだ。1年間の神の恵みに感謝する秋の「感謝祭」を挙げる人が多かった。
 ニューヨークのローパさん(31)もその一人だ。感謝祭には彼の自宅に家族や友人が集まり、その年の出来事などを話しながら食事をする。1年間の疲れを癒やし、互いの絆を深めるのだそうだ。
 隣にいたローパさんの父トムさん(73)が「日本の休日がうらやましい」と言った。理由は日本の何倍もあるアメリカの広さ。遠くにいる知り合いが多く、感謝祭に集まるのは、実はとても大変なのだという。
 ニューヨークのジーンさん(81)は、クリスマスも大切だが「プレゼントを喜んでくれるか不安がある」。感謝祭は「知り合いと本当に気軽に過ごせる」と話してくれた。
 家族や友人と気軽に過ごすアメリカの感謝祭。日本ではどうだろうか。家族や離れて暮らす祖父母と一緒に、食事をしたり、初詣に行ったりする正月に似ているのかもしれない、と思った。 

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